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417話

「伝言・・どういうこと?」

「ガウ」

「力に意味が込められてる?」

「・・・チュン?」

「グニャ」

「なんだその声」


声はともかく、どうも鱗自体もわざとあの場所に落したらしい。

さらに言うなら、そもそもあんな影が映るまで上に上がってきたのもわざとなんだとか。


「じゃあなんだ。俺があの場所で鱗を見つける・・・ってことを期待したってことか」

「ガウ~・・・ガウ?」

「・・・そこで『天啓』か」


直観に近いと思ってたけど、ほぼ未来予知か・・・・

その場所で何かをした場合、未来で何が起きるか。それを感覚的に判断できるってことか。


ハクコちゃん達もそれは・・・


「出来る?」

「ガウ」(フルフル

「チュン!」

「それは知ってるよ?」

「チュン?」


そらフィニちゃんは出来ないでしょうよ。そもそも魔力もちゃんと使えてはないわけだし。

感覚的に使うのは出来てるから、意識的なのももうちょいなんだろうけど。


ともかく、この鱗の持ち主の伝言を聞かなければ。


「それで、何の用だって?」

「ガウ!」

「・・・はい?神力を?」

「ガウ」

「はぁ・・・いやどうやって」

「・・・?」(コテン

「おい」


神力を辿って、もう一柱を追え・・・そもそもどうやって追うのって言う。

場所の特定だけなら出来る。この鱗の持ち主の事を考えた時に知識が流れてきたから恐らくもう一度やれば場所も分かる。

だが、神力を辿れってのがな。

うーん・・・まず感知しかできないんだけどな俺。その感知だってぼんやりとどこにあるってのしかわからないし。


「場所を特定しろって話じゃないんだな?」

「ガウ」

「だよな・・・困ったな」


やはり神力を追うことがメインか・・・狙いは俺に完全に神力を把握させることか。

追う・・・追うか。魔力と感覚が違う以上。まず俺自身が神力を持つのがあ一番速い。

それ以外だと、身近なハクコちゃん達の事を観察することでそのうちってのがあるか。

だが、2つ目だと時間がかかりすぎる。


「鱗が落とされた日ってわかってる?」

「は?いや。そのあたりは全くだが」

「ハクコちゃんいつ」

「ガウ」

「半年以上前?マジか」


半年・・・ちょうど新しいダンジョンが出てきた時期か?

そのあたりで俺宛てのメッセージを残した。

海面近くまで浮上してきたのは俺が一向に鱗を見つけないからか?

