407話
危うく今日も予約投稿忘れる所でした
「うわなっが」
「うー・・・」
「なんか聞いたら伸ばしてくれた」
「いや・・・そんなスキルなかった・・・よな?」
「ないない。なんかこう・・・生物的な特徴というか・・・」
ユニコーンって角伸びるんですね!!
・・・んなわけないだろって。
だが実際のところ伸びたことには事実だ。
しかも、相変わらず再生は速いと来た。何が原因なのか知らんが、まぁ今のところは成長ってことにしておこう。
そういうことができるようになりましたって感じ。
ほら、俺達だって爪伸びるし。
「いやそれとこれは別物やろ」
「う?」
「ニホリは髪も伸びん・・・!?」
「ほぁ!?」
こんな感じ?って言ってニホリの髪が伸び始めた。何してるんですかニホリさん!?
なんかそういう呪いの人形みたいな感じで伸びてる・・・ハァ!?まさかニホリの本体・・・日本人形って呪いの人形が元ネタ!?
「うーうー♪」
「前髪も長いから怖いって」
「ほれほれ、見にくいやろ」
「うー」
「・・・これ母さんに見られたら大変なことになるな」
「なんでや?」
「う?」
「今までニホリのファッションは服だけだったのが髪型まで・・・」
「あ」
「う」
「・・・」(ジー
「・・・ハッ!?」
扉の間からジーと覗いてくる人・・・
「・・・恭輔?」
「スゥー・・・はい」
「ニホリちゃんかーして♪」
「・・・うい」
「う!?」
「諦メロン」
「なんやろ、この流れは読めとったな」
「うーうー!!」
「ニホリちゃーん」
「・・・うー」
ニホリが連行されました。
まぁ髪をおしゃれにしてもらうのはニホリも嬉しいんだよ、問題はその時間がめっちゃ長いって話で。
実際研究所でのニホリファッションショーは長時間に及ぶ。
俺の用事が終わって、コロちゃん達も遊び終わって休んでてもまだ終わらない。
母さんたちの仕事時間が終わってようやく戻ってくるとかザラだ。
帰ってくる時は笑顔なんだけど、あれ多分解放されたからだしな。
後着た服は貰えるし。
今ニホリの服何着あるんだろうか・・・
そろそろニホリ専用部屋とか上げた方がいいかな?
「フミもいるか?」
「いらん」
「あらそう」
まぁそう言うと思ったわ。
さて、そろそろ本題に戻ろう。
ユニちゃんの角が伸びる・・・そして何故かニホリの髪も伸びた。
これだけ見ると、しーちゃんの『増毛』を思い浮かべるが、そのスキルを両方とも持っていない。
となると、これは彼らに備わった元々の能力。
スキルは才能の後付けらしいから、それなしで出来ることは、自分の才能。能力と言うことになる。
それこそ俺達人間の爪が伸びたりするのはそういう風に体が出来ているからだ。
それと同じと判断していいだろう。
問題は、それが急激に起きたことだ。
こういう成長は、大体魔力が関わっているんだが・・・うーん。急な事だったから魔力の動きを見れなかった。
「・・・ちなみにフミは出来たりするか?」
「いやいやいやいや。無理無理無理」
「そんな否定せんでも」
「あんなホラーみたいなこと出来へんて」
「スキルで出来るってだけか?」
「せやな。でもああいうんに伸びるんわないわ。もっとポンっと変化する感じやし」
「そういやそんな感じだったか」
フミの場合だと成長じゃないか・・・
しーちゃんもスキルだし・・・うーん。もう一回ユニちゃんに見せてもらうか?
でも再生速度はいつも通りの速度だったしなぁ。
あれかな、ある程度まで伸びた後はサイズの調整が出来るとか?
