466話
冬になると寒くなって布団から出たくなくなって眠くなるの無限ループ
『テイム』の繋がりを見えるようになってから、色々試したがまだ流石に何か出来るレベルにまでは行かなかった。
個々のラインの太さは、やっぱりテイムされてる期間に応じて変わっているのはわかったんだけど。
ただ、そのラインが太いからと言って何かってことも分かっていない。
繋がりの太さを表現しているだけなら、これ以上なくわかりやすいっちゃわかりやすいんだけど。
これではなぁ・・・地味に試行錯誤のしようがないっていうか。
あ、でも一個だけラインに変化が出る条件がわかった。
簡単なんだけど・・・皆の体に直接触ることだ。
コロちゃんに触れたら、コロちゃんと繋がっているラインが明らかに太くなった。
それに、輪郭もはっきりとし始めたし。
でも別に気分を表しているってわけじゃないみたいだ。
触ってると変化アリ。撫でたら太くなる。おやつあげると変化なし。
うーん謎めいている。
「クゥ~♪」
「うりうり」
今もふーちゃんを撫でまくってるけど・・・あれだな、撫でる場所で変化の量も変わるってことしかわからない。
首元とお腹はめっちゃ変化が大きい。頭撫でるだけだと微妙にしか変わらない。
「これは一体何をしめしているのやら・・・」
「ク」
「すまぬ」
「うー」
「目的が違ってきとる」
ふーちゃんに撫でる手が止まってるぞと言われる始末。
おかしいな。目的は『テイム』のラインの研究なんだけど。
撫でるのがメインになってきてる。
・・・いやいつも通りだな。
ニホリとは視界を共有して変化を一緒に見てもらっている。
俺の視点から見えなくても、ニホリなら見えるっていう物もあるかもしれないしな。
『テイム』使用者である俺の視点。
『テイム』の効果を受けているニホリの視点。
2つの視点で見ているんだが・・・うーん・・・よく考えてみると俺の視点の共有だから意味なくね?
「ニホリの方でチャンネル変えられる?」
「うー?・・・う?」
「なんかこう・・・スイッチを切り替えてく感じ?」
「うー・・・」
わかんねぇ・・・だそうです。
まぁわかんないか。
「うーん・・・ニホリの魔力ラインしか見えん!!」
「ですよねぇ・・・」
「きー?」
「ぴぴ」
「る?」
「にゃ~」
他の子は、ニホリと同じように視界を俺と共有できないものかと試行錯誤中。
繋がりがあるのだから、そこからどうでにか出来るんじゃないかってことだ。
でもまぁ、ニホリと俺は視界の共有以外にも夢の共有・・・と言う名の俺の夢に入ってくるってのが出来る。
それはコロちゃんとフミも出来る。ならば、視界の共有も出来るはずなのだが。
だがしかし、今うちの子の中で一番本気になっているのは・・・ポヨネだ。
「チャンネル・・・可視化の結界を弄る?でもそれだとそもそも認識できないものは・・・」
・・・多分これ、ヨミに似たんだよなぁ。
『鑑定』を持っている影響なのか、ヨミは結構こういう何でも調べる癖がある。
親父達研究者がそうなんだが、気になったら満足するまで調べつくすのだ。
ヨミの場合は、『鑑定』で分からないことがあるとマジになる。
そして元はヨミの分身体であるポヨネも・・・そこを受け継いでいる。
んでだ・・・こういう時は、大体ポヨネがヨミを呼ぶのだ。
「ええ呼ばれましたけど」
「おお!?!?」
何時呼ばれたよお前・・・
「さっきですよ?暇だったら来ないかーって」
「ポヨネさん何してるんですか?」
「むきゅ!・・・いやぁ・・・こういうの得意かなぁって」
「何があったんです?」
「実は・・・」
そう。この2人。こうなるとずっと話し続けるのだ。
応用力の高い結界を駆使して、どうにかこうにか問題を解決したり、分からないことを理解しようとする。
俺の『テイム』のライン何て見ようものならそら集中し始める。
「ああ、また2人の世界に・・・」
「クゥ」
「すまむ」
「やから目的かわっとるて」
「うー」
そういえば、ヨミもテイムしているっちゃしてるんだよな。
うちにいないからなんかそういう感じ薄いけど・・・あれ?
「ヨミとのライン、何か違うな」
「ちゃうん?」
「うん。何か変」
「変て」
「なんですか?」
「いや。お前との繋がりが・・・なんかこう見にくい?」
「???」
薄いってわけじゃないんだけど・・・見にくいんだよ。
なんだこれ。輪郭の問題か?
・・・ああ、ピントが合ってない感じかな。
「あ、もしかして」
「う?」
「かも。ねっさん!」
「ちゅー?」
「分身して」
「ちゅ?・・・ちゅ」
ねっさんに一体分身を出してもらう。
どうもダンジョンにまたかなりの数放出しているらしい、デフォルメねっさんの可愛い姿が・・・って違う違う。
この分身体とのつながりを見る。
やっぱりだ、繋がりが見にくい。
「お前分身か」
「あ、なるほどそういう感じで分かるんですね」
「へぇ。うち分からんかったわ」
「まぁこの一体に絞って出してますから、クオリティ的には本体を変わらないはずなんですけど」
「そこは関係ないみたいだな」
分身だとそもそもの繋がりが遠いって感じなのかな?
