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401話

祈りながら投稿します

「チュンチュン!」

「んあ?」

「チュン!」

「ああー」


フミに抱き着き家事を妨害したことでニホリにはきっちり怒られました。

まぁお手伝いしたら許してくれたけど。


それらが一通り終わり、リビングでボケーっとしていたらフィニちゃんに頭を突かれた。

何事かと思ったら、どうにも約束守れーとのこと。

あれだ、魔石の魔力吸収の話忘れてたわ。

・・・俺の事じゃないし、むしろフィニちゃん達が強くなる分には問題ない・・・よな?

止められてないし。


「よし、ならやるか」

「チュチュン!」














フミとニホリ、ポヨネ・・・てか全員庭に集合。


「チュン・・・?」

「大ごとだと思いますか?大ごとだからだよ」


とにかくどんな状況にでも対応できるように皆いるんだよ。

一応起こりそうなことの推測はしているが、それが絶対に起きるとは限らないが、逆に言うと、それら以外が起きる可能性だってある。

念には念を。気を付けるに越したことはないだろう。


本当なら、こう言うことは研究所でやるのはいいんだろうが。

全員で本気で備えるって意味なら、うちの方がいい。

しーちゃんとユニちゃんもいるから、戦力って意味なら間違いなくうちでやった方がいい。

設備が整っているって意味なら、研究所の方がいいのは当然なんだけど。


「じゃあこれね」

「チュン?」

「そらな。一番大きいのは危ないからダメ」


危ないって言うか何があるかわからないからって感じ。


フィニちゃんから感じる魔力は大体10層くらいのモンスターと同じ。

生まれたばかり、レベルも低いと考えると、これは破格の数値だろう。うちの子達で比べると低いのは仕方ないことだが。


それを踏まえ、使う魔石も選んだ。

大体感じる魔力と同じくらいの階層・・・9層と11層の魔石を選んだ。

10層でも良かったのかもしれないが、あれは10層ごとの強いボスになっちゃうからな。一応やめておいた。


先ずは小さい方・・・9層の方から。

フィニちゃんのいるテーブルの上に転がしてある。

フィニちゃんがそれを軽く突いているが、そうやっても魔力は出ないのよ。


「中の魔石から吸い取る感じよ」

「・・・チュン?」

「あれ?教えてないの?」

「クゥ?」

「え?」

「チュン?」


おんなじ炎繋がりってことで、主に魔法とかの扱いを教えているのはふーちゃんだ。

魔法が得意な狐さん。だから魔力の使い方を教えていると思っていた。

それを聞くと、ふーちゃんもふーちゃんで、もう使えるじゃんと言っている。

フィニちゃんは何それ?といった顔だ。

どういうこと?


「クゥクゥ」

「チュン・・・チュン?」

「クゥ!」

「チュン!」


解決したみたいだ。

どうやら炎を出している時に無意識でやっていたから、それを見てふーちゃんが勘違いしたらしい。

だがまぁ、使えることには変わりない。さっそくやってもらいましょう。


フィニちゃんが魔石に軽く触れた状態で、魔石から魔力を吸い出す。


・・・うん、ちゃんと流れている。

だが、どうにも違和感あるな・・・なんというか、身についていない?


魔石の魔力が空っぽになる。

色が抜けて、灰色になっている。フィニちゃんの様子に変化はない。

感じる魔力の量も変わらない。

・・・?


「クゥ?」

「ぴぴ?」

「はて」

「変化なしやな」

「うー?」


魔力を機敏に感じることのできる組は首を傾げる。

確かに魔石の魔力はフィニちゃんに流れた。だが、それだけなのだ。

最大量が変わったわけじゃない。

そら俺達が同じことをしても。大して魔力は増えないし、強くもならない。

だがそれでも、多少は変わるものだ。

全くの変化無しって言うのは・・・ありえないんだがなぁ。


「フィニちゃん体調は?」

「・・チュン!」

「お腹いっぱい?・・・あ、そういうことか」

「・・・そういえばこの子、魔力食べるんやったな」

「う?」

「全部食べちゃったって感じ?」


ああうん。そら強くならんわ。

だって俺達と吸収する意味が違うんだもの。


俺達は魔力を魔石から吸収すると筋肉になる。

フィニちゃんは栄養になるって違いがあるのか。

元々卵のころから、空気中の魔力を吸収していたし、それと同じなんだろう。


「・・・って、これじゃ強くならんやん」

「そうだな」

「チュン!?」

「うーむ・・・どうするか・・・」


これって実は精霊でも同じなんじゃないか?

