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456話

最近ファイナルギアにハマってしまっております。

ロボットいいよね

「るるー!」


ビームは似たような攻撃手段を持つピッちゃんがメインで弾いている。

威力に差がありすぎて、相殺できないから俺とフミが軽減させて逸らすので精一杯だ。

それでも全部は防げないが、ビームを受け流すような結界の形状になっているため、何とかなっている。


ポヨネの負担は大きいが、結界の端から他の子が微力ながらも弾いてくれている。

だが、結界の意地で全く先に進めていない。


「これは・・・ポヨネ、進めるか?」

「ちょっと無理です!!!」

「じゃあ無理だな!!」


俺達が防ぎきれるならいいんだが、それが出来ていない。

・・・暴走覚悟で『真化』を全開にして、集中すれば行けるとは思うが・・・ダメだ。この場面に置いて暴走だけは絶対にダメだ。


「下がるのは!」

「・・・しーちゃん!!」

「めぇ!!」


ポヨネがしーちゃんに声をかけたとたん、しーちゃんの毛がモコモコと伸びてくる。

それふぁビームに当たると、あまりの密度でなんと1秒だけだが耐えることが出来た。

これなら・・・


「ピッちゃんフミ戻るぞ!」

「はいな!」

「るるー」


ピッちゃんっは不服そうだが、仕方のないことだ。


結界の上に戻り、しーちゃんの毛をデコイとして置いて行って、俺達は離脱していった。



















結界の速度なら、4キロ圏内からはすぐに抜けられる。

逃げている時は、根もビームも来なかったから本当にすぐに離脱出来た。


離脱した先には、機材を乗せた船と俺たちの乗っていたヘリがいた。

戻ってなかったのか親父・・・


結界を近づけて、俺だけ先にヘリに飛び乗る。


「親父!」

「恭輔!大丈夫か!?」

「あ、ああ。大丈夫・・・怪我はない」

「うー!」

「ニホリも・・・大丈夫だよ。皆のおかげだ」

「ワフ」

「うぇ~」

「コロちゃんもポヨネも良くやったな」


親父がみんなを労ってくれる。


戦闘時間は僅か10数分。

だが密度が濃すぎだ。あれでは花に辿り着いても戦うだけの集中力がもたない。

魔力の消費も激しい。得にポヨネはきつかっただろう。


とりあえず、俺達に備え付けられていた小型カメラを親父に渡す。

破損はないから、戦闘の映像がちゃんと映っているはずだ。

だが、直接言わないといけないだろう。


「・・・どうだった」

「・・・無理だ。近づけない」

「そこまでか・・・」


始めは根の攻撃、恐らく1キロほど進んだ時にビームが飛んで来た。

根の攻撃よりビームの方が激しく、脅威としても大きかった。

恐らく、さらに接近すればより強い何かが来るはずだ。

無理矢理進むのは・・・恐らく出来た。だが、それをしたら戻ってこれなかった。


「どうしようもないって感じだよ。戦闘機で近づいた方が近づけると思うわ」

「何?」

「結界の足場の最大速度で振り切れたんだ。不意を突いたらだけど」


だから4キロ以上離れた場所から戦闘機で一気に近寄れば、恐らく本体まで届くはずだ。

海面から距離を取っているから、攻撃が届くのにも時間がかかるはずだし。


「お前らがやるのは?」

「多分距離関係無しに攻撃来るから無理」


シュルちゃんに乗りながらってのは考えたが、それをしたらもっと遠くから襲われかねない。


戦う・・・というか、脅威にさらされてわかった。

あの花。俺の事を認識している。

この地球上で、最も脅威の存在として俺を認識しているのだ。

だから俺に対してものすごく警戒してくる。

今回は俺がゆっくり近寄ろうとしていたから、4キロの内で攻撃してきたが、移動手段を変えたらダメになる。


「地中にはってる根が、俺の魔力を捉えてるんだ」

「じゃあお前の場所は筒抜けだと?」

「多分な」


俺以外にも、脅威になりうる存在は監視しているはずだ。

女神も、人型もだ。あいつらは恐らく他の事で手一杯になっているのだろうが。


ではコロちゃん達だけなら?

