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408話

急に寒くなってきましたので毛布が活躍しております

違う違う。解決してない。

ユニちゃんの角問題。


だが今日はまだ再生が出来てないから、観察も出来ない。

そしてこう言うことはユニコーンの角を知っていたヨミも呼ぶべきだろう。

ついでに雪ちゃんも呼ぶか。髪型の変わったニホリを見せよう。
















「お邪魔しまーす」

「ただいまー」

「おまえの家ではない」

「私恭輔さんのテイムモンスターなんで間違ってないかなと」

「・・・確かに?」

「いや確かにやないわ」


割と急なお誘いにも関わらす、あっさりと承諾を貰い、次の日の朝にすぐ来た。

ヨミの手には何やら箱が持たれている。


「あ、これ昨日行ったお店のシュークリームです」

「・・・珍しいな。お前から渡されるの」

「ええ、だって今日は私が買ってますし」

「あら、本当に珍しいわ」


ヨミは基本的に雪ちゃんの家に雇われているって形になっている。

主な仕事は雪ちゃんの護衛。半ば何もない仕事だが。

それ以外にも。研究所の依頼で何か実験を手伝ったり、素材を加工したり知識を教えたりと・・・護衛以外の仕事の方が多いなこいつ。


まぁそんなわけで、実はそこそこお金は持っている。

殆ど雪ちゃん家のペットみたいな扱いでもあるから、自分のお金を使う時はほとんどないとか言ってたが。

うちに来るときも、お土産とか持ってくるけど、それは家の人に持たされた物だったしな。

何故今日は自分のお金なのか。


「ああいや、今日は呼ばれなくても来る気だったんですよ」

「うん?」

「とりあえずこれニホリちゃんに渡してもらえます?それでわかると思うんで」

「・・・まぁいいけど」

「後人型ちゃん分もあるんで取っておいてくださいね」

「完全にお茶のみ友達になってんのなあいつ」


馴染みすぎではとか思わんでもないよ。


「あの~」

「ん?どうした雪ちゃん」

「ニホリちゃんは?どうしたんです?」


ふむ、やはり聞かれたか。

ニホリにとって、雪ちゃんは数少ない友達の1人だ。だから、こうやって遊びに来た時は毎回お出迎えに出てきている。

何かやっている途中でも、それを中断してお出迎えする程だ。

それがいないので、あれ?と思ったのだろう。


うん、別に言ってもいいんだが・・・


「まぁ中入ればわかるよ」

「はぁ・・・?」

「むむ。何やらおもしろそうな予感」

「お前のその勘はなんだ」

「恭輔も人のこと言えへんで~ほれほれ。はよおはいり」

「あ、お邪魔しま・・・ニホリちゃん!」

「う・・・うー」


扉を開けたその先には、ニホリがいた。


普段のニホリは、おかっぱヘアーに動きやすそうな割烹着擬きを着ている。

それが一番似合っていて動きやすいと、母さんが買ってきたものだ。

研究所では女性研究員から貰った服を着ることが多いから、花柄のワンピースとか、それこそメイド服とか着てたりするが。

家の中では、基本的にその格好だ。


だが、今のニホリは一味違う。

母さん本気コーデ・・・頭のてっぺんからつま先まで着飾っている。

化粧も軽くしているようだ。


これがニホリがお出迎えに行かなかった理由なんだが・・・

まぁ要するに、恥ずかしいからだな。

慣れない格好ってのと、それを雪ちゃんに見られるのがってことで。

なんなら俺もしばらく見せてもらえなかった。ダメーとねっさん達まで味方に付けて俺の視界を塞ぎに来たくらいには。


「可愛いよニホリちゃん!」

「う~///」

「おお!ロングも似合いますねニホリちゃん」

「せやろー?うちとお義母さんでめっちゃ頑張ってん」

「ほほー・・・あれ、ニホリちゃん髪伸ばせるんです?」

「伸びたんよなぁ」

「・・・不思議ですねぇ」

「それでいいのかと物申したい」

「いや、ニホリちゃんとかアリシアちゃんとか知らな過ぎて何が何だかって感じで」

「うんうん。人形自体は知っとったけど、こうなるんはなぁ」

「そういや前もそんなこと言ってた気が・・・」


照れてるニホリと褒めちぎる雪ちゃんを見ながら話す

シュークリームは・・・後ででいいや。冷蔵庫入れとこ。


てか、ヨミを呼んだのは理由があるんだから、雑談は後にするか。


「先に要件すませていいか?」

「私は何でもいいですよ。なんでしたっけ。ユニちゃんの角が伸びたんでしたっけ?」

「そうそう」

「再生したとかではなく?」

「このサイズになる?」

「・・・スゥー」

「再生じゃなさそうだな」

「せやな・・・てか、なんでヨミユニコーンの角なんて知っとるんや?」

「へ?・・・あれ、言ったこと無かったでしたっけ」

「ないと思うんやけど」

