447話
ガラっと変えていくスタイル
まぁ今はお休みなので休むんですけど。
「ええんか?」
「どっちにしろすぐには何もわからないしな」
俺が動こうにも、先に親父たちが動くからな。
それの調査が先にあって、そこから俺に正式に話が来る。
動くのはそれからになるだろう。現時点で、俺のわかっていることも伝えてはいるから、親父達も無茶はしないと思う。
あんなのがいて、女神が来ないのは気になるところだが・・・
「便りがないのが元気な頼りとか言うし・・・あれ、そんなんだっけ」
「まぁ恭輔がええならええんけど」
「うーうー!!」
「ほら、ニホリも待ってるし」
「ほーい。・・・うち狸やなくてええの?」
「いいでしょ。普通に人間態になってもらえば」
「ほなそうしよかな」
今日は昨日ニホリに約束した諏訪大社に行くのだ。
まぁコロちゃん達はお留守番ってことになってしまうが。
「ポヨネ、結界よろしくな」
「了解です!!」
ポヨネの結界で、視認疎外と進入禁止の結界を張ってもらう。
これで警備も万全。湖で遊んでても全く問題なしに出来る。
だが、勿論不満な子もいるわけで。
「クゥ~」
「き~」
「ふーちゃん離してよ~」
「うー」
「クゥ!」
「き!」
この2匹である。
朝から俺の体の上に乗って準備を邪魔したり、ポケットに忍び込んだりととにかく連れてけ置いてくな攻撃が激しい。
おかしいなぁ。今までこんなことなかったのに。
ニホリ的には連れってってもいいんじゃね?って方面なんだけど・・・ふーちゃんはともかくバトちゃんはなぁ。
「コウモリも別に連れ歩け無くはないけど・・・うちの近所ならなぁ」
今更近所の人も俺が何連れても驚かないしな。
だがここは長野・・・それも目的地は諏訪大社だ。観光の人は多いだろう。
平日だけどな。それでもある程度は人がいることを想定している。
そうなると、バトちゃんはなぁ・・・流石にキツイ。羽根4枚だし。
「う?」
「き?」
「そうそう。ふーちゃんはほら。最悪人間態になれるじゃん?」
「・・・クゥ?」
「・・・まぁ狐ならどっちにしろ大丈夫だとは思うけど」
狐なら・・・いや観光地に狐連れてくるってなんだとか思われそうだけど。
問題ないでしょう多分可愛いし。
あ、バトちゃんも可愛いからね?
「うー・・・」
それなら仕方ないかぁ・・・と(´・ω・`)こんな顔で落ち込んでしまった。
ふーちゃんもバトちゃんが行けないのならわがまま言えない・・・と(´・ω・`)顔になって俺から離れたが・・・
バトちゃんがやってくれた。
「きー!」
「は」
「え」
「え」
「う」
「クゥ?」
「・・・きき♪」
バトちゃん、人間モード取得・・・?????????????
「うー♪」
「クゥー♪」
「きー♪」
俺の前で、幼女3人組が手を繋いで歩いている。
3人でお出かけ出来て楽しいのだろう。
その姿は、周囲で見ている人たちすら楽しい気分にさせる・・・ってそうじゃない。
「どういうことだってばよ」
「いやうちもさっぱりなんやけど・・・何かしたん?」
「身に覚えが・・・あ」
「あるんか?」
「あるわ。『悪魔化』」
「あー使った言うとったやな」
てかそれしか覚えがないです。
ただ、『悪魔化』を使用した後にカードでみんなのスキルは確認したけど、『変化』はなかったし、そもそも新しいスキルはなかった。
ということは、バトちゃんの変化は自前・・・悪魔特有の物ってことか?
でも俺の知ってる悪魔はそんなことしてこないし
「なんだ・・・何が起きている」
「・・・あ、もしかして」
「お。何かある感じ?」
「思い出したわ。恭輔知らんのも無理ないわ」
「え」
「いや、会ってはいるんよ。会ってはいるんやけど・・・」
「けど?」
「・・・うちが見せてない」
「・・・あー」
もしかして・・・サキュバスか。
あーなるほど。サキュバスならこの変化もよくわかる。
サキュバス・・・淫魔とも呼ばれてる悪魔。
女性の悪魔で、人間の男の夢に入り込み精気を奪う悪魔。
ちなみに男版の淫魔でインキュバスもいる。
そしてこの淫魔、ゲームやアニメなどでは姿をある程度自由に変えられるという設定があることが多い。
これは、自分の姿を変えることでどんな趣味趣向の男も誘惑出来るようにだ。
そのイメージが、今のバトちゃん・・・サキュバスに能力としてあるのかもしれない。
・・・え、てかバトちゃんがサキュバス?
