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454話

分かったんですけど出勤時間早くしてくれれば早く帰ってこれるんですよね

おのれ時差出勤

「うー・・・」

「せやなぁ・・・」


・・・最近、女神たちが家に来ない。

大体期間が空いても3日以上開くことはなかったのだが。

かれこれ1週間以上・・・音沙汰がない。


何か合った・・・のだろうな。

恐らくあの花だ。

その対処に追われていると考えている。

既に死んでいるとは考えていない。あれが死んだら、ダンジョンに影響があるだろうし。

何よりその場合は、女神は人型を逃がすだろう。そして、何が起きたかを俺達に伝えるはずだ。


それがなく、連絡もないってことは、まだどうにかなっている。

または、一瞬たりとも手が抜けない状態に生っているということだ。


まぁ。それがわかったところでどうしようもないのだが。

俺達はあいつらがどこにいるか知らない。知ってたところで行けるか分からんのだが。


てか、ニホリが落ち込んじゃってかわいそうなのだ。

いつも自分の作ったお菓子とかを食べてくれる人型が来ないから、試作しても意味ない~って感じだ。

状況を考えれば、仕方ないと言えば仕方ないのだが・・・


まぁ作ってしまった分は俺達で食べてる。

俺達も、いつ何が起きてもいいように準備はしている。

皆それぞれ鍛錬は欠かさないし、急に問題が発生してもいいように出来る限りダンジョンにも行かないようにしている。

行ってもすぐに駆け付けられるようにはしてある。


そして、いつでも全力で戦えるようにもしている。

出来る限り休んだりな。


「うーうー」

「うぇ・・・もうお腹一杯なんやけど」

「う?」

「あの人型どんだけ食ってたんよ」

「まぁ食材は持ち込みだったから・・・」


うちの金銭面に何かあるわけではないのだが・・・それでもすごい量だなとは思う。

大皿で7皿チャーハンて・・・


「作りすぎじゃね?」

「う?」

「これにデザートまで食えるのか・・・」


化け物かあいつ。


「ただいまーみんな~」

「ただいま」

「うー!」

「ナイスタイミング!!」

「まさに救世主や!!」

「おおなんなn・・・なんだこれ」

「チャーハン」

「美味しそうね~」

「そこじゃないと思うんだが・・・?」


7皿作って、俺とフミで2皿と半分。

後4皿と半分です。明らかに明日もチャーハン。昼夜チャーハン。


それにしても本当にいいタイミングで返って来てくれた。

最近ずっと遅かった・・・特に親父。なんなら帰ってこれない日もあるくらいなんだが。

夕飯時に帰ってこれるって珍しいな。


「何かあったのか?いや、何もないのか」

「ああ。何もない。こちらではあの花に対して何も出来ないってことがわかったからな」

「やっぱりか」

「それに、お前の言う通りあれは魔力の塊だな。地球から魔力を吸収してるって話だが、どうもその通りらしいな」

「ああ、見れたんだ」

「ようやくな。規模がデカすぎで、こっちの機材が壊れるかと思ったよ」

「近づいたのか?」

「ギリギリまでな」


始めにドローンで偵察を行ったそうだ。

その結果、あの花には射程範囲・・・どれくらい接近すると襲われるかが分かったらしい。


距離にして凡そ4キロ。

それ以上近寄ると、すぐに襲われるらしい。


「その距離でも調べられたのか」

「かなり改造したがな」


望遠鏡くっ付けてみたり、とにかくやれることは色々やったそうだ。


「ああそうだ。調査中に、花が一度大きく動いた時があってな」

「大きく?」

「その時に撮れた写真なんだが・・・これだ」

「うん?・・・これ、人型か?」

「ほとんど影しか映ってないが、そう見えるか」

「ああ・・・このサイズで影も捉えさせないくらいの速度ってなると、人型くらいしか」


やっぱり、あいつらは戦ってたみたいだな。

恐らく花に何か有効な手段がないか試しているのだろう。

だが、今もまだ花は健在・・・何も出来なかったと見える。


それどころか、有効な手段も見つけられなかったか。

あったら俺達に言いに来そうなもんだしな。


「これはまだ日本でも数人しか教えてないが・・・お前から見てもやばいんだったな」

「やばいってレベルじゃないよ」

「・・・この花の影響が、大きく出始めた時に備えて、緊急事態宣言も考えられているんだ」

「・・・それで?」

「意味があると思うか?」

「・・・俺が勝つって前提ならある」


そうじゃないなら・・・意味はないだろう。

俺が負けた時点で、世界が終わりかねない。

まぁ今の俺が負けただけで、未来の俺が何か手段を残しているのなら分からないが。


だけど・・・もしだ。

もし未来の俺含めて負けたら・・・その時は本当に終わりだ。


いずれにしても、これは親父達には言えない。

先ず未来の俺の事に関して親父達には何も言っていないのだ。

言えるはずがない。地球に生き残っているのが俺達だけなんて言えるわけない。


だから、親父たちにとっては俺の負け=終わりだと伝えないといけない。


「勝算は?」

「やってみないと分からない・・・何も試してないしな」

「そうか・・・やる気は?」

「やっていいなら」


そう、その覚悟はあるのだ。

未来の俺は、恐らくこの段階で俺が仕掛けることを勧めはしないだろう。

まだあちらの準備が整っていないはずだ。

整っていたら、何かしてるだろうし・・・


だが、俺達だってただ待っているだけと言うのは良くないだろう。

それに、今生きているのは俺達だ、未来からの干渉で、難易度は上がっているのだろうが・・・


「出来るなら、俺で終わらせたい」

「分かった。上には伝えておく」

「てか、他の国はあれに何かしないのか?」

「・・・すでにしている」

「は?」

「既にアメリカの海軍が攻撃を仕掛けようとしたんだ」

「結果は?」

「失敗・・・文字通り壊滅状態らしい」


どうやら花の防衛範囲である4キロ以上の距離は取っていたようだ。

まぁ海上での戦いならそうだろうな。

てか、軍艦ならかなり前でも30キロ以上は射程あったらしいし。


これだけ距離を保っていたも、壊滅・・・何が起きた?


「最初は良かったそうだ。動きがないから、一方的に砲撃出来たらしい」

「ああ、反撃が来たのか」

「海中から根が伸びてきて、一気に真っ二つだそうだ」


根が軍艦を締め上げ、一気に二つにへし折ったそうだ。


なるほど。防衛距離とあいつ自身の射程は大きく違うらしい。

いや、そのくらいの距離での攻撃なら問題ないと判断しているから防衛距離は4キロなのか。

警戒してるのは・・・俺達か。


小さな人の形で、自分を脅かす脅威。

デカい的は、警戒する意味もないと考えているのか・・・果たしてどうやら。


「その結果があるからな、他の国は手が出せない」

「懸命だよ。無駄に被害が出るより良い」

「全くだ」

「俺達が仕掛けるとして、どれくらいかかる?」

「・・・最短で、恐らく3日」

「結構かかるな」

「お偉いさんの中には、お前らはいざって時に備えさせるっていう意見もある」

「何もしないで、日本が危なくなったら戦えと」

「そういうことだ。それまでは、他の連中に任せておけと」

「・・・いや、ないな。これ以上は何か得られるとは思えない」


相手が攻撃してくる距離がわかっただけでも御の字だ。

だが、それ以上の事がわかるとは思えない。

ここから先は、俺達自身が戦って確かめないといけないだろう。


「てか、俺達もそのために準備はしてるからな」

「そうか・・・出来るだけすぐに行けるように準備させる」

「頼んだわ」


さて・・・どうなることか。

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