42話
二話分投稿します。
誤字チェック?・・・知らない子ですね・・・
「切り替えていきましょう」
「う」
「最近だらだらしすぎましたので今日は気合を入れてます。
具体的にはいつもより多めに顔を洗いました」
「ぴ」
「皆さんは元気ですか」
「ワン」
「じゃあ行くか」
「るー」
ぐたっと一日を過ごすこと丸二日。
そろそろ21層の攻略に取り掛かろうと、ようやく重い腰を上げた。
20層後のワープ部屋も開けているのでそこまでは一気にワープで。もう一度ワイバーンはやる気に慣れない。いいレベル上げにも、スキル強化にも、アイテム獲得もできそうだけどやらない。なんか疲れそう。
階段を降り、扉を開ける。
するとそこには一面の山が・・・
「19とかと同じ?」
「うー」
「敵は違うのはわかってるけど、なんかもうちょっと新しいの期待してた」
具体的にって聞かれると困るけど、何かしら新しいのがよかった。なんなら洞窟に戻ってもよかった。最近外ばっかだし。
「うーん。山だけど、少し違う?」
「ぴ?」
「前の山は、なんというか完全に岩山だったじゃん」
「ぴー」
「でもここは、ところどころ雑木林みたいなのがある。それに、崖があって下も存在してるみたい」
「きき?」
「いや、まだ行かなくていいよ。どっから行けるか探した方がいいだろう」
飛び降りるのは最後の手段だ。何があっても対応できるように飛べるの全員で行くつもりだ。
「とりあえず、ぐるっと一周してみようか」
「うー!」「るー!」
「ピクニックじゃないんだぞ?。弁当持ってきてるけど」
「ワン」
「ありがとうコロちゃん」
「ちゅちゅー!」
「そしていつの間に分身してたのねっさん?」
「ちゅ?」
「最初から?。いつの間に・・・」
「キュー」
「久々に聞いたなそっち。何かあった?」
「クゥォ!」
「あん?敵?」
どこにも見当たらなくね?と思ったその時。上から何か飛んできた。
「きき!」
「!?。マジか!。バトちゃんナイス!。ふーちゃんもよくやった!」
「きー!」「クゥ!」
「敵は・・・鷹か!」
ただの鷹じゃないみたいだな。明らかに見えない攻撃だった。あれはバトちゃんの『風魔法』に似ている。
魔法を使える鷹ってわけだ。
「数は・・・三匹」
「ぴー!」
「いや、先ずは敵の動きを見てからって!?」
「ぴ!?」
俺を攻撃してきた敵をすらっぴが前回のワイバーンの羽を狙った魔法で狙い打ったのだが、なんともう一羽の鷹が『水魔法』で相殺してきたのだ。
「『水魔法』?。もしかして、全部の魔法を使えるのか?」
「うー!」
「リッチ以来だな。全属性の魔法使用の敵は。あいつは鈍いし数も少なかったけどな」
「きき?」
「あいつらバトちゃんと似たような声してるんだよなぁ。お前の方が高い声なんだけど」
「き?・・・ききぃー!」
「怒った!?。バトちゃんが怒った!。って勝手に行くなって!」
キャラかぶりだろー!と言いながら飛んで行ってしまった。速度は『風魔法』で加速しながらだからかなり速い。
ここからじゃ狙えないか。すらっぴの魔法もまた相殺されるかもしれない。そうなるとバトちゃんのカバーができない。
「だったら俺も飛ぼうか!」
「る!」
「う!」
「ニホリはお休み。危ないから。コロちゃんふーちゃんよろしく!」
「ワン!」「クゥ!」
「ねっさんは分身で周囲の警戒!こいつらだけじゃないはずだ!」
「「「「ちゅー!」」」」
「頼んだぞぉぉ!」
俺もレベルアップの影響か。『飛行』の速度が上がってる。もちろんバトちゃんに追いつくような速度じゃないが。
先ではすでにバトちゃんが三羽の鷹を相手取っている。今はまだ互角だ。下の階層では10匹以上まとめて相手しても問題ないバトちゃんが三匹で互角か。こりゃまずいか?
