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436話

ヨミ便利だなって思います

「ワン・・・ワフ?」

「ガウ」

「・・・」


煙を腕に纏わせて、籠手に実体化させる。

ここまではいい。これはハクコちゃんの『黄煙鎧』

鎧を纏うって力の一部分だけど使っているだけだ。このまま全身に纏うことも出来るが・・・それでは足りない。


足りないというか、勿体ないのだ。

確かにハクコちゃんの力を借りている状態だが、使っているのは俺なのだ。

だったら、俺の力として形を作ることも出来るはずなのだ。


神力を力として形にするには、強い思いが必要・・・今俺の望む力は何だ?


俺に足りない物。

逆に、俺の長所を見てみよう。

先ずは、魔法スキルだろう。『真化』込みで、3段階以上の強化を経ている魔法スキルは強力。

そして今の時点で、魔法面で火力不足を感じたことはない。

そもそも、魔法火力ならば俺じゃなくていいのだ。他の子達がいるから、俺のこの面を強化する意味はないだろう。


次に『硬質化』

効果は単純だ。対象物の強化。

俺は主に、自分の体を対象にして防御力を上げている。

その硬度は、この世に存在するどんな物質よりも硬くなっている。

コロちゃんが本気になっても、切ることは出来なくなってきただろう。

・・・いやそれは微妙だな。


他のスキルは補助系だから、強みって感じじゃない。


こう考えると、俺って実は固定砲台が向いてるのか?

移動系のスキルもなし、物理的な火力を出すためのスキルもない。

ふむ・・・でも魔法を俺が伸ばすのもなぁ・・・今更と言うか。


スキル抜きで、俺の能力を考えた場合。

俺はものすごく平均的に伸ばしている。攻撃を受け止めることが多い関係でそのあたりの能力は高いくらいか。

となると、神力で伸ばすべきは全体的な強化・・・『真化』と同じ感じでいいのか?


うーん・・・それはそれで何かしっくりこない。

『真化』で十分・・・というか、俺が作りたいのは切り札なのだ。

これを使えば、一発逆転ありうるかも・・・または、危機的状況を打開できるような何か。


そうなると。やっぱり攻撃系が思い浮かぶんだけど。


「うーん・・・?」

「ワフ?」

「ガウ」

「ワフー・・・」


・・・俺の火力を伸ばす・・・最大火力は魔法になるしな・・・うーん


「・・・って熱い!?」

「ガ・・・ガウ!?」

「ワン!」

「チューン!!」

「・・・え、何いきなり」

「チュ!」


天井を眺めて考えていると、急に頭に熱を感じた。

びっくりしたから思わず熱いと言ってしまったけど、大したことなかった。


何事かと思ったら、頭の上に気がついたらフィニちゃんが。

ハクコちゃんもコロちゃんも気がつかなかったようで、いつのまに!?と驚いている。

扉空いた感じはなかったんだけどな・・・


「ってコロちゃんいつの間に」

「ワフ!?」

「ガウ」

「おうマジか。じゃあその時か?」

「ウ」(フルフル

「ワフ」(フルフル

「おーん?」


その時には入ってこなかった?

え、じゃあなんでいるのフィニちゃん。


「どうやって来たの」

「チュン?」

「はい?」

「ガウ?」

「ワフ?」


ポンって言われても・・・


困惑している俺達を見て、見せた方が速いと思ったのだろう。


フィニちゃんが頭から飛び立ち、燃え始めた。


「は・・・は?」


そのまま火が全身を包み、消えた時にはフィニちゃんの姿が消えた。


「・・・ほ、うぇ」

「・・・ガ・・・ガウ」

「え・・・あ、ほんとだ下に・・・いやなんで今ので一階にいんの!?」


そして再び目の前で火が出てくる、その中から影が見え、フィニちゃんが飛び出してくる。


「チューン!」

「・・・な、なにそれ」

「チュン」

「はぁ?」


ふーりんちゃん?




















呼び出した。


「にゃー?」

「フィニちゃんに何教えたの」

「にゃーん」


ふーりんちゃんをの手を持ってぶらーんとしながら聞いてみる。

何やら楽しそうだけど、今はそこじゃないのよ。


「フィニちゃんが燃えて瞬間移動してたんだけど」

「にゃ?」

「チュン!」

「にゃ~」

「わかるように説明してけれ」

「にゃ」


フィニちゃんが悩んでたから魔力の使い方を教えただけ・・・?


いやいやいや、それはおかしい。

フィニちゃんは今魔力を使ってない。


「にゃ?」

「フィニちゃんもう一回」

「チュン!」


フィニちゃんが再度火に消えて、すぐに現れる。


「・・・にゃ」

「知らんて」


これ知らんニャって言われてしまうとどうしようもないんですけど・・・


だが教えたのは本当に魔力の使い方だけらしい。

精霊である自分がどのようなイメージで魔力を使うか・・・それを簡単に説明しただけらしい。


だけど、今フィニちゃんが使ったのは神力だ。

それも、恐らくハクコちゃんの『黄煙鎧』のような、固定化した力。

実体かさせるのではなく、移動技として神力を固めたのか?

そんなこと・・・いや、強い思いがあればなんにでもなれるのなら、こういうことも可能なのか?


となると・・・


「フィニちゃん。今自分が使ってる力を自分の体の外に出せるか?」

「・・・チュン?」

「・・・ハクコちゃーん」

「ガ、ガウ」


流石のハクコちゃんも驚いたようだ。

まぁ仕方ないな。瞬間移動だもん。

俺達がどれだけ早くなろうとも、これには勝てない。

コロちゃんもさっきからポカーンと口を開けたまま固まっているし・・・あ、よだれ垂れてる。拭かなきゃ


「コロちゃん戻っておいで~」

「・・・ハッ!」

「おかえり」

「・・・ワン」

「ほ?コロちゃん?」


何やら思いついたぞ・・・って顔してたけど・・・?


「ガウ!」

「チュン!」

「あ、もういいのか。じゃあ頼む」


フィニちゃんから、ハクコちゃんと同じように神力が出てくる。

ハクコちゃんから聞いたからか、赤い煙のようなものが出てくる。

それがゆっくり・・・ゆっくりと俺の体に纏わりついていく。


凡そ、見た感じの感覚はつかめた。

フィニちゃんの瞬間移動。恐らくは神力が届く範囲までしか動けなはずだ。

または、自分が神力でも魔力でもなんでもいいから把握できている距離まで。

俺の魔力ならかなりの範囲まで出来るはず・・・今回は庭でいいか。


庭に、俺の魔力を置いておく。

そこから俺の座標までの直線での距離を・・・炎を焼失させる!!


目の前で炎が燃える。

その瞬間に、体を前に倒すと・・・次の瞬間には、俺の視界には庭で飛び回るすらっぴの姿が。

何故か俺に突っ込んで来てるけど。


当然避けられずぶつかる。


「ぶおっぷ!?」

「ぴっぷ!?」

「「「「「きゃんきゃん!!」」」」」


・・・なるほど、ルミネの子供達と遊んでたのか。


「・・・ぴ?」

「おっすすらっぴ」

「・・・ぴ!?」

「いやぁ・・・まさか本当に上手く行くとは」

「チュン!」

「ぴぃぃ!?!?」


すらっぴ大混乱である

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