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397話

そろそろ長期のお休みが欲しい今日この頃。

お仕事の話です

「・・・暴走?」

「はい。そうとしか表現できなくて・・・」

「恭輔さんは、あの状態の時に意識は?」

「意識も何も、俺的にはずっと戦ってたってことしか・・・」

「戦っている相手に関しては?」

「・・・嫌に強いなって感じだったな」

「それはそうですね。相手はお姉さまでしたし」

「スゥー・・・」


俺に抱きしめられて、フミは寝ている。かなり疲れたようだ。

無理もない。話によれば、俺と戦っていたらしい。それも暴走していた。

魔力がかなり減っている。今まで見たことのない疲れっぷりだったな。


それに、暴走ということは『真化』も発動してたはず・・・


「ああ、『真化』はなかったらしいです」

「はい?」

「正確には。お姉さまの感覚で、弱すぎるだそうです」

「弱い・・・『真化』込みにしてはってことか」

「みたいですね。まぁ実際、私がその気になったとは言え、完全に抑え込めたのですからその通りでしょうね」

「地味に私はヨミとの差に愕然としてますけどね・・・」

「私と比べるのは間違いでは・・・?」


そもそもポヨネはヨミの分身・・・劣化体だからな。

言い方は悪いが、今の段階では勝負にならないもは当然だろう。


「どれくらいで暴走してたんだ?」

「最初は問題なかったんです。ただ、思うにデスストーカーに一撃食らったあたりから変だったような・・・」

「具体的には?どう変だったんだ?」

「えっと・・・明らかに動きが良くなっていくんです」

「・・・それはいいことじゃね?」

「その速度がおかしかったと?」

「はい。文字通り瞬間瞬間強くなっていく感じだったんです。攻撃の種類も増えましたし」

「はい?」

「魔法が増える?みたいな感じですね」

「・・・恭輔さん?」

「身に覚えがありません」


魔法が増えるって・・・ありえるのか?

