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424話

某漫画の可愛いたぬきのぬいぐるみがUFOキャッチャーであったので衝動のままに取ってしまった

あの鱗の持ち主が、俺宛てにメッセージを残したってのがハクコちゃんから伝えられた。

これに対して、俺達はすぐにそれに応えるべきではないと判断した。


まず神力に対して、俺達があまりにも無知であること。

実際俺が使えないと話にならないって感じだったし。試したこともないからすぐにどうにかできるものでもなかったってこと。


次に、位置はわかってたがすぐにいけない場所だったってこと。

ブルガリア・・・正確には、ブルガリアととルーマニアの両方に位置する森にそのメッセージで探せと言われた存在がいることだ。

場所に関しては、最近のお決まりで地球から知識を持ってこれたから知れたんだけど。

実は、これがかなり厄介なのだ。


まず、言われたような存在に会うってことは、戦闘を前提にしないといけないってこと。

まぁ何が起きてもいいようにってことだな。

つまりは、うちの子達全員で行かないといけなくなる。

となると飛行機で移動なんだけど・・・ダンジョン関係者。しかも俺のだ。

一人でも国滅ぼしちゃいそうな危険物。簡単に国を渡れるわけないってね。


その辺は親父たちが調整することだから、俺が何か出来るわけではないんだけど・・・


まぁそんなわけで、まだ探しに行けてないのだ。

じゃあ親父たちが色々してくれている間、俺は何してるかって言うと・・・


「うお。外人一杯・・・」

「ほんまやなぁ・・・でも大したことないな」

「それ言っちゃだめだから・・・てか何基準だよそれ」

「そらもちろん恭輔基準」

「比べられても困るわ」


海外から来た冒険者たちの研修?の手伝いをしております。裏方だけどね!!
















事の始まりは・・・あまりにも長くなるので割愛。

ともかく、一番ダンジョン探索が進んでいて、冒険者の質も高い日本で全世界の冒険者を一堂に集めて研修が行われることになっている。

それより前に、日本では新しい冒険者の募集(2回目)が行われているのだが・・・こっちは俺ノータッチだから知らん。

確かそっちの方の合格発表は海外冒険者研修が終わった後になるとかなんとか。

本当は前に終わらせたかったらしいし、その予定だったのだがあまりにも数が膨大で捌き切れなかった模様。

それに、結局のところ最終的には藤岡さん達が見ないといけないってこともあったから、まぁ間に合わなかったと。


それはいいのだ。俺忙しくないし。


今のこの海外冒険者研修。

こっちも講師を担当する藤岡さん達は何を教えるか、どうやって教えるかで手一杯。

他の部分・・・食事とか色々ね。そのあたりは専門のスタッフを国が雇ってくれたから負担にはなっていない。


問題は警備面だ。

冒険者を守る・・・逆に、冒険者が問題を起こした場合に誰が抑え込むかって話だ。

まず日本の冒険者だけじゃ足りない。人数少ないしな。彼らだけじゃ間に合わないし、中には彼らより強い冒険者もいるにはいる。

流石にダンジョンが発生してから潜っている冒険者・・・こういうのは元軍隊とか、今も軍人とかが多いんだが、こういった面子は数か月前に冒険者になった面子では手に負えない。


