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427話

最近また息抜きで書いている方の小説でこの方がおもしろいんじゃ・・・?みたいなことを考えては書き直してを繰り返して全く進んでないって言う。

先手は前回と同じ、姉ちゃんの衝撃波だった。

それを体を軽く逸らして躱すと、続いて火の玉が飛んでくる。


「おっと」

「まぁあたりませんよね」

「だからこうよ!!」

「それは見たっての!!」


連続で衝撃波と火の玉が飛んでくる。

それらをその場で飛びあがり、回転しながら避ける。


「いやどんな避け方よ!!」

「そら見えてるから・・・ッ!?」

「・・・今のも反応するのか」

「いやぁ焦った焦った」


衝撃波と火の弾幕。

それらが丸山さんの姿を隠していた。

俺の視界から外れた丸山さんは、姿勢を低く保ちながらこちらに全力疾走。

勢いの乗ったまま着地したばかりの俺を蹴りつけてきたのだ。


まぁ音で何かが近づいてきているのはわかっていたから、何か来るのはわかってた。

驚いたのは、近づいてから攻撃までのラグがないこと。


「・・・何か変なの覚えましたね」

「いやぁ・・・実際かなりしごかれたよ」

「でしょうね!!」


そのまま打ち合う。

俺は手をポケットに入れたままだから、俺の攻撃は蹴り限定になる。


片足で全くぶれずに蹴りを連発する俺に、周囲のギャラリーは驚いている。

だが、もっと驚くことが起きている。

丸山さんが、俺の蹴りを全て防御している。


目で追える速度くらいには加減しているが・・・受け止められるような威力にはしてないんだが。


・・・ん?三崎さんどこ行った。

そう考えた瞬間、俺に何かが当たり吹き飛ばされた。


「なっ!?」

「よっしゃ!!」


姉ちゃんの声が聞こえるが、今の一撃は姉ちゃんじゃない。

何が当たった?


「続けていきます!!」

「ッ!?」


着地する場所を狙われた。

地面に足が着いた瞬間にまた飛ばされる。


このままだと繰り返されるか。仕方ない。


「そういえば飛べましたね恭輔君」

「飛ぶつもりはなかったですけどね」


それどころかスキルを使う気もなかったんだが。

なんだ、三崎さんは俺に何をした?

『衝撃波』のように何かを飛ばしてきているわけじゃない。かと言ったハクコちゃんの『念動力』のような感じでもない。


それに、食らってもダメージがない。

俺の防御力は確かに高いが、それで防げている感じではないな。

そもそもダメージがない感じか・・・?