「まぁ単純に偶々見つけて角へし折っただけなんですけど」


割と単純。


まぁ実際にどういう風なのか見てもらった方が早いだろう。

ニホリと雪ちゃんを残して、ついでに傍にいたコロちゃんに2人を見てもらうように頼んで庭に出る。


庭では先に俺が待っておくように言ってあるユニちゃんが寝転がって待っていた。

体の上でふーちゃんとふーりんちゃん+野良猫達がのんびりしている。

・・・一枚パシャりつつ、心苦しいが退いてもらう。


「!!」

「ういうい。悪いね寝てた?」

「・・・」(フルフル

「角は伸ばせそう?」

「!!」(フンス  にょきにょき

「早い早い」


またもや不意打ちで伸ばされたが、今回は良く見れた。

魔力が角になかった。


「見れたか?」

「見れたで」

「見ましたけど、これやっぱり成長してるだけですね」

「これが?」

「???」


そういうことだろうか。

これが成長になると、ユニちゃん色々おかしなことになるんだけど。


「魔力がどこにあるかは見れました?」

「いや。角しか見てなかったけど」

「じゃあ見れてないですね。魔力があったのは額の部分です」

「額?」


ユニちゃんの額部分・・・いまは角が抜けてるから、その跡がある。

今見ても魔力は感じないし見えない。

ここに魔力があったと。


「説明しずらいですね・・・えっと、成長に魔力を使うって感じでわかります?」

「・・・それは通常の成長を魔力で後押しするってことであってる?」

「それで合ってます。だからユニちゃんは再生する時は同じ速度で伸ばせないんです」

「・・・元に戻ろうとする力には何も出来ないが、元の位置からさらにってことなら出来ると」

「おお、わかるものなんですね」


つまり、俺達人間で言うとだ。

爪を切ってから、元の長さに戻るまでが再生。

元の長さに戻ってからさらに伸びるのが成長と。

そしてユニちゃんはこの成長にのみ魔力を使って成長を促進させられると。


・・・いや、やり方はわかったけど、原理がわからん。

なんでユニちゃんはそんなことできるんだ?


「正確に言うと、成長もちょっと違うんですけど」

「おおう」

「これ、見た感じ普通の角より硬いんですよ」

「・・・お?」

「つまりなんや、自然に抜けるよりええもんやと?」

「そうですね。角が魔力にある程度溜まると抜けるって話はしましたよね」

「された」

「覚えとるわ」

「その溜まる速度を速めてるんですねこれ・・・ああ、そういうことですかなるほど」

「1人で納得しないでもろて」

「抜けた後の再生速度が普通な理由も分かりましたね」

「解説よろ」

「うぇーい」

「なんや急に・・・」


角に魔力が溜まると抜ける。

この長い角は、魔力が溜まりすぎた結果大きく伸びたのだそうだ。

通常サイズで受け止められないから、伸びることで許容量を大きくした・・・勝手に大きくなったと。


そして再生速度に関してだが、これは単純に魔力を溜めるための器がないからだそうだ。


「ある程度の大きさにならないと溜められないみたいですね」

「それどうやってわかるんだ?」

「額を見てください。特に変化はないでしょう?」

「ないけど・・・普通じゃね?」

「角には魔力があるのに?」

「・・・あ」

「言われてみれば変やな」


確かに変だ。角に魔力が溜まるのなら、抜けた直後はそこに残りがあってもおかしくないのに。

何もないってことは、そこにあった魔力が角が抜けた瞬間にどこかに行ったことになる。


水を思い浮かべると簡単にわかるかもしれん。水道から水を出して、コップに入れるイメージで。

コップは水を貯められるが、ある程度でいっぱいになる。

それでも無理やり入れようとすると、零れるかコップが壊れるかのどちらかになる。

ならそれより前にコップをどけるとどうなるか。コップに入るはずだった水は、ただただ下に落ちていくだけで留まらない。

この水を魔力に置き換えればいい。

生物の魔力は体を流れている。ユニちゃんの角は、その魔力の流れから魔力を少しづつ溜め込んでいた。

それがいっぱいになったから抜ける。そして溜まるはずだった魔力はそのまま額を通り過ぎて体を流れるから、今見ても特に変わった様子は見られない。


「はぁーなるほどなぁ」

「つまりは、角の魔力を溜めこむって性質はある程度のサイズになって初めて出てくるってことか」

「そうなりますね。これは知らなかったなー・・・あ、これ貰っていいです?」

「良いけど・・・何かに使えるのか?」

「ちょっと実験を。後ユニちゃん借りますね」

「いやまぁいいけど・・・」

「ユニちゃんユニちゃん。内緒話しましょ」

「??」


いやそれ俺に聞こえるように言うなよ・・・

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