じゃあどうするって・・・俺しかいないよねって話。

そんなわけで、俺に仕事が回ってきたというわけだ。だから俺はここにいるわけで。

下見に来て以来だけど、今の方が綺麗だな。リラクゼーション施設にはずっといたくなるくらいには快適。


まぁ基本俺は施設のどこかしらにいることになっている。

勿論基本的には警備室(俺専用)の部屋にいるんだけど、別にいなくてもいい。

この部屋は監視カメラの映像も見れるから、俺が異常を見つけたらすぐに駆け付けられる。


ここにいる冒険者たちは、基本的に敷地外に行けないことになっている。

自由に行き来できるのは土日のみ。まぁこれは大したことない。

そもそも研修期間は2週間だからな。

施設内には大抵の施設は揃ってるし、買い物は・・・土産買うくらいなら土日あれば十分だろう。

一日の大半はスキルの話だったりダンジョンに出てくるモンスターの映像見たりとやること見ることは一杯あるから暇にはならないでしょう。

他にも、新人冒険者を率いるに当てって藤岡さん達が注意したこととか話すんだっけな。


そう、意外かもしれないが、日本以外だと一般人のダンジョン探索は許可がほとんど下りていないのだ。

勿論勝手に入っている人はいたんだろうが・・・そういった人たちは既に死んでいる。

そして許可している国でも、新人の人たちの被害はそこそこ出ている。

だからこそ、日本の異常性が目立つ。

なんせ、まだ冒険者は誰も死んでいないからな。


「まぁ俺が暇なことに変わり無しってな」

「しゃーないやん・・・とは言うてもうちも暇やな」

「うーうー」

「あんがと」


ニホリが持ってきてくれたお茶を一口・・・美味しい。


なんだかんだ言ったけど、俺は暇なんだよ。

だって見てるだけだし。今ここで教えてることは大元を辿れば俺が教えたこと見たこと記録したことだ。

もう一回見るのは退屈・・・まぁ海外の冒険者の人たちの反応を見るのは面白いな。


ああ、そういえばソフィアさんいないんだよね。

前に寄生型精霊に憑りつかれてた人。まぁあんなことがあったんだし、冒険者辞めてるのかもな。

・・・そう思うと、今回来てる人たちは若いな。

大体が20代・・・上でも40くらいの人が1人2人。どこかの国のまとめ役のようだ。

別に不思議な事ではないのかもしれないな。日本だってほとんど20代・・・それも前半だし。


俺の予想では、冒険者ってのはもっと私軍人ですみたいな人が多いかと思っていた。

だから平均年齢は30代くらいだと思ってた。

経験を積んだ人間・・・または訓練歴の長い人間の方が都合はいいはずなのだ。

特に最初期から冒険者をやっているのなら。


「そういう人たちは先に犠牲になっているそうですよ」

「オハヨ!」

「うー!」

「あら、三崎さん暇なんすねおはようございます」

「その一言必要でした?」


なんとなくです。


「んで、どういうことです?」

「いや、考えてみてくださいよ。ダンジョンに関して・・・特に10層に近いモンスターの種類とその脅威度とか戦い方とかが詳しくわかったのって恭輔君がデータをまとめてからですよね」

「・・・そういや俺の報告書って公開されてましたね」

「それまで、どこの国も自国の軍事力で無理やり攻略したような物なんです」

「・・・ああ、だからか」

「はい。銃が通用しない階層を無理やり突破しようとすれば、それだけ被害は出ますから・・・」


だから若いのが多いのか。

被害が出るだけ、経験を積んだ人間は前に出る。出ざる負えない。

そして、対策してないと勝てない相手。そもそも基礎能力が足りてなくて勝てない相手に対しては被害が大きくなる。


俺の集めたデータが公開されてからは、どれくらいのレベルで、どういった戦い方で、どういった対策を練るべきかが分かった。

それからは被害は最低限に抑えられたのだろうが・・・それまでの被害が大きいと、そういうことか。

若いのが多いのは、残った戦力の中で国から一端戦線から離脱して問題ない程度の人たちと。


「いやそれはうがった見方ですけど・・・まぁ最高戦力は来てないですよ」

「何でです?」

「それはまぁ・・・国内のダンジョン事情もありますし」

「まぁ色々あると」

「そういうことです。日本が外に冒険者を送る場合。よっぽどのことがない限りは私たちじゃないでしょうし、それと一緒です」

「へー」


ふむふむ・・・まぁ何か色々あるんだな。


「あ、今俺に関係ないなって思いましたね」

「何で」

「恭輔理解を辞めた時の顔わかりやすいんよな」

「マジか」

「なんか、目が遠くなるっていうか」


そんなわかりやすいのか俺・・・


「うー?」

「ウーン・・・イナイ!」

「うーうー」

「ゼンゼンダメ!!」

「・・・ところでそちらは何を評価してるんですか?」

「話逸らしましたね」

「逸れたなぁ」


なんのことやら。


ニホリとアリシアがカメラの映像を見て何かを評価している。

何か聞こえてくるのはアリシアの酷評だけなんだけど。


「う!」

「はい?魔力の質?」

「ミンナウスイ!」

「薄い・・・濃さ?」

「うー」

「ゼンゼン、キタエラレテナイ」


それは魔法がないからなのでは・・・?と思ったら、どうにも違うらしい。


ニホリ達の見る魔力の質。それは自分達が吸収する際にどういった魔力が都合がいいかってことらしい。

例えば俺なんかは魔法以外にも何度も強敵と戦っているからその分魔力が濃いらしい。


自分の培った経験なんかは、魔法抜きにしでも魔力に現れるらしい。

まぁ魔法スキル持ってないなら気にするようなことじゃないらしいが。

本人たち的には、大事らしい。


「ちなみに三崎さんの魔力はどんなん?」

「う!」「アマイ!!」

「・・・甘い?」

「味の感想やんか・・・ん?間違っとらんのか?」

「うー!」


あながち間違ってないらしい。

味と言うか、ただの印象の問題な気もするけど。


魔力の個人差。その好みの話になって、カメラに映っている冒険者の人たちを評価する流れになったらしい。

もちろん一番の好みは、自分が生れるきっかけになった魔力。

ニホリなら俺。アリシアなら三崎さんの魔力が一番好きなんだって。

今いる人たちにも似たような魔力を持っている人たちはいるみたいだが、そもそもの質が良くないとのことで酷評だったそうだ。


「うーうー」

「エ・・・キニナル」

「うー?」

「ホントウニ?」


俺の魔力は時々めっちゃ多く流れて来るからそれは驚くって言われてますはい。

その時の味は非常に濃いので酔っちゃうとかなんとか。

アリシアが興味深々なのが気になるけど・・・これはあれか、隣の人が食べている物が気にあるあの現象と同じか。


「てか、俺の魔力ってアリシアも吸収できるの?」

「う?」

「デキルヨ?」

「繋がっている人だけかと思ってたわ」

「私もそう思ってましたね」

「うちもそう思っとたわ」

「うー?」

「言われたことないなぁ・・・」


確かに『魔力吸収』なんてスキル持ってるから、俺だけってのは何かおかしいとは思ってたけど。


どうも基本吸収しなくても問題ないからしないだけらしい。

そもそも自分の意地に十分以上の魔力があるのが確定の段階で実体化するから要らないそうだ。

でもまぁ気になることは気になるので評価はすると。


「うー」

「ワタシモ!」

「魔力よりケーキが好きですって」

「・・・後で買ってくるから」

「うー!」

「ワーイ!」


何か遠回りなおねだりされたな今。

よろしければ評価などお願いします

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