コウモリじゃなくて?
「・・・?????」
「あかんバグった」
え・・・お?・・・おえ?
「き?」
「・・・きき?」
「きー♪」
「・・・まぁいいか」
「ええんか!?」
「何か性格は変わってないみたいだし」
「いやそれはそうなんやけど・・・」
ちなみに今3幼女は皆ニホリの持ってきた服を着ている。
てか、母さんがニホリの荷物に大量に持たせたのだ。それが役にたっている。
正直邪魔だだけではとか思ってたけど・・・ッは。まさか母さんはこれを予測して・・・?
「いやんなわけ・・・ない・・・??」
「自信ないんだけど」
「あかん否定できひん」
母さんの娘大好きレーダーで未来を見通せた可能性がワンチャンあるのではなにか疑惑。
ほら、バトちゃんとふーちゃんが人間態になれるってことは、娘が増えたってことだから。
多分今の3人見たら絶叫して抱き着いてそのまま連れてかれるな間違いない。
「ちゅーか、バトちゃん練習しとったん?」
「き?」
「いやいや。随分スムーズに変身できとったけど」
「きー」
「夜にこっそり?あーやからか。ふーちゃんよりうまいんちゃう?」
「クゥ!?」
「やってふーちゃん『変化』自体嫌がるやん」
「クゥー」
「まぁそれわそうなんやけど」
「照れる」
「褒めとらん。ふーちゃんの教育に良くないわ」
「本当に申し訳ございません」
俺がふーちゃんの狐・・・てか本当の姿の状態の時に偉い可愛がるから、他の姿になりたくないんだと。
構って貰える回数が減るからって。
うん。これは俺が悪いな。でも別に姿が違うから構わないわけじゃないんですよ。
「クゥ?」
「いやだってふーちゃん練習で武器になるじゃん」
「あー・・・そら可愛がれんわな」
「うーうー」
「きー」
「・・・クゥ」
もう絶対に武器にはならないとのこと。
折角炎が効かない敵に対して覚えた対抗技なのに、それでいいのかって話はあるが・・・まぁいいよ。
他の子が戦えばいいしな。そもそも物理的な攻撃をするだけなら俺で十分だし。
フミがその気になればもっと問題ないし。
「だけど、本当にならなきゃまずいって時はすぐに変身しなきゃいけないから、練習はしてね?」
「ク?」
「・・・え、抱えろと?」
槍の状態でも遊んでくれる?って何するの?
俺が振り回すだけでいいのだろうか・・・。
俺が悩んでいると、ニホリが何か見つけたようだ。
てか、諏訪大社が近くになってきたのだ。
「うー!」
「きー!」
「クゥー!」
それにつられて、バトちゃんとふーちゃんもニホリの方に向かってしまう。
あれま、興味持ってかれたな。
「まぁあんましこういう外って出ないからしゃーないわ」
「うーん。やっぱり皆外で散歩とかした方がいいのかなぁ」
「どうなんやろ。すらっぴあたりは喜びそうやけど」
「しーちゃんとかユニちゃん。あとねっさんあたりもいいやって言いそう」
戦うの好きなねっさんはダンジョンで十分だろうし、しーちゃんは興味ないだろうし。
ユニちゃんは・・・みんながいればどこでもいいとか言いそうだ。
ポヨネは普通に外出れるからな。
ピッちゃんは・・・実はこっそり外出てるとか言われても驚かないな。
そういう性格・・・てか、妖精はそんなイメージあるわ。
むしろ出てないとか言われた方が驚くかもしれない。いや、自然が少ないのは嫌だ!って言って出ないパターンもあるか?
「帰ったら聞くか」
「うー!」
「はいはーい。今行くぞー」
今は観光だな。
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