表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
493/567

469話

仕事なのでしゃーないですが非常に疲れる

「疲労困憊なのだわ・・・」

「・・・」

「お、お疲れ」

「うー」

「ほんまにぐったりやん」


妙に夢見が悪かったのか、起きてすぐに泣いてしまった日のお昼ごろ。

珍しく女神と人型が来た。

2人とも来た瞬間にテーブルに頭ぶつけたけど


「痛い・・・」

「痛い・・・」

「同じ反応してるけどあたりまえやん」

「今の速度は俺でも痛いぞ」

「う」


あの厄災の花の対処がかなり厄介なようだ。

この2人がここまでになるとは・・・


「何があったよ」

「・・・私が地球の管理をするのに力を割いているのは教えたわよね?」

「聞いたな」

「その管理している範囲に、あの花が入り込んできたって言えばわかる?」

「・・・ヤバくね?」

「やばいのだわ。超やばいのだわ。ぶっちゃけ負けそう」

「負けたらどうなる?」

「すぐにどうこうなることはないと思うけど・・・ダンジョンはなくなるだろうし、地球全体で植物が絶滅するわ」

「は?」


地球の魔力は、生物で言うところの血に該当するらしい。

それが吸われ続けると、地球の体調に大きな影響が出る。

まず初めに出てくる影響は、地球に根付いている植物が育たなくなってくる。

そこから影響が進むと、完全に枯れる。水もなくなり、結果的に生き物が生きていける環境ではなくなる。


「それで地球崩壊なのだわ!!」

「・・・さいっあくだな」

「本当にね・・・今はまだなんとかなっているのだわ」

「そうなのか?」

「うん。あの赤い鳥と白い虎ちゃんのおかげね」


未来のフィニちゃんとハクコちゃんの戦いが、結果的に花の注意をそちらに向けさせることになったらしい。

権限の及ぶ範囲の食い合いに、多少の余裕が生まれたそうだ。


「その隙に、今持ってる範囲に小細工してきて、今ここにいれるのよ」

「あーだからか」

「うまうま」

「うー♪」


人型を見ると、久しぶりのニホリのご飯だからか、いつもより食べている気がする。

ニホリもそれを見て喜んでいる・・・やっぱりこの光景がいつも通りだなって。


「またすぐ戻るのか?」

「ええ、30分もしたら戻らないと」

「早いな・・・」

「ほんまに余裕ないんやな」

「仕方ないのだわ。それに、終わりがわかっているから問題なし!!」

「え?終わるん?」

「ええ?みんなが戦うのでしょ?」

「まぁそうだけど」

「だったら、すぐに終わると思うの・・・なんとなくね?」

「そこ雑でいいのか?」

「未来のあなたも何かしてるみたいだしね。負ける気はしないのだわ!!」

「何か?」

「あら?聞いてないの?あの花に対してずっと干渉を続けているみたいなの」

「花に・・・?」


それは・・・おかしいな。

未来の俺が干渉するのは基本的に俺だけ。

結果的に俺に干渉するという結果になるのなら、他の何かに干渉するとは思うが。

だが、今の花は俺には遠い。戦うであろう日は大体決まっており、極端な話、女神が完全に負けても、後で俺が勝てばそれは取り戻せる。


今、女神を助けるような干渉を行うか?

