表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
462/567

438話

最近またきつねとたぬきの一番くじやってくれないかなぁという欲求が高まってまいりました。

そして総合評価がそろそろ一万届きそうです。

結局、神力に関してはあれいこう進展なし。

フミは使えないし、なんで他の子の力も使えるかもわからん。


そんなことを確かめつつ、時々ダンジョンに潜り魔石を持ち帰る。

そしてついに、あの亀に会ってから2週間経った。

約束の日だ。

例の鱗の持ち主・・・海に住むやつと会う日だ。


「・・・なんも無いで?」

「そらまぁ・・・海だし」


今現在。俺たちは東京の大地が見えるくらいの距離で、海上に陸を魔法で作って待っている。

近くに居てくれるとか言う話だったから、この辺でいいと思うんだよな。

一応ハクコちゃんの神力を垂れ流してるし。


ついてきているのはフミと・・・てか、亀の時と同じ面子。

フィニちゃんとルミネ達を除いた全員だ。


フミは何もないと言っていたが、既に変化は起きている。

波が静かすぎる。

確かに天候は荒れてないが、それでも静かすぎる。

凪いでいる。何かに無理やり止められている感じだ。

実際、先ほどから神力が下から感じる。明らかに、海の中に何かいる。


「・・・ガウ」

「わかってるよ」

「え?もういるん?」

「下にいるんだよ。めっちゃデカい気がする」


神力ではわからないが・・・感じる威圧感から恐らく亀と同等の強さ。

そしてあれと同じくらい大きい怪物。


「いるんならいつ出てくるん?」

「・・・いや、多分・・・顔がそろそろ上がってくる」

「え」

「うー!」

「ぴぴー!」

「ニホリ、すらっぴ。そろそろ来るからこっち来な」

「う?」

「ぴ?」


ニホリとすらっぴがこちらを振り向いた瞬間に、轟音と共に背後で大きな水しぶきが上がった。

それに驚いて、ニホリとすらっぴがこちらに跳びあがってくる。


「うぴゅー!!??」

「ぷぴー!?!?」

「はい結界です」

「あんざす」


もはや雨かと思うほどの海水が振ってくる。

それをポヨネが結界で弾いてくれるから、俺達には何が出てきたか、良く見えた。


・・・まぁなんか想像はしてたんだよ。

ハクコちゃん、フィニちゃん、亀と来ている。

この流れだと・・・まぁ龍なんだけど、流石にないだろうと思ってた。

良い所蛇だと思ってたんだ。ほら、蛇が龍になるなんてよくある話だし。


でもねぇ・・・完全に龍だねぇ。


天まで届かんばかりの巨躯。

煌びやかな鱗。そして感じる圧倒的な力。

なるほど。確実にあの亀と同じ存在だ。


『・・・』(コテン

「・・・」

「・・・」

「・・・」

『・・・』(キョロキョロ

「・・・」

「・・・」

「・・・う?」

『・・・あ、そこか』

「おおい!?」

「そんなちっさいかうちら!?・・・ちっさいわ」

「うー!!」(ブンブン

『ああうん。大丈夫大丈夫見えてるよ』


ニホリがここだよーとぶんぶん手を振ってアピールするのを、龍はその首を下に向けてこちらを見る。

何か・・・亀に比べて若い感じがするな。

だからといって力は亀と変わらないんだけど・・・


『さてー・・・なんだっけ?』

「う!?」

「ボケてんのかおい・・・」

『あっはっはっは。海の中で泳ぐしかないから暇でねぇ・・・大体の事は忘れたよ』

「何してんだ」

『ああうん。でも君の顔を見て思い出したよ。ちゃんと伝言は理解してくれたんだね』

「まぁそれはハクコちゃんのおかげなんだけど」

『うん?・・・あれ、君は・・・それに君も』

「ガウ」

「・・・う?」

『そうそう君君。変な気分だね。そうなってる子を見るのは・・・いや、これからなるかもしれないのかな?』

「うん?」

「うー?」

『ああいや・・・爺から何も言われてないんだよね?』

「ニホリのことは言われてないけど・・・」

『じゃあ言えないかな。それに、そうならないために僕たちがいるんだし』

「「???」」


何を言っているのだろうかこの龍は。


「てか、爺って亀のことか?」

『そうそう。お年よりだからね』

「あん?そうなの?」

『うん。こうなる前におじいちゃんだったってことなんだけど』

「へぇー」


今みたいに神力を持って強くなる前ってことだろう。

なるほど。才能さえあれば年齢は関係なしなのか。

どういったやり方で未来の俺がこいつらを成長させたかは知らないけど、あんまり条件とかない・・・いや、未来で彼らがこうなるのを知っているから出来ただけか。


『さてと。じゃあ肝心の物を渡さないとね・・・はい』

「・・・これはまた綺麗だな」