元々魔力に近い体になっている精霊。それこそ魔力を吸収しても栄養にしかならないんじゃ・・・


ふと思いついたので、急遽ふーりんちゃんを呼び出して一個魔力を吸収してもらうことに。

結果は?


「にゃ?」

「・・・強くなってんな」

「なっとるね」

「うー?」


強くなっている。

これは・・・なんでだ?

俺は何か間違っていたのか?

魔石を吸収して強くなったり、肌がきれいになったりってのは魔力を吸収した結果だと思ったんだけどな。

何か他の要因があると見た。

・・・こういう時に全く知識が流れてこないあたり本当に使い勝手良くないな。


「フィニちゃんと俺たちの違いから考えるか」

「・・・言うてそんなん心あたり1つやろ」

「だよな・・・せーの」

「「寄生型精霊」」

「・・・しかないよな」

「せやろな。でも、精霊ならふーりんちゃんやてそうやろ?」

「でもふーりんちゃんは強くなるんだよなぁ・・・微量だけど」

「そら元の強さ考えたら微量でも変化するだけでもええ方やしな」

「それな・・・うん?魔力の量で変わるの?」

「え?魔石に込められた魔力を吸収する時は、自分の強さと魔石の魔力の両方の量がちゃんとあっとらんと大した効果ないんやけど・・・」

「初耳ですな」

「あれ?」


フミはそのことを自分で過去に吸収していたことで知っていたらしい。

本当にそれは聞いたことないけど、今はいいや。


「ちなみに、魔石だけで強くなるのは出来ないんですよ!」

「そうなの?」

「吸収できる量に限度がありまして、それはレベルが上がらないと変わらないんですよ」

「へぇー!」

「・・・って、人型さんが言ってました」

「台無しだよ」


自分の知識じゃないかい。


つまりなんだ、それらを纏めてみると、フィニちゃんはレベルが低いから吸収出来ないと?


「いや、もっと単純な話やと思うわ」

「おん?」

「よくよく考えたら、ふーりんちゃんと寄生型でも全然ちゃうとこあるやん」

「・・・あ」

「ふーりんちゃんは魔力食べへん」

「それもそうだわ」

「にゃ?」

「あなたの好きな食べ物は?」

「にゃ!」

「お前本当に猫か?」

「るる!」


大好物はお豆腐だそうです。まるで猫ではない。

そしてピッちゃんも猫だもんじゃない。


そういうことか、わかったぞ。

ふーりんちゃんが魔力を吸収して強くなったのは、魔力を食べるものと認識してないから。

フィニちゃんからしたら、魔力は食べ物だから、吸収ではなく食事になると・・・。


「・・・食いしん坊?」

「キュ」

「チュン!」


大きくなるなじゃないよ親バカオミさん。


はぁ、蓋を開ければそんなことか。

フィニちゃんと俺達で魔力の認識が違うんだ。

吸収・・・身に着けるって意味が違うんだな。

魚にとって、水は呼吸を行うために必要な物だ。エラがあるから、水を取り込まないと呼吸が出来ない。

だが俺たちは水の中では呼吸できない。エラがないから。

魚にとって、水は呼吸のために必要な物。俺たちにとっては水は基本的に飲み物だ。

それと同じような違いが、俺達とフィニちゃんの間にある。

これは・・・どうするかなぁ。


「フィニちゃんが認識を変えなきゃダメか?」

「えぇ?難しいんやないの?」

「やっぱり?」

「元々魔力に飢えて他の生物に憑りつくのが寄生型やで。なきゃ死んでまうってものやからなぁ」

「本能的に食べる以外の選択肢が取れないと」

「まぁがんばれば行けるかもしれんけど・・・」

「時間かかりそうですね・・・」

「その間に戦った方が効率いいと」

「せやな」

「そうですね」

「・・・解散!!」

「チュン!?」


フィニちゃんが抗議してくるが、ぶっちゃけどうしようもありません。

何か別の手段を考えなければ・・・

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