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410話

「うっうー!」

「元気いっぱいやな」

「そらようやくいつもの服に戻れたしな」

「可愛かったんやけどなー」

「まぁニホリ自身も悪い気はしないみたいだけど、やっぱりいつもの服がいいんだろ」

「あー、まぁうちもいつもおんなじやったしなー」

「・・・そういえばなんで最近服コロコロ変えてるんだ?」

「スキルが変わってもうたからな。服まで変えんの面倒やねん」

「・・・それ弱体化じゃね?」

「いや、自分自身を変化させるんなら今の方がええんよ。練習もいらんし、違和感も残らん」

「ほー」

「・・・てか、お義母さんがこっそり作っとるあのふりふりは何なん?」

「ニホリアイドル仕様」

「大変やなニホリ・・・」


ほんとそれな。












「!!!」


あらぶっておりますユニちゃん。

ファー!!って言ってるんだけど、一体全体何なんだ。


事の始まりは、一昨日雪ちゃんとヨミが来た時。ヨミがユニちゃんの内緒話をしたのだ。

それが終わった後から、ユニちゃんは首を傾げながら悩んでいた。

そして今日の朝、俺が庭に出た時には既にファーしていたと・・・


「いや何があった」

「めぇ」

「おはようしーちゃん。・・・何か知ってる?」

「・・・めぇ?」

「角?」


角がどうしたのだろうか。

何やら角の何かで悩んでいて、今日普通に伸びてたからそれがダメだったとのこと。

・・・やはりヨミのせいか。もう一回呼び出しか?


「・・・」

「あ、止まった」

「めぇ」

「・・・」(´・ω・`)

「そして落ち込んだ」

「めぇ」


テンションがジェットコースター。乱高下激しい感じ。


「・・・どうしたから聞いていい感じ?」

「!!・・・?」

「いいよいいよ」


ヨミから内緒って言われたけど、言っていいの?って聞かれたら俺はいいんじゃねとしか言えないよね。


そこで、初めてユニちゃんにヨミが言ったことを聞けた。

どうも、ユニちゃん自信のステップアップに関わることのようだ。


「・・・」

「角を短くして、魔力を圧縮する?」

「!!」

「・・・めぇ?」

「!!」(フンス

「めぇ~」

「だけど今日は普通だったからあらぶってたと」

「(´・ω・`)」

「ああーよしよし。大丈夫大丈夫。これから考えていこうな」


ユニちゃんの角は、魔力がいっぱいになると抜ける。

でも、急に魔力が溜まると抜ける前に角に溜まっていく。すると、角が普段より長くなる。

ここまではいいのだ。


ヨミが言ったのは、魔力をそのままにして長さを短くすること。

こうすることで、角の硬さがまた一段階ランクアップするんだとか。

そして、その魔力の動きはユニちゃんに新たな強さを手に入れることに繋がるらしい。


角を中心とした、魔力の衝角。

それを自由に使えるようになれば、ユニちゃんに倒せない敵はいなくなるそうだ。


「ドリルってことか」

「めぇ?」

「俺?俺のはまんまドリルだからなぁ」

「???」

「魔力の動きで作るのと、魔法で作るのは違うだろうし・・・それに、ユニちゃんの角ってのが大事なんだと思うぞ」


ユニちゃんの角はめっちゃ固い。驚くくらい硬い。

そして何故か加工しやすいとかいうわけのわからないファンタジー素材・・・って研究所の人が言ってた。

さらに、魔力にも大きな影響を与える。

流石はユニコーンの角。何でも『調薬』とか持ってると薬にも出来るんだとか。


「ユニちゃんって、見方によっては素材の塊ですからねー」

「むむ。流石というべきか・・・」

「めぇ」

「!!」

「うん?・・・んん???」

「あ、おはようございます。珍しく分身私です」

「ああ、通りで魔力が低いと」

「ちゃんと挨拶はしてきましたからね?」

「それは別にいいんだけど」


大事なことではあるけどさ。

気がついたら、ヨミ(分身)が後ろにいた。

恐らくはユニちゃんが悩んでいると思って分身体を送り込んで来たんだろう。


「それにしても、やっぱりユニコーンってそういう感じなのか」

「はい。文字通り使えない部分がないくらいには」

「蹄も?」

「何もかも、です」

「やっば」

「!!!」(フンス

「めぇ・・・」

「いや、しーちゃんも大概なんですけど」

「あー」


羊もそうよね。肉は食えるし毛ももちろんそうだ。


ユニコーン・・・元々の伝承とかだと、角は薬になるからと大昔の人々は危険を承知で狩ろうとしてたとか。

何が危険って、ユニコーンは本来獰猛な生物。処女の女性には大人しくなるが、それ以外には暴れに暴れるらしい。


・・・うちのユニちゃん。俺にべったりだし暴れもしないけど。


そしてヨミ曰く、ユニちゃんの鬣。血は魔法に関わる何かを作る時には必須になるらしい。


「何かって何?」

「いやー。どうせ私も恭輔さんも作れないですしねー」

「いや何なんだよ」

「えっと、恭輔さんこんな形のアクセサリー持ってたりします?赤いやつ」

「・・・あー、何か似たようなの持ってた気がする」

「ニホリちゃんに見せたことは?」

「あるけど、これは使えないって」

「あ、じゃあそんなでもないやつか・・・」

「だから何なの~?」

「ああ、すいません。ユニコーンの血って、私たちが着けると効果のある装飾品に加えるんです」

「はぁ」

「でも『細工師』ってスキルがいるんで作れないんですよねー」

「血を使って作るとどうなるんだ?」

「・・・私が知っている物、てか、私が使ってるものだと魔力が倍に増えます」

「はい?」

「倍です倍。正確には、消費が半分になるんで実質倍です」

「・・・いや十分やばい」

「まぁですよね。めっちゃ重宝してますよ」

「だろうね!?」


うわぁ・・・半分か・・・

うーん。確かに強力だし、あったらいいなって思うけど血かー

わざわざそれだけのためにユニちゃん傷つけるのはないなー。


それはわかっていたのか、ヨミが慌てたように。


「あ、ユニちゃんから貰ったことはないですからね!!」

「わかってるよ。てか、毎日全身見てるからそれくらいわかる・・・傷の治り早かったりします?」

「しますよ?」

「!!!」

「めぇ・・・」


もはやしーちゃんドン引きである。

ユニちゃんの超生物感強いなおい・・・


けどまぁ、どっちにしろないな。

血を貰うことは絶対にない。

つまりは、仮に『細工師』を手に入れてもユニコーンの装飾品を作ってもらうことは絶対にないだろう。


イタイのダメ絶対。


「えー。でも涙とかよだれでも代用できるんですよー?」

「あー涙ねー・・・まて、なんつった」

「よだれ」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・あれ?」

「???」

「我々よだれくらいなら毎日の様に舐められたりしてるから今更な」

「めぇ」


ありがたみが一ミリもねぇ

てかよだれ・・・えぇ・・・














「というか、ユニちゃんが悩んでそうだから来たんじゃないのお前」

「あ、そうでした。ユニちゃんこっちこっち」

「♪」

「・・・何、あいつら仲いいの?」

「めぇ」

「ふーん。・・・とう」(モフ

「・・・めぇ」

「いや、俺もしーちゃんと仲良し」

「・・・めぇ」

「照れやなんだからもー」

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