『そうだねぇ。海が宝石になったらってイメージで作ったし』

「・・・もしかして、先に亀の方だったのはこれが作れてなかったから?」

『いやぁ・・・実はね』

「なんだよ・・・」


深い意味はなかったのか。

俺は亀の方が俺と似てるから、先に慣らしておけってことかと思ってたんだけど。


龍から渡された宝玉・・・亀のより2周り程小さいな。

亀の方が野球ボールくらいで、こっちはでかいスーパーボールでこんなのあった気がする。


そして、めっちゃ綺麗だ。

亀の方は茶色でキレイってか重厚感を感じた。

龍の宝玉は蒼く透き通ってて。なんというか・・・沖縄の海って感じ。

とにかく綺麗なのだ。そこらへんの宝石なんて目じゃないくらいに。


あんまり宝石に興味のないフミとニホリも、興味津々で見ている。


「うー・・・」

「ほほー・・・」

『気に入ってくれたみたいだね?』

「こんなん見たことないわ・・・」

『正真正銘。自然の水の結晶だからね』

「水って時点でありえないけど。これだけの密度は科学じゃ再現できないな」

『でしょでしょ~』


やっぱりこいつ若いな。

子供ってほどじゃないが、若者って感じ?俺より若い。


それにしても・・・本当に同じ神力が固まった宝玉なのか?

亀の方と比べて、全く圧を感じない。

力があるのはいつも通りわかるんだが、なんというか・・・力強さを感じないんだ。


神力は個々の個体で差があるのはわかってたけど、ここまで大きな差があるものなのか?


その疑問に、龍はあっさりと答えてくれた。


『うん?それはそうだね。まぁ僕たちは個性が出やすいんだけど』

「ほう」

『そこの子なんかは、まだ自分の力が固まってないんでしょ?』

「・・・というと?」

『えーっと・・・何か特定の分野に特化させるって感じかな?』

「ああなるほど。確かに・・・ないよな」

「ガウ」

『だからだね。僕は水。爺は土って属性に偏ってるから、その性質が神力にも出るんだ』

「おおー」


魔力にもある現象だな。あっちはあくまでも雰囲気ってだけだけど。

だが神力に関しては完全に現実に影響として出るんだ。

重厚感とか、実際の力の質・・・使う技もか。これは俺達でも試したけど。


あ、そうだそうだ。気になることあったんだ。


「へい・・・そういやお前ら名前なんて言うんだ?」


全く知らんかった。


『僕?名前はないね~』

「ないのか?未来の俺は?」

『何も言われなかったよ?多分未来の僕たちも名前がなかったんじゃないかな』

「あーなるほど・・・」

『まぁ龍でいいんじゃない?』

「軽いな・・・まぁお前がいいならいいか。じゃあ龍さんや。ちょいと神力をこの辺に軽く撒いてくれない?」

『え?神力を?まぁいいけど』


神力が煙としてでるのはハクコちゃん。そしてハクコちゃんに教わったフィニちゃんの特徴。


他の神力持ちの個体の場合は違うんだろうなって思ってたけど、全然違うわ。

この龍が周囲に神力を出すと・・・湿気がすごいことになる。


・・・なんか想像と・・・違う。


うん。まぁいいや。

この力を借りて・・・よし、動かせるな。

このまま瞬間移動のイメージ・・・水流のジェットコースターで移動する感じで!!


「よっと・・・!?」


飛びすぎた。

見事に上に飛びすぎて龍しか見えない・・・!?


「おおおおおおお!?!?」

『へぇ・・・他の子の力を使えるんだ』

「おお。龍さんちっすちっす」

『思ったより余裕だね~』

「まぁ飛べるし俺」

『多芸だねぇ』


俺が急に消えたから、即座に探知して探しに来てくれたようだ。

てか・・・こいつ早いな。

しかも亀と同じで、移動の際に全く外部に影響を与えないタイプか。

俺に近づいたのに、風とか全く感じなかったし・・・いやでっかいわ。

なんなのこいつ。どんだけ大きいの?尻尾見えない・・・


『本当に余裕だね~。ちなみに、今は伸ばしてるだけだよ』

「あ、伸縮自在ですか」

『まぁねぇ。存在的には精霊に近いらしいしね』

「へー」

『・・・ちなみに、僕の技も使えたりするの?』

「・・・やっぱり出来ないのか普通は」

『うん。出来ないね』

「そうか・・・」


俺より神力には詳しいであろう龍が知らないとなると・・・俺がおかしいのか。

ハクコちゃんも出来たってことは、やっぱり俺達にある何かが原因ということだ。

じゃあ、恐らく龍の技とかは真似できない可能性が高いな。


関係しているのは・・・多分『テイム』だ


『ところで、そろそろ止まらないの?僕に乗った方が速いよ?』

「落ちるより速いのかお前・・・」


マジで規格外だな

よろしければ評価やブックマーク登録などお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