これもダメだろう。脅威になると思われたらアウト。

思われてなくても、コロちゃん達だけでは近寄れないだろう。

手が足りなくなるし、咄嗟の判断が間に合わない。


「・・・じゃあ、あれが自分から近寄ってきたら?」

「はい?」

「花も動くだろう」

「あれは根の生える方向がって話だろう」

「いや、あんな不可思議な花なら動けてもおかしくないだろ」

「・・・それもそうか」

「それで?どうなんだ?」

「・・・迎撃次第だよ。あのままなら無理。すりつぶされる」


無理矢理相手の危険域に置かれるようなものだ。

はっきり言って死ぬ。


「どうしたら対応できるようになる」

「・・・最悪、的を分散するとかかな」

「・・・本当に最悪だな」

「それに成功するって確証はないって言う」

「詰んでないか?」

「軽く」


ドローンでもなんでもいいから飛ばして、相手の意識を俺たち以外にも分散させればワンチャン・・・ってくらいの話だ。

それに俺の事を見ているなら、俺以外には狙わない可能性もある。


後考えられるのは・・・真上からの奇襲か。


「それこそ宇宙から狙えば、万に一つも妨害はないはずだけど」

「弾道ミサイルか・・・」

「それを脅威と認識すれば、多分動きがあるはず」


そもそもが花・・・まだ木の形だが、真上はまだマシなはずだ。

ビームも根も、地球に張り巡らされた根っこから来ているはずだ。

それなら、上から・・・って発想。


「お前ら何かあるか?」

「えぇ・・・いや、うちらじゃ浮かばんよ」

「人間の知識なんて少ないですし」

「うー」

「・・・ワフ」

「き」

「だよなぁ」


やっぱり俺達がやるならまっすぐに進むのが一番楽か・・・いや待てよ。俺だけなら行けるな。


「ニホリ、フィニちゃん起きてる?」

「う?うーうー」

「・・・チュン?」


ニホリの懐ですやすや寝ていたようだ。この状況で緊張してないってか、ヘリの音とかうるさいだろうに。

まぁ起きてるならいいか。


「フィニちゃん」

「チュン?」

「飛ぶぞ」

「???・・・!!チュン!」


ふぇ?って顔を傾けて・・・あ、出番か!って気がついたようだ。何をするか。


フミ達も、フィニちゃんを見て俺が何をしようとしているかわかったようだ。

勿論、止めに来る。


「や・・・アカン恭輔。それはアカン」

「私も反対です」

「うー!」

「・・・何をする気なんだ」

「瞬間移動で、あの花の前まで一気に行く」

「対応出来んやろ!?」

「あの距離であれなんですよ!?目の前何て正気じゃありません!!」


フィニちゃんの瞬間移動・・・あれは神力を使う技だ。

恐らく、あれなら感知されずに近づける。

問題は、あの技は遠い場所に行こうとすると俺だけした移動できないのだ。

近くならだれかを抱えて移動も出来るのだが・・・


制御が難しく、移動距離が伸びると途中で落としてしまうのだ。

実際すらっぴを抱えて試したときに、庭に落して怒られたし。

だが、俺一人なら間違いなく行ける。

『飛行』もあるから、移動した先でも問題ない。


欠点は、フィニちゃんを連れてかないといけないことだけど・・・


「ガウ」

「ハクコちゃん?」

「ウウ」

「・・・浮いてついてくると」

「ガウ」

「ハクコちゃん!!」


フミが本気で怒っている。

これはハクコちゃんが危ないって言うより、俺を止めろって言っているのだろう。


「だけど、やらないといけないことだろ」

「・・・あれ待つんじゃあかんのか」

「ダメだ。ちょっと想定外すぎる」


未来の俺の事を言っているのだろう。親父の前だからごまかしているが。


だが、俺の想定をはるかに越えている脅威だあれは。

未来の俺が何か準備していたとしても、俺自身の想定を超えている以上、それが確実に通用するとは言えなくなる。

だから、俺は今このタイミングであの花を正確に見ておかないといけない。


「頼む。行かせてくれ」

「恭輔・・・」

「死ぬ気はない。神力があるから、離脱も一瞬で出来るから」

「チュン!」

「ガウ」

「フィニちゃんにハクコちゃんも・・・」


フミは、それでもやはり納得できていない様だ。


俺がここまで言う理由を、わかっているのだろう。

分かっているから、反対しているのだ。


・・・自分が死ぬかもしれないから、出来るだけ備えておきたいという理由で、恭輔が危ない目にあうのは嫌だ。

多分、そう考えているのだろう。顔を見ればわかる。


でも、あれと戦うのなら間違いなくやっておかないといけないことだと理解している。


「・・・5分や。最大5分」

「フミ」

「これ以上はアカン」

「・・わかった」


最終的に、フミが折れてくれた。

時間制限が付いているが、これは問題ないだろう。

多分、そこまで長く保たない。


「すぐに戻ってくる」

「気を付けて・・・本当に気を付けてな」

「ああ。フミ」

「ん・・・」

「・・・行ってくる」

「・・・恭輔を頼むで」

「ガウ!」

「チュン!」


炎に飛び込む、その先は・・・

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