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437話

血圧検査で引っかかって再検査したんですけど、結果を取りに行きたい日に雨が降るっていう

すらっぴが混乱で大騒ぎするから、家の中にいた子もフミもニホリも皆庭に集合し始めた。


「何々~なんかあったん?」

「う~?」

「ぴぴ!ぴー!ぴぴー!!!」

「お、おお・・・パッと?」

「う?」

「ぴぴー!!」

「あかんわからん」


すらっぴよ、そんなに擬音ばかりでは何も伝わらないと思うんだが。

仕方ない。俺が言うか。


「いやすまん。俺の・・・?フィニちゃんか。フィニちゃんの新技を試してな」

「ほう。フィニちゃんなんか使えるようになったんか」

「うー!」

「チュン!」


ニホリは素直に褒めている。

フミはどんな技かが気になるようだ。


では、さっそくお披露目と行きましょう。


「フィニちゃんもう一回お願い」

「チューン!」


再び俺達を赤い煙が覆う。

そして、フミ達の目の前で燃える。


「おお!!」

「うー」


そして炎が消えた時に、フミ達の目には俺たちが消えていた。


「へ?・・・ええ!?」

「う!?」

「・・・これおもしろいな」

「チュン」


フミ達が慌てている。

てか、庭に来た皆慌ててるな。コロちゃんとハクコちゃんはいい加減なれたらしく周囲を見渡して俺たちの事を見つけてるが。


俺達がいるのは木の上だ。

手入れしているから、上に登っても下が良く見える。

慌てるさまは見てて楽しいんだけど・・・まぁ待たせるもんでもないか。


「よっと」

「チュン!」

「あ!え!?今どっから・・・あ、もしかしてそういうこと?」

「うーうー!!」


ニホリ大興奮である。

フミは何をしたかわかったようだ。


「まさか・・・瞬間移動?」

「正解。フィニちゃんがふーりんちゃんにアドバイス聞いた結果何か覚えた」

「チュン!」

「そんなあっさり覚えるもんやないと思うんたけど・・・」

「てか、なんで恭輔さんも?」

「ああ、これ神力でやってるらしくってな。俺は借りてるだけなんだよ」

「あーなるほど。魔力を感じないのであれとは思いましたけど」

「むー。やっぱり神力便利やなぁ・・・うちも使えるようにならんの?」

「いや・・・どうなんだろ」


俺は元から才能はあったのだ。未来のハクコちゃん達に抜かれたけど。

まぁ完全になくなったわけではないのかもしれない。

もしくは、神力を持つ才能と使う才能は別なのだろう。


後者なら、フミもワンチャン神力を感じることさえ出来れば使うことができるはずだが。

前者では無理だろう・・・いや、これなら行けるか?


「フミって、確か一回だけ俺と同じの・・・知識が頭に流れて来るあれがあったんだよな?」

「あったけど・・・それがどしたん?」

「いや。あれが起きるなら、俺とフミが繋がってるってことだから、フミでも使えるんじゃないかと」

「おお!」

「まぁそれが『テイム』なのか違う物なのかはわからないけど」

「それでも使えるならええやん!どうやってやるん?」

「室内でハクコちゃんに煙出してもらって籠る」

「・・・あれそういえばそういう話やったな」

「まぁ時間かければできるんじゃないかと。かもだけど」

「いやー十分や。ニホリ、ちょいと時間もろてもええ?」

「う?うーうー」


ニホリの家事を手伝っていたのだろう。抜けてもいいかと聞いたところ、ニホリは全然いいよーと。

まぁ家事自体ニホリだけでも回せるんだよな。

『浮遊』で浮かせて運ぶから、持てない物はないし、届かないところはない。

・・・こう考えると、ニホリってすっごい家事に適したスキル持ってるんだな。


うん。まぁそれはともかくだ。

ちょっと意図していた物とは違うが、神力を使った新しい技は手に入った。

フィニちゃんが近くにいないと使えないのは欠点だけど・・・うん?


本当にそうなのか?

俺はハクコちゃんとフィニちゃんが持っている神力を借りて技を使っている。

神力にはそれぞれ個性が出るが、それは今のところ色としてしか判断が出来ない。

もし、神力が彼らの使う技に適した力になっているのなら、確かに彼らがいないとそれぞれの技が使えないと言うことになるが・・・


「ハクコちゃん煙」

「ガウ?ガウ」


黄色の煙が周囲を包む。

・・・うん。やっぱり感覚的にはこの神力はフィニちゃんのとは別物だ。

だけど、神力は神力。本質は変わらない。

ならば、出来るはずだ。


さっきのは炎で距離を燃やして進むイメージ。

今回は、煙に乗って進むイメージで!