「・・・仕方ない。ニホリを観察するか」
「え?大丈夫なん?」
「まぁ多分。俺の想定通りなら・・・」
母さんはニホリの髪が伸びるのを見ていた。
ということはだ、髪を切っても伸ばせるってことを知っていると言うことになる。
つまりは、自分の中で満足のいく髪型になるまで色々試すはずなのだ。
それを見よう。
「キャー!可愛い!!」
「うー?」
「これ!これ持って!首傾げて!!」
「う?」
「キャー!!」
「・・・楽しそうやね」
「本当にな」
今はツインテールで何か白い花持たされてます。
想定通りで助かるわ。
数回程髪を切られ、その度に戻るってのを繰り返しているのを見れた。
その結果、やはり魔力が関わっていた。
伸びるタイミングで、魔力が髪に浸透するような形で通った。
そして髪先から魔力がまっすぐ伸びて、伸びた分だけ髪も伸びたと。
「・・・こうやってみると、ユニちゃんとはちょっと違うかな」
「お、何か思い出したん?」
「うん。なんというか・・・ユニちゃんのはあくまでも成長って感じがしたんだよ」
「あー、ニホリのは体を魔力で再構築してる感じやよな」
「そうそう。あれはニホリの元が人形で、今の体は俺の魔力を受け取って構築した体だからってのがあるんだと思う」
「むー・・・相変わらずその辺の感覚はうちにはわからんなぁ。結構ニホリは抱っこしとるんに」
「なんというか、体というか、魂とかそんな感じの部分で繋がってるからなぁ」
こればっかりは説明できないだろう。
感覚を共感できるのは三崎さんだけだな。アリシアいるし。
そしての繋がりは・・・どういった形で強まるのかわからない。
それが強くなった結果、ニホリと俺で視界を共有するってことも出来るようになったわけだし。
「魔力の受け渡しの感覚も、俺にはないしな」
「ニホリが持っててるんやっけ」
「そそ。正確には、人形の時に一番多くて身近な魔力を受け取るようになる・・・んだと思う」
「んで、一回体を作ったらあとは『魔力吸収』で補えると」
「一応俺から送り込むことも出来るんだよな。『強化』とか『幸運』とか使う時はニホリが消えないように送る時も前はあったし」
「おん?今やらないん?」
「ニホリの魔力の貯蔵量?が増えてるんだよなぁ。レベル上がってないのに」
そういえばそれは気になってたんだよな。
ニホリは一体もモンスターを倒したことはない。だからレベルは初めの50のまんま。
強くなることがないから、魔力も増えない。スキルは使った分は使いやすくなるけど、それだけ。
自分自身の強さに関して、根本的な部分は何も変わっていない。
なのにも関わらず、魔力の最大量は増えているのだ。
「いつ頃から何?」
「あー・・・いつかってか、ニホリが生れてからずっと増え続けてるっていうか」
「うん?」
「本当に成長してるみたいにちょっとずつ増えてるんだよ」
それこそ身長が伸びるみたいな感じで増えていくのだ。
「恭輔の成長に合わせてるーとかないん?」
「・・・俺くらいの年齢はもうほとんど成長しないっすね」
「あらそうなんか」
人間だもの。
まぁ冗談は置いておいて・・・
「俺のレベルアップに応じてってことならありえそう?」
「うーん。魂部分で繋がっとるならありえそうやけど・・・背は伸びんのやな?」
「伸びないね~。何故かあのまんま」
体の再構成自体は出来るのに、形があのままで固定なのだ。
だからこそ、髪を伸ばせたことに驚いたのだ。
今まで全く変化しなかった見た目の体が変化したのだから。
「・・・となると?」
「今実は大きくなれる?」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・う?」
「・・・なんで母さんも黙る?」
「・・・ニホリちゃんはこのままが可愛いと思うの」
「う!?」
「えぇ・・・」
「そういや母さん。ニホリみたいな娘が欲しいって前から言ってたな・・・」
姉ちゃんわんぱく。俺男の子。
だからこそ、もっと大人しい・・・それこそ女の子っぽい子が欲しいと良く言っていた。
そんな時に出来たお人形のような女の子・・・人形だけど。
さらに俺の娘みたいな子・・・母さんから見たら孫だな。そら着飾るし、めっちゃうれしいよな。
「そういや。俺も前に大きくなったことを残念がられたな・・・」
「お義母さんに?」
「いやじいちゃん」
今となってはむしろ大きくなって喜ばれてるけどさ。
あれか、孫って大体そんな感じなのか?
じゃあ大きくなっても・・・
「ダメです」
「うー」
「ニホリもナイスバディに憧れてるそうだけど」
「ニホリちゃんは今のままでも十分魅力的です」
「ああうん。そうっすか」
「うーうー」
「え?うち?」
「そうねぇ、フミさんは確かに魅力的だけど・・・フミさんはフミさんだからなのよニホリちゃん」
「うー?」
「・・・うちの今のこれ、ナイスバディなん?」
「かなり」
「えへへ~」
ニホリが大きくなれる日は遠そうだ。
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