「・・・吹き飛ばすことを前提に置いたスキル?」

「・・・私2回しか当ててませんよね?」

「十分でしょ」


さてさて。スキルの内容はわからんが、わかったことがある。


この人たち、4人で来ると面倒だ。

姉ちゃんと藤岡さんが背後から援護。丸山さんが前に出て壁兼前衛。

そして本来ならここに三崎さんのテイムメンバーがいてさらに隙はなくなると。

今回はそこを三崎さん自身が埋めているようだが。厄介なことに変わりなし。


「まだまだ行くぞ!」

「はいどー・・・マジっすか」


丸山さんが力強く地面を踏み抜くとともに、動けなくなる。

そして俺の真上に魔力で出来た拳が降ってくる。


「んじゃこりゃ!?」

「隙あり!!」

「ンゴ!?」


当たる寸前で動けるようになった。

降ってくる拳を受け止めるが、その隙に姉ちゃんの衝撃波に当たる。


無防備な腹に当たった俺は当たり前の様に吹き飛び、再び現れた拳によって地面に叩きつけられる。

そこにさらに炎の槍。回避しようにも再び体が動かなくなる。


俺に何もさせない気だろう。

・・・これは、確かにダメだな。



















「ふぅ・・・これで少しはダメージになればいいけど」

「いやぁ・・・無理じゃないですか?」

「わかってるわよそんなの」


あの恭輔が、この程度でダメージが入るとは思わない。

そもそも食らったのだってわざとだろう。スキルを使えば躱すなり防ぐなり出来たはずだ。


今は私たちの撃ち込んだ攻撃で上がった土煙で姿が見えないが・・・


「な、なぁ。やりすぎじゃないのか?」

「いくらあの少年が強いからって・・・」

「日本人は加減を知らんのか?」


外野がうるさい。

そもそもこれはあんた達に見せるためというお題目があるのだから、黙って見ていろと言う話だが・・・


今回、無理やりこんな風に話を持っていったのには訳がある。

と言っても、殆ど勘なのだが。

今こうして自分たちの力を見せておかないと、恭輔がどこかに行きそうな感じがしたのだ。

どうにも父さんと一緒に何か隠し事してるみたいだし・・・まぁ父さんにも内緒にしていることがありそうだけど。


・・・正直な話をすると、私は恭輔が羨ましかった。

親があんなんだから、動物と触れ合る機会は私も多かった。

でも、私は動物の声が聞こえない。話すことは出来ない。

恭輔は出来た。だからこそ、あの二人に特別可愛がられていた・・・と、昔の私は思っていた。

ある意味で正しく、ある意味で間違っていたのだが。


ともかく、そう言うこともあり、昔の私は恭輔に対してちゃんと『姉』をしてやれなかったと思う。

高校に入ってからは特に。いや、それ以前から、あの子に対して構ってなかった。

恭輔は、それが当然と思っているのだろうが・・・

あの子のそばにいたのは、いつだって動物・・・特にコロちゃんだ。

そして、ダンジョンが出てきてからは家族も増えた。


・・・でもだ。


「それでも、全部ってわけじゃないのは・・・姉としてどうかと思うわよぉ恭輔」

「翔子さん?」

「てか、いい加減起きなさいよ・・・聞こえてるんでしょ」

「・・・はぁ」


煙が吹き飛ぶ。

そこには地面に倒れたままの恭輔がいる。

・・・服が汚れているだけで、全く傷ついていない。


「・・・そういう勘の良さは、姉の特権?」

「姉相手に隠し事なんて100年早いわよ」

「へいへい・・・マジで嫌になる」


恭輔の雰囲気が変わる。

ここからだ。


「本気になりましたね」

「はい・・・すいまんせん。わがままに付き合ってもらって」

「いやぁ。俺達も恭輔君には世話になってるしな」

「まぁ余計なお世話な気もしますけど」

「それをするのが姉・・・でしょう?翔子さん」

「ええ・・・あのバカ恭輔。フミさんに隠し事してるから」














・・・いや、一体いつ気がつかれた。

そんな素振りは見せなかったし、そもそも大して会ってもいない。

だが、完全に気が付かれてる。

そしてそれを口に出したってことは・・・本来の目的はフミにそれを知らせることか。

ああ、なるほど。確かに余計なお世話だ。


「・・・ちょっと荒っぽく行くぞ」

「それくらい覚悟の上よ・・・来なさい」

「他の皆さんも、いい感じで?」

「勿論ですよ」

「てか、最初っからそのつもり」

「まぁ精々あがかせてもらいますよ」

「・・・はぁ・・・大人はこれだから」


嫌になる。


丸山さんの目の前に跳ぶ。


「あ」

「遅い」

「ガハ!?」


怪我をさせない程度の威力で手のひらで押し出すように吹き飛ばす。

続いて魔法を発動。藤岡さんの周囲を壁で囲む。

一瞬で壁はなくなるが、藤岡さんは膝から崩れ落ちる。


「な」

「だから遅いって」


姉ちゃんの背後にゴーレムを発生させて羽交い絞めにする。


「・・・え?」


三崎さんがようやく反応するが、もう手遅れだ。

地面から生やした蔓で三崎さんを拘束し、首元に剣を置く。


「・・・え?」

「はい。終了」

「・・・えぇ!?」


姉ちゃんは動けない。丸山さんは怪我はないだろうが、ダメージが大きい。

藤岡さんは、壁の中である花の花粉を吸った。それにより平衡感覚がなくなっている。

そして三崎さんは今現在首元に剣を置かれていると。


「は・・・チートかあんた!!」

「失礼な!!」



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