「・・・恭輔がびっくり箱みたいになっとる」

「うー」

「ガウー・・・ウ」

「チュン!」


煙の中を進んだ。

煙が晴れた時には、俺は再び木の上にいた。

成功だ。一度使って感覚を掴んだ技は他の子の神力でも使える。


でも、技の性質自体が変わるようだ。

炎で燃やして一瞬で移動した感覚から、煙のトンネルをくぐって高速移動したって感覚になった。

俺は乗るってイメージだったんだけど、途中からそういう風に思ってたらしい。

これだと、外から見たら変わっているのだろうか。


「フミー!どうだったー!」

「何が~?」

「見た感じ!瞬間移動っぽかったか?」

「あー・・・話ずらいから降りてきてもろて」

「あいあい」


それもそうだわ。


「とう」

「う!」

「ぴぴ!」

「え?自分もやりたい?・・・俺が抱えてれば行けるか?ああいや、先に感想だな」

「ういうい。まぁ一言で言うなら瞬間移動ではあったで」

「おお!」

「ただ、なんか違ったんよ」

「といいますと」

「さっきの火の時はこう・・・ボッと消えてパって出てくる感じやってん」

「はいはい」

「今のは・・・すぅーて消えてふわーって出てくる感じ?」

「なるほどわからん」


消え方と現れ方の違い・・・?何か技に関係あるのだろうか。

いや、表現と言うか、瞬間移動の結果がそう出ただけで、移動できるってことには変わりないのか?

だけどそういう出現の仕方にも何か違いがありそうだし・・・うーん。


「フィニちゃん達的には見てどう思った?」

「チュン」

「やっぱり自分のとは違うと・・・ハクコちゃんは?」

「・・・」

「はくこちゃー・・・!?」


ハクコちゃんに話しかけたら姿が薄くなっていた。

そのままどんどん薄くなり、最終的に消えてしまった。

こ・・・これはまさか。


「ガウ」

「・・・うそでしょ」

「チュン!?チュンチュン!!」

「・・・ガウ?」

「・・・ハクコちゃんもびっくり箱や」

「うー」


ハクコちゃんは、俺の背後に現れた。

今俺がやった方法と同じか?フィニちゃんの瞬間移動を、自分の力で自分なりにアレンジした?

いや・・・見ただけでできるもんか普通?


しかい、実際問題ハクコちゃんは瞬間移動が出来た。

これはつまり、神力で出来た技は、同じ神力を持つ存在ならマネできるということか?

だけど、それだと女神の言っていたことに反する。

神力を力や技として固定化するには、強い意志が必要であると。

ハクコちゃんが強い意志で瞬間移動を技として作ったというのならまぁそういうことなのだろうが・・・今そんな感じなかったぞ。


ハクコちゃんの今の顔は、ああやっぱり出来たくらいの軽いものだ。

確実に成功するというよりは、まぁ出来るかもくらいの感じだ。

これが強い意志ってことはないだろう。

となると、何か別の要因があるってことなんだろうけど。


「・・・心当たりは?」

「ウ」

「う」

「チュン」

「うーん!!」


出来ると思ったからやったと言われるとねぇ・・・

知ってたけど、ハクコちゃんかなりの感覚派だから勘がいいんだろうな。

てか、だからこそ神力を使えるようになったんだろうし。

うーん・・・実は俺が神力でハクコちゃん達の技を使えるのって、もしかして俺が神力を使えるからじゃない感じ?


・・・まぁ考えるとそうか。

だってハクコちゃんの神力でフィニちゃんの力を使えたってことは、そういうことなのだろう。


最初俺は、神力の持ち主と同じ技を使えると思っていた。

だから、神力を借りて技を使った。ここまではいい。


ではなんでハクコちゃんの神力でフィニちゃんの瞬間移動が出来たか。

神力は確かに同じ力だけど、それには一応差があって。その差は俺には色でしか判別できないけど。

ハクコちゃんは『黄煙鎧』を使うから、ハクコちゃんの神力ではそれしか出来ない・・・っておもってた。

だけどなんか行けるかもって思ってやったら瞬間移動が出来ちゃったわけで。


それとも、細かいこと無しで神力持ちは神力を使う技は無条件で使えるのか?

それなら俺もハクコちゃんもフィニちゃんも色々楽ではあるんだけど。

なんならあの亀の技も見せてくれれば使えるようになるってことだし。

うーん・・・データが足りない!!


フミが使えるように・・・なっても変わんないか。

結局条件が大して俺と変わんないし。人間かモンスターかの違いくらいか?

それはあんまり関係なさそうなんだよなぁ・・・勘だけど。


「あー・・・」

「ハクコちゃんハクコちゃん!うちにも煙出して!!」

「ガウ~」

「うーうー!」

「ぴぴー!!」

「・・・チュン?」

「・・ワフ」

「チューン!!」

「ワプ」


むむむ・・・神力・・・俺達の共通点。

そしてあの亀がどうなのか・・・

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