440話
相変わらず触れないので龍の宝玉も亀の宝玉と一緒に部屋に置いておくことに。
そのまま置いておくと危ないから、一応軽く壁で覆っておいてっと。
・・・いや、何か味気ないな。
もっとこう・・・神殿に置いてある感出したい。
土台から作るか。
「えーっと・・・ここをこうして・・・」
「ぴぴー!・・・ぴ?」
「おおすらっぴ。お前も作る?」
「ぴ!」
2時間後
「うーうー!・・・う?」
「完璧だ」
「ぴぴ!」
亀の宝玉は土と植物で土台を作ってなんかそれっぽく。
龍の宝玉も土台自体は俺がやったけど、すらっぴが出した水の中に沈めて、さらに水流を作ることで神秘的にしてみた。
いやぁよくできた。
すらっぴが体から離れた水をある程度なら自動で動かせるってことがわかったのは地味に収穫だし。
アーチ状に水が流れてるのは非常にファンタジー感を強めてるのではないのだろうか。
「しゃめろ」
「ぴっぴ!」
「う」
「はいすいません」
「ぴぴ」
ご飯出来たってさ。
「それで?会ってみてどうだった?」
「まぁやばいな」
「どれくらいやばいのかしら?」
「・・・フミと俺を足して10倍くらい?」
「・・・それどうあがいても勝てないわね!!」
「え、女神どうにか出来ないの?」
「私神力は地球に管理しかできないって言わなかったっけ?」
「いや他のないのかって」
「自慢じゃないけどないのだわ!!」
「本当に自慢じゃないな」
「張りぼてなん?」
「神力あるからある程度ならどうにか出来るくらい?」
フミくらいまでならギリギリ時間稼ぎは出来るらしい。戦闘力皆無ではないらしい。
ただそれも神力を知らないって前提らしく。俺とかだと逆に一瞬で負けるのだわ!だそうだ。
「人型は?」
「あの子は私の補助とダンジョンの管理がメインだから、かなり戦えるのだわ」
「女神より?」
「私より」
はじめてこの女神に出会った時ってどうあがいても勝てないなって思ってたんだけど。実はそうでもないのか。
あれは神力を知らなかったから大きく見えたってだけのようだ。
まぁ確かに今目の前の女神とその隣でお菓子食べてる人型を見て比べると強さの違いはわかる。
女神の方は、全く洗練されていない。
力というか・・・戦うって感じが全くないのだ。実際戦わないんだけど。
対して人型はその逆。
めちゃくちゃ戦うことを前提にしている。
魔力の流れが明らかに俺に似ているし。てか、ニホリに似てるのかこれは。
決まった流れで、乱れないからこそ強い。安定した強さってのは、それだけで面倒だ。
ニホリは戦わないから、質は全く似てないけど。
これはそういう風に生み出されたからかな。
「えぇーなんや実感わかんのやけど~」
「どうして?」
「やって。いまだにうちは神力感じられへんからなぁ。女神が得体のしれない強さを持っているくらいにしか思えへんし」
「だってそういう風にしないと舐められちゃうから・・・」
「あとおっぱいと二の腕があかん」
「え?」
「なんやこの凶悪ボディは!!」
「キャ!?」
狸になって女神の胸に飛び込むフミ。
まぁ確かに女神って体つきは非常に男性の目を集めると言いますか。ナイスボディと言いますか。
とにかくスタイルがいいのだ。姉ちゃんとか見たら血の涙を流すんじゃないだろうか。
何がとは言わないけどないから。
てか、フミは自分で体変えられるんだから気にすることじゃないでしょ。
「そういう問題やない」
「さよですか」
「てか、そんな自由自在でもないんやうちのわ!」
「はて?」
「あれ?そうだったかしら?」
「・・・才能で変化幅が変わる」(モグモグ
「う!」
「・・・ゴックン・・・ごめんなさい」
「うー」
食べながら喋ったから怒られてるよ。
「そういえばそういう風に作ったような」
「なんでそうしたんだ?」
