455話
感想で終わりが近いの?と頂きました。
近いんですよね・・・
親父の対応は早かった。
3日かかるとか言ってたのに、実際は一日で俺達が偵察出来るところまで話を持っていったし。
こういうのに慣れるとはなぁ・・・とか何か言ってたけど。
まぁようやく研究以外も板についてきたということなのだろうか。
・・・今までも十分慣れてたと思うんだけど。
「準備いいか」
「OKや」
「う!」
「ありがとな」
現在、ヘリで可能な限り近づこうと移動している。
途中からはポヨネの結界の足場を作って一気に近づく予定だ。
攻撃は下から来ることを想定しているから、警戒は常にする感じだ。
「・・・でけぇな」
「魔力もえっぐいわ。それに濃い」
「恐らく、地球全体から吸った魔力があの花に集中しているからでしょう。それでも、あの密度は・・・」
「うちらが外から吸収してもああはならんしな」
「そうなのか?」
「まぁあれとうちらのは正確には違うんやろうけど」
俺達が外部から魔力を吸収・・・ニホリのスキルがそうだな。
あれとあの花の魔力を吸収するのはまぁそりゃ違うでしょうね。
ニホリの方は、一定まで魔力を外から吸収したらそれ以上は吸えない。
コップに限界まで水を入れた状態だな。それ以上入れようとすると、零れるし勢いによってはコップが壊れる。
対してあの花は・・・スポンジか?
吸収できる限界が分からず、吸えば吸うほどスポンジが重くなる。
「問題はマジでどこまでが限界かってことなんだけど」
「パンクしてくれへんかなぁ」
「無理でしょうね。今も着々と吸っているみたいですし」
近づけば近づくほど、下から流れる魔力の流れがよくわかる。
こいつ、この辺にも既に根を張っているみたいだな。微量だけど、存在を感じる。
それに最悪なことに、この花も俺と属性が似通っている。
土と草。その両方を持っていて・・・恐らく対抗したら負ける。
すぐに負けるってことはないだろうが、同じ対象に干渉したら押し負ける。
あの亀と比べたらどうなんだかな。
「これ以上は無理です!!」
「分かった。恭輔、行けるな?」
「問題なし。皆もいいね」
「ッシャ!」
「大丈夫です」
「ワン!」
「ぴ!」
「きき!」
「ちゅ!」
「クゥ!」
「るる!」
「めぇ」
「!!」
「にゃ!」
「ぐぅお!」
「うー!」
「ニホリは留守番!!」
「うー・・・」
「んじゃ行くぞ!」
ポヨネの結界が足場を作ったその瞬間。
結界をぶち破って足元から蔓が襲い掛かってきた。
「クゥ!」
咄嗟に反応できたふーちゃんが根を燃やすことで迎撃出来たが、これは不味いぞ。
「高度上げろ!」
「はい!!」
海面に近いと次も対応できるかわからん。
上昇して距離を取らないと。
結界が徐々に上がっていくが、その間にも根の蔓は襲い掛かってくる。
真下からの奇襲が失敗したからか、次は俺達を包囲するように囲んできた。
・・・ヘリはもう離脱してるな。
「全力で迎撃!」
それぞれの返事が返ってくる。
それを皮切りに、一気に攻撃の光が放たれる。
根自体の耐久力は大したことない。
俺とは相性が悪いから対処が難しいが、それもまだ対応できる。
ニホリを置いてきて正解だった。
この距離でこれだと余裕ないぞ。
というか・・・
「なんな俺に向かってくる量多くないか!?」
「そういえば・・・おっと!」
「ガウ!!」
「コロちゃんありがと!!」
一瞬根への対処が遅れたポヨネを、コロちゃんが助ける。
コロちゃんの魔刃は相性いいみたいだな。スパッと切れる。
他の子も、今のところは大丈夫みたいだな。
でも、やっぱり俺が一番狙われているな。次にフミ。さらに次でポヨネだな。
これは・・・魔力の量か?
「大丈夫なんか恭輔!?」
「まだ・・・行ける!!」
根の対処として一番効果的なのは、切る事だ。
だから剣を2本作って振り回して対処している。
だけど、時々対処し損ねる。
ふーりんちゃんとカルちゃんが隣にいてくれるから、被害が出ることはないが。
カルちゃんも相性良くないからな。殴って払うことは出来ても、また襲い掛かってくる。
それに、何か妙だ。
俺がこいつを見た時、魔力を用いた攻撃は意味がないと思った。
だが、実際は通用している。
ふーちゃんの炎も、すらっぴの水もちゃんと効いているのだ。
どういうことだ?俺の勘が間違っていたのか?
また地球からの知識かと思ったが・・・
「うお!?」
「考え事後にせぇ!」
「すまん!」
気が逸れた一瞬の隙を狙われた。
剣と剣の間をすり抜けてきたが、フミが横から弾くことで大丈夫だった。
結界の足場は、徐々に前に進んでいる。
だが、これなら一気に抜けた方がいいか?
「ポヨネ。加速しろ!」
「え?りょ、了解です!!」
上に乗っている俺たち事一気に加速する。
襲い掛かってきた根は、背後から俺達を追いかけるように向かってくる。
さらに前方の海中からもかなりの量が来ている。
だけど正面から来るだけなら、穴をあけるだけでいい。
「皆!!」
魔法組が、一気に力を溜める。
溜まった力は、俺の前に集中される。
前に一度使った魔法だけど、今の方が強い!!
「ッ!!解放!!」
タイミングを合わせて、一気に撃ちだす。
複数の属性が集まった魔力の塊。
根の大群に着弾した瞬間にそれは大爆発を起こす。
複数の属性が一点に集中する場、それはありとあらゆるものを消滅させる力になる。
纏まっていたからだろう、根は一気に消滅。
進路が確保できた。
「ポヨネ!!」
「はい!」
さらに加速し進む。
何とか根は振り払えたか・・・?
「・・・来ないな」
「諦めたんかな」
「根じゃダメだと思ったのならいいんだけど・・・ポヨネ下だ!!」
「ッッッ!?!?」
ポヨネが結界を操作して、その場所から横に離れる。
次の瞬間、下からビームのような物が放たれ、俺達のいた場所を通り過ぎていった。
「るる!?」
「言ってる場合か!?迎撃するぞ!!」
「る!」
ピッちゃんの無属性魔法ビームに似ている。
溜め込んだ魔力を光線状にして撃ちだしているのか。
ピッちゃんはパクリかとか言ってるが、マジで言ってる暇ないぞ。
魔力の密度が段違いだ。
「受け流すようにすれば何とか出来るはずだ。ポヨネ。下に円錐状の結界頼む!」
「はい!」
「フミと俺とピッちゃんで可能な限り逸らすぞ!」
「はいな!!」
「るるー!」
まぁそら簡単には近づけないよな