付近を探させるために自分の存在を少しだけ出すことで、俺をおびき寄せた。

そして直接会わないのは・・・今会うと都合が悪い・・・いや違うな。都合は悪いけどそれでもいいはずだ。


ハクコちゃん達より強い力を持つ存在だ。

恐らく見ただけで力を理解させることも出来る・・・が、それをすると何かしらがダメになる。

ダメになるのは恐らく、鱗の持ち主の目標を達成するのには問題ないが、俺に問題があることのはず。

または・・・


「また暴走するか?」

「ガウ~?」

「んー・・・ハクコちゃん見てれば何かわかんねぇかな」

「チュン!」

「フィニちゃんはわかんないかなぁ」

「チュー!」

「いて・・・頭乗りにくくないの?」

「チュン」

「じゃあ乗るなよ・・・」


頭は髪の毛が邪魔で滑るそうです。知らんがな。


















その後、ハクコちゃんの『黄煙鎧』のデータを取って家に帰宅。

とりあえず、鱗に残されていたメッセージに関しては俺に任されることになった。

場所の特定、そして神力の解明。

これらに関しては俺だけがやることに。


まぁ機械系では全くわからない力だろうしな。そこはいい。


問題は、結局俺も辿る所まで出来ない事。

・・・まぁ大雑把な場所はもうわかってる。遠いし肝心の神力に関してはよくわからないからな。まだ行きません。

せめてもっと正確にわかるようにならないとな。


「・・・あー、一応今も出来るな」

「ガウ?」

「いやしない。やったら怒られる」

「ワン」

「ガウ」

「察しないでくれ」


恐らくフミにものすごく怒られるやり方だ。これは最終手段として取っておこう。


この件に関して猶予は・・・恐らくまだある。

だけどずっとはない。

今から半年以内に出来ないと少しマズイ・・・とハクコちゃんが申しております。


「何かヒントないのー?」

「・・・?」

「ワフ?」

「ガウ」

「あー」


生まれた時から使えたから何も分かんないと来たか。そらそうよね。


俺だって足を動かし方教えてくださいって言われても困るもん。

生まれて物心ついた時から動いてたし。説明って言われると・・・何かこう・・・論文とか探しさないと駄目かな。

となるとだ、ハクコちゃんから教わるのは無理と。


だが、そうなるとフィニちゃんはどうすればいいんだ?

神力を使うための条件は満たしている。なのに使えない。

俺はそれをきっかけがないからって思っているが、それにしては何もないな。

せめて予兆さえあれば、何かしら反応も取れるんだけど。

んー。成長すれば行けるか?


「・・・無理な気がしてきた」

「ガウ」


ハクコちゃんもそう思うそうです。

なんかこう・・・フィニちゃん子供だからなぁ。

ユニちゃん達みたいな急激な成長はまだ見られないから、厳密には言い切れないんだけど。


「神力・・・神力・・・うーん。全くヒントなしで知らん力使えるようになれとかハードル高くない?」

「ワン」

「魔力に関しては魔法スキルの影響でわかりやすかったからな。・・・スキル手に入れた方が速い?」

「ワフ」

「ガウ」

「だよね!!!」


無理だわな。


まぁない物ねだりしても仕方ない。

俺は今できる範囲の事で神力に関して詳しくならなければ。


「・・・よし、さっそくやりましょう」

「ガウ?」

「黄煙鎧を煙のままで漂わせていくことは出来るか?」

「ガウ・・・ウ?」

「うい。やって」

「・・・ワフ?」

「いや、コロちゃんもいていいよ」


先ずは神力を身近に感じることから始めましょう。

そしてその方法としてもっとも簡単なのは力に浸ること。


魔力もそうだ。

フィニちゃんやニホリなんかが魔力を吸収する際。俺たちが意識的に魔力を外に放出した方がいいって言っていた。

それと同じことを、俺もやってみよう。

幸い、力がそこにあるのはわかるんだ。ずっと感じていれば、恐らくより身近になるはずだ。


「じゃあ頼む」

「ガウ」


ハクコちゃんの中で力が高まる。

やっぱり、こう見ても魔力とは全く違うな。こちらの方が密度が以上に高い。

そら力自体が集中して物理的な干渉能力を持つまでになるんだから、密度が高くて当然なんだろうけど・・・魔力で代用したらどんだけ燃費悪いんだろうか。

そもそも出来ない気もするけど。


黄色の煙が、俺の部屋を満たしてくる。

前が見えない程じゃないが、ハクコちゃんの周囲の方が煙が濃いな。

発生元だからかな。


コロちゃんの様子は・・・大丈夫そうだ。てか、そもそも何か感じてるのか?


「何かわかるか?」

「・・・ワン」

「む、そうなるのか」


煙の様に可視化できるようになると、神力自体を感じられなくても勘が訴えてくるらしい。

それも、自分の使っている力より上の何かであると言うことも。

触れないし、目に見えない。そして感じることは出来ないがわかる。

これはコロちゃん・・・てか、動物の野生の勘というやつなのだろうか。

・・・ペットだけど。


流石に煙に囲まれても、すぐには俺自身にも変化は起きない。

周りに神力が漂うってのはわかってるが、どこが濃いのかは煙の濃さでしか判断できない。

これが神力で判断できるようになればとりあえず感知するくらいなら及第点だろう。


しばらくこのまま過ごしてみるか。

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