「だって、本当に変幻自在だったら戻れなくなるでしょ?」
「うん?そういうスキルなんじゃないの?」
「違うのだわ。まぁ正直フミちゃんは強くなりすぎて変化幅が大きいのだけれど」
「・・・あ、うちみたいのが使う前提やないんか」
「そもそもモンスターが人間と結ばれるなんて想定外にもほどがあるのだわ!!」
「マジか」
「そもそも最初の想定ではフミちゃんとすらっぴちゃんみたいな子は生まれないはずだったのだし」
「あー・・・そんなこと言ってたような」
確かにそんな話だったような。
でもその割に俺結構出会うんだよな特殊個体。
てかうちの子だけでも結構な数がいるし。
「もはやそういう星の元に生まれてるのだわ」
「えへへ~」
「なんでそこでにやける?後いつまでいるんだそこ」
「あ、せやった」
フミが一応乗れるくらいの胸ってどうなってんだとは思わんでもない。
俺はちょうどいいサイズが好きです。
・・・何言ってんだ俺。
「・・・てか。露出多いけど恥ずかしくないんか?」
「え?」
「おおう考えたこともなかった顔や」
「あ、それは思った。俺とか結構見てると思うんだけど」
「うーん・・・恭輔ちゃんは下心ゼロだから」
「それはわかる」
「解せぬ」
「それに、昔からこの格好だったから慣れちゃって」
「へー。魔法があった時代ってそういうファッションが流行ってたのか」
「いいえ。これはこういう形だからこそ意味がある恰好なの」
「・・・難しい話?」
「魔法の学問的な話だから1からの説明になるわ」
「じゃあいいです」
流石に今から新しい学問を学び始めるとか無理です。
でも、女神が人間だった時代の話には興味ある。
だって、その時代にしか生きてない動物とかいるだろうし。
スキルではない魔法にも興味がある。
文化や生活など、見てみたいことは多いな。
話を聞く感じ。魔法中心の生活だったみたいだし。
まぁこの女神は引きこもってたみたいだけど。
「研究者なんて皆そうなのだわ」
「・・・え?」
「親父と比べるなよ?」
ダンジョンが発生して研究所の所長になる前の親父の話をフミにはしたことあるから、研究者=親父or母さんって印象があるのだろう。
でもあの2人は異常なまでに身軽ってだけなので例外です。
普通は一年のうちほとんどを外で動いてるとかはないです。もっと部屋に籠ります普通は。
「じゃあ結婚とかしてへんかったんやな」
「うっ・・・」
「あ、死んだ」
「弱点だったか・・・」
友達もいないとか言ってたしな・・・悲しいな。
よくそんなので地球の管理・・・神になろうなんて思ったなこいつ。
何か理由でもあったのだろうけど。
女神は唸りながらテーブルに突っ伏している。
どんだけ気にしてんだ。
「うー・・・今更嫁の貰い手もいないのだわぁ」
「今何才なん?」
「えーっと・・・軽く数えても3000越え?」
「うわぁ・・・」
「引かないで!!」
本人曰く、起きていた期間だけで言うなら1000くらいだそうで。
それでも十分お年寄りだ。
でもまぁ。見た目と体はいいんだし、神ってことを隠せば行けるんじゃない?
「・・・どうせなら中身を見てほしいのだわ」
「何言っとるんや」
「割と恋愛脳?ラブコメしたい感じ?」
「したいのだわぁ・・・」
「えぇ・・・」
それは流石に・・・・ねぇ?
ついフミと顔見合わせちゃったし。
いや、俺達も大概一般的ではないんですけど。
「・・・俺の友達とか紹介する?」
「いいの!?」
「うぇい・・・」
食いつきすごいじゃん。
「性格とか間違いなく良いやついるけど」
「あ、あの人やな」
「あの人です」
「う?」
「ほら。前にデパートで会った」
「う!」
「誰?」
「うー!」
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