ただでさえ干渉したら反動で何が来るかわからないのに。

でも、女神が言ってるしな・・・そう言うことには俺より敏感だろうし。


「あ、そうなのだわ。これ渡しておくのわ」

「うん?・・・なにこれ」


何かのカギのようだ。変わった形と言えば変わった形をしているが。

先端が2つに割れている。


「地球に干渉する力を、形にしてみたの」

「・・・え?いいのか?」

「ええ。多分だけど、私が持っているより良い気がしたから」

「はぁ・・・」

「これがあれば、とりあえず知識の流入は起きないわ。自分の好きなタイミングで見れるようになるの」

「おお!めっちゃ便利やん」


知りたいことを、知りたいタイミングで知れるようになるのか。

しかも、意図していないタイミングで流入が起きないってのは非常にいい。


「でも、なんでこのタイミングで?」

「・・・まぁ最悪に備えてよ」

「え?女神死ぬん?」

「そんな予定はないのだわ!?」

「いや完全に今死ぬやつ・・・」

「フラグだったな完全に」

「うそ!?」


いやいや・・・今の死んだわ。こいつ死んだわ・・・


「可哀そうに・・・」

「うえぇぇぇぇん人型ちゃーん!!」

「邪魔」

「ぐふ」


泣きついて、肘うちくらい、女神様

なんて悲しい5・7・5なんだ・・・


可哀そうな物を見る目で見ていたら、泣きながら人型に抱き着こうとしてこうなった。

人型は丼に盛られたカツ丼をかっ込みながら女神を見もしない。


「可哀そうに・・・」

「今は本当に可愛そうだぞ」

「ふぐ・・・泣きそうなのだわ」

「そんなあなたにロラちゃんを貸し出してしんぜよう」

「」(???


俺の足元に何故かいたロラちゃんをそのまま足で捕獲。

女神の顔に押し付けてみる。


急に来たもふもふに、一瞬状況が理解できない顔をしたのちに、柔らかさに気が付いてロラちゃんを抱きしめた。


「あったか・・・この子こんなにあったかいのね」

「」(???

「しばらくそのままでいてあげて」

「」(コクリ


これで暫く放置でいいかな・・・さてと。


「いつ聞くん?」

「・・・どうするかな」


聞きたいのは、人型の事・・・未来から来たかどうかだ。

俺達の考えでは、微妙に違うのではってことになるんだけど、今一番その可能性が高いのは人型だ。

本人に聞いていいのか、分からないから聞きにくい。

なにせ、場合によってはニホリも関係しているのだ。今楽しそうにしている2人を見ると、猶更聞きずらい。

お前は、未来のニホリと何かして今の時代に来たのかーなんて。

場合によっては、特大の地雷だぞ。


それに・・・


「どうしたの?」(モフモフ

「」(ナニー


女神の前と言うのもある。

ハクコちゃん達みたいに、今の時代のハクコちゃん達の体を借りているとかだったらまだいい。

もし、完全になり替わっていたら?人型ではあるのだが、それでも女神にとっては、自分の子ではないと思うかもしれない。

今の状況を考えると、あまり女神と人型の心を乱すようなことはしたくない。


「けど頼まれたしな・・・」


だが、未来の俺から聞かれたことでもある。

しかも、俺が放っておけないとまで言われてるのだ。

いまいち条件を満たしてない気がするが、可能性があるなら聞くべきか・・・?


「どうするか」

「どうしたらええんやろね」

「本当にどうしたの?」

「うー?」

「」(オツカレ?

「疲れてはないんだけどな」


いや精神的に疲れては来ているかも。


聞くべきか、聞かないべきか。

悩んでいる俺を、人型がジッと見ている・・・?


ご飯を食べる手が完全に止まっている。

既に食べ終わったのかとも思ったが、丼の中にはまだ残っている。

それなのに、こちらを見ている。

・・・前も、こんな目で見られたことがある。

確か、俺が俺の夢を始めてえちゃんと目指そうと思った時。


「・・・私じゃない」

「は?」

「私じゃない」

「・・・お前」

「違う」

「・・・」

「私『は』違う」

「・・・お前は?」

「そう。私は」


・・・少なくとも未来の俺以外の存在がこの時代にいるってことは知っているらしい。

何で知っているのとか、どうやって知ったのとか色々聞きたいことはある。

だけどなぁ


なんで俺は、今の人型を見てニホリと重なったんだ?


「違う。絶対に違う」

「・・・それは、俺にバレちゃダメってことか?」

「・・・」(プイ

「・・・わかったよ聞かないよ」


顔まで背けるか。


「はぁ・・・謎は増えたな」

「・・・ええの?」

「いいよ。なんとなく、わかった気がする」


どういう理屈だとか、なんでそうなってるのかとか・・・言いたいことは増えた。

確かにこれは、俺は放っておくことは出来ないだろう。

・・・人型の中に、ニホリがいる。


未来の俺が、わざわざ探してほしいなんて言ったのは・・・そのせいだ。

よろしければ評価やブクマ登録お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