ねっさんやヨミの本体を通じて俺と繋がっているような感じだろうし、だから見にくい。
そこは増やした分身の質とは関係がない。
事実ねっさんとヨミの見え方はそんなに変わらないし。恐らくはテイムされ歴の違いしかないかな。
「てか、分身寄こすってお前相当忙しい?」
「かなりですね。結構広い範囲で調べものしてますし」
「動画は見たか?」
「見ました。あんなのがいるなら、今の状況も納得ですけど」
「問題ありそうな場所とかは?」
「・・・魔力が集中的に吸われている土地を見たんですけど、近いうちに枯れますね」
「枯れる?」
「何て言うんでしょう・・・えーっと・・・地球の中を流れる魔力の流れ?」
「龍脈とか地脈とかってことか?」
「ああそれですそれです」
ヨミ曰く、その龍脈の流れが場所によって消えそうになっているらしい。
魔力の量が減りすぎて、流れを形成できなくなっているのだ。
そして、完全に魔力が無くなると・・・
「その土地では、生物が生きることが出来ないようになってしまいます」
「・・・なるほど。それが原因か」
「はい?」
未来の俺は、花との戦いで自分達以外の生命を滅ぼしたそうだ。
それの原因を聞けてなかったが、恐らくこれだろう。
地球全体で、魔力が枯渇。
その影響で、全滅と・・・
魔力を吸ったのは・・・多分俺も含めているかな。
地球と繋がり、本格的に暴走させたら俺も魔力を吸うようになるかもしれない。
暴走の原因は、地球の力の発散だが・・・それで勝てない場合は足りない物を補おうとするだろう。
いや・・・順番が逆か?地球の魔力を使って戦っていたが、花を倒す寸前で暴走。
倒すことは出来たが、あまりにも力を吸いすぎて完全に止められなくなった。
暴走を止めようとフミが俺と戦うが、結局俺はフミを死なせていまう・・・これかな。
戦いの余波で、地球から命が消え去るというのがいまいち想像出来なかったが・・・
ああそうか。そうなったのか。
「何の話です?」
「・・・あれ?お前未来の俺の話知らないっけ?」
「知ってますけど、未来の状況の話なんて聞いたことないですよ?」
「ああそこか。地球なんか滅んでるっぽくてな」
「へぇー私生きてるんです?」
「未来の俺が言うには生きてるらしい。てか、何かこっちの時代にいるらしいぞ」
「へぇー・・・え、マジですか?」
「らしいってだけだけど・・・どうかしたか?」
「いや別に・・・あれ、まさか・・・いやそんな馬鹿な・・・」
何やらぶつぶつ言っているが、もしかして、どこに未来のヨミがいるのか知っているのか?
「知ってる・・・ああいやなんでもないですほうっておいていいです」
「それ未来の俺にも言われたんだけど」
「ああはいでしょうね・・・えぇマジ何してるんです私・・・」
な、何かそういう感じだと気になるな・・・。
未来のヨミは、俺への干渉を一切行っていないそうだ。
それどころか、あの花に何かするってわけでもないみたい。
まぁ確かに変だな。未来を変えるわけでもないのに、なんでこの時代に来たんだ・・・?
「何か変なこと考えてるのか」
「いいいいいいいやいやいやいやそそそそそそそんなここことないですよ!?!?」
「わかりやすく動揺すんなよ」
「てかそんなキャラちゃうやろ」
本気で同様してるけど・・・なんだなんだ。本当に怪しいぞ。
「でも探されたくないと」
「後生ですから勘弁してください!!」
「どんだけ嫌なんだよ・・・」
「見たことないヨミがおる・・・」
「うー・・・」
「クゥ~」
「????」
ユニちゃんもだれこの人ってなるわな。
まぁここまで嫌がるなら探すのはやめるか。
「でも、何してるのかは知っておきたいんだけど」
「・・・それも勘弁してほしいんですけど」
「いや、流石に完全放置はなぁ・・・他の子ならともかくお前だし」
「私の信頼度の低さが憎い!!」
「いいから、何してるの?」
「・・・凡そ私の推測ですけどいいですよね?」
「まぁいいけど」
流石にヨミも直接の接触はしてないようだ。
まぁある意味当然だけどさ。未来のヨミ側もわざわざ来ないだろうし。
推測だと念を押したというのに、ヨミはかなり言いにくそうだ。
・・・あれ、何か変な事考えてる感じじゃない?
これ、めちゃくちゃヨミが恥ずかしいってだけじゃない?
「こ・・・婚活してます・・・」
「なんだって?????」
マジで何してんだこいつ
「私じゃないもん!!!」
「おおう」
そんなに一緒にされたくないか。未来のお前なのに。
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