「空中戦じゃ明らかに分が悪いかな!」
「るるる!」
一定の高度に達した所で、俺とピッちゃんの魔法が飛んでいく。
それを察知したバトちゃんもほぼ同時のタイミングで魔法を使う。
速度重視の銃弾型にして数を多めに飛ばしていくが、バトちゃんとピッちゃんの魔法は同じ属性で相殺されてしまった。
しかし、俺の魔法だけは相殺されずに相手每貫いた。
「俺のはいけるのか?」
「るるっ!」
「キィー!」
「きき!」
「キィ!?」
もう一度ピッちゃんが同じ魔法を使うが、これを鷹は相殺。その隙をついてバトちゃんの魔法が相手を切り裂く。
「二対一なら問題なしか」
「キィーヤ!」
「やらせませんって!」
バトちゃんが魔法を使用したのを見て、残りの鷹がバトちゃんを狙うが俺が逆に狙って攻撃。
その攻撃は簡単に躱されてしまった。
「ああ、狙いづらい!」
「きき!」
「範囲型の方がいいのか?でも相手も銃弾型だしってぇ!」
「きき!?」
「だ、大丈夫。あぶねぇ」
「るるるるる!!」
狙ってきた俺への反撃なのか。鷹が俺に風の刃を使ってきた。
今のところ奴らの使う魔法は二種類。刃と銃弾。元々目がいいのか、俺たちの魔法は正面から撃っても迎撃されてしまう。
俺らでは撃たれた魔法を撃ち落とすのは無理だ。遠くからならできるが、この近距離では不可能だ。
「相殺できないタイプならいけるかな?」
「きき?」
「・・・ピッちゃん暫くよろしく!」
「る!」
「バトちゃんは俺と一緒に範囲の広い魔法を使うぞ」
「きー!」
ピッちゃんも全く当たらない敵にイライラしてきているのか、ヒートアップしてきている。長く続くと危ないが少しなら大丈夫だろう。
俺が使うのは随分前にボスネズミ戦で使ったショットガン式の魔法。バトちゃんは広い範囲に強風をぶつける魔法。俺はバースト型と呼んでいる。
俺の魔法は今なら即時使用も可能だが、この敵相手にはより広い範囲が必要だろう。なので、一分ほどかけてチャージする。
「るー!」
「キィー!」
「撃ち合ってんな」
「きき」
空中を移動しながら妖精と鷹が魔法戦を繰り広げている。速度は鷹のほうが速いので、ピッちゃんの周りを高速で鷹が移動している形になる。
本当にあんまり時間かけられないな。このままだとピッちゃんが追いつめられちゃう。
「でもチャージ終了!。行くよ!」
「ききー!」
「『スプレッド』!」
「ききききー!!!」
俺たちのチャージ終了と共にピッちゃんが急降下する。
いきなり目の前からピッちゃんがいなくなったのに驚いたのか、鷹が動きを止める。
その瞬間に魔法を使用。確実に仕留める。
姿勢を崩されるほどの暴風に飛んでいられなくなった鷹がもがいているが、そこを俺の魔法が打ち抜く。
土の塊が銃弾型にばらまかれる魔法は風魔法の影響を受けずに突き進む。
「もしかして、俺の魔法って風魔法の影響を受けないのか?」
「きき?」
「いや、なんでもない。後で考えるさ」
「るるー!」
「とりあえず降りるか」
「き」
「ただいまーってすごい数だな」
鷹のドロップが一つだけあったのでコロちゃん達のいる所に戻ってきたのだが、そこには一面血だらけの地面が。その上には毛皮の人型が転がっている。
「なにこれ、コボルトの強化系?」
「ワン!」
「オオカミ人間?」
「クゥ!」
「やることなかった?。え、これほとんどコロちゃんがやったの?」
「ワフ」(フルフル
「ねっさん?」
「ちゅー!」
「あ、よくみると四肢が飛んでるのがほとんどだ・・・あ、消えた」
ドロップを残して敵が消えてしまう。もうちょっと観察したかったが、しょうがないか。
こいつらは毛皮を残した。鷹は羽だった。
「こっちも激戦?だったみたいだな」
「ワフー」
「そうでもないって・・・。結構数いたでしょ」
「ちゅ!」
「数だけだって?こっちはかなり面倒だったよ・・・」
「うー!」
「んー。いったん帰るか。さすがに準備不足かも」
仮称狼人間はいいとして、鷹は対策しなきゃまずいか。
俺の魔法が『風魔法』の影響を受けないのも合わせて考えなきゃな。