いや、そらまぁ・・・魔法スキルの事を考えれば出来なくもない・・・と思う。


俺の持っている魔法のせいで、地球に干渉されている。

それは逆に、俺から干渉することも出来るってことだ。実際、それが原因で知識が流れてきている。

それと同じ手順で、俺が地球そのものの力を引き出すことが出来たのなら。

地球上に存在する属性の力を使えたのなら・・・出来ることではあるだろう。


だが、それを今やれと言われても出来ない。

そもそも、知識の引き出しだって自分の意思では出来ないんだ。

恐らくさらに上の難易度である力の引き出し、それはまだまだ出来ることではないだろう。

事実は、それを行った上で戦ってたらしいが。


「わかなんねぇ・・・一体何が」

「お姉さまは、急激なレベルアップ・・・強くなりすぎたのが問題だったのではないかと」

「・・・いえ、まさか」

「考えにくい話ではありますよね・・・」

「・・・ただ、恭輔さんの場合は人間を辞めるっていうのもありますし」

「ありえそうなんですよねぇ・・・あー美味しい」

「緊張感返せ」


何呑気にモンブラン食ってやがる。

てかどこから持ってきたそれ。


「ダメだ。集中切れた・・・」

「もうヨミ!少しは我慢してくださいよ!」

「え~?ぶっちゃけ恭輔さんが暴走しても止められますし~?」

「マジ腹立つな今日のお前」

「うーうー」

「ありがとうニホリ」

「いや恭輔さんも何頼んでるんですか」


ニホリイーツ

ショートケーキ


「でもポヨネもこれ以上何かヒントになるようなこと思い浮かばないだろ?」

「うっ・・・それはそうですけど・・・むむむ」

「わからんものはわからん」


わかるのは、あれはもう出来ないってことだ。

理由がわかればそれに気を付けつつ戦えばいいだけだが、それも出来ない。

80層でのレベリングは禁止だろうな。


何より、フミをまた泣かせそうだ。


「う?」

「・・・じゃあ貰いますけどぉ」

「う!」


ニホリはポヨネ用のケーキも持ってきたようだ。

配膳を終え、ニホリは一回に戻っていった。まだ家事があるみたいだ。


「お姉さま起こします?」

「・・・いや、まだ寝かせとく。がんばってくれたみたいだしな」

「・・・ふへへ~」

「なんかにやけてるし」

「よだれ垂れてますけど」

「まぁフミだから」

「うまうま~」


少しは興味もてや。


ケーキを食べ終え、再び話に・・・戻れない。

先ほども言ったように、これ以上原因に関係してそうなことが思いつかないのだ。

録画もしてたわけじゃないから、俺の様子を見ることでも出来ない。

俺自身もほとんど意識がなかったから、全く判断できない。


フミもポヨネも、そしてヨミも俺を止めるので精一杯で詳しく観察する暇なんてなかったみたいだし。


「・・・そういえば」

「お、何かあったか?」

「お姉さま、途中で恭輔さんみたいなこと言ってたような?」

「俺みたいなこと?」

「はい。急になんでそんなこと知ってるんですか?ってことを」

「・・・まさか」


俺に起きてる現象が、フミにも起きる。

これは、『昇華』の時にもあった。あの時は、情緒が不安定になるってだけだったが。


それと同じように、知識の流れがフミにも起きた?

いや、何か違うな。あれはそういう物じゃない気がする。もちろん、出来ないことはないのだろうが。

今の時点で起きることじゃない。俺が暴走した程度で起きる現象じゃ


「ごめんなのだわ。あれは私なの」

「・・・いい加減慣れたな」

「あら、いい事だわ」

「あら女神様おはようございます」

「おはようヨミちゃん」(チラチラ

「・・・ケーキ持ってこさせるから待ってて」

「2つお願いね!」


1個はお土産かな。


はぁ、どうせ来ると思ってたよ。

明らかに、俺に異常な現象が起きてたみたいだしな。来ないはずがない。


知識の引き出し・・・そして時々来る流れ。

俺があれをコントロールできるようになって始めてフミ達に影響が出るのだろう。

今はまだ、繋がりが薄いのだ。

だから、フミにそれが起きるってことは、何かしらの補助があるってことだと判断したが・・・


まぁ正解だったな。てか、これはわかってたことだ。

ていうか、途中で知ったんだけど。

ああ、確かにひどい暴走をしてたみたいだな。今特に意識してなくても簡単なことなら答えが浮かぶ。

今まで意識してても自分の意思では何も起きなかったのに、目の前で起きたことならわかるぞ。

・・・まぁ、本当にさわりの部分しか見れてないが。


「それは止めてるから。見れても困るの」

「どうせなら全部止めてくれませんかね」

「それは無理よ。そこまで制御できないのだわ」

「うーうー」

「わぁ!今日はいろんなケーキがあるのね!」

「う!」

「自信作!悩んじゃうわぁ・・・」


てか何種類作ったんだニホリよ。

俺達が既に全部違う種類のケーキ食べてるから、これで5種類目だぞ。

そういうブームか。ケーキブームか。

ところでなんで3種類持ってきた?


「う」

「・・・むぅ~・・・ぽえ?・・・むふ~恭輔~」

「・・・よくわかったな」

「う!」(ドヤ


なるほど、フミが起きてくるのをわかっていたのか。

だからフミ分のケーキもってことか。


女神は、ここではケーキは食べないらしい。持って帰って、一緒に食べるのだろう。

ニホリに包むようにお願いしている。


さて、いい加減解説いただきたいんですけど。


「さて、じゃあどこから説明しましょうか?」

「全部・・・といいたいけど、俺がなんで暴走?してたかだけでいいわ」

「あら?いいの?」

「後は何か・・・大体わかる。不本意だけど」

「・・・まぁそうよね。当然わかるわよね。なら、短く行くわね」


暴走の原因。一番大きいのはスキルの急激な強化・・・つまり、俺とスキルが適合したことで起きたってことらしい。

地球との繋がりが強まった。そこまではいい。その中で、俺がより強く、より上手く戦おうとした結果。

足りない物を補うために、地球から無意識に力を引き出した。

だが、それは所詮足りないもの。今の俺では足りないから使えない力。

そのせいで、見事に暴走。戦い中で意識が飛び、気絶状態でフミと戦い始めた。


「つまりは、俺の不注意?」

「まぁそうとも言えるのだわ。極端に言うとだけれど」

「いや、あれはそうんなもんやないやろ」

「フミ?」

「明らかに、使えない力を使った結果だけやない。あれはそういう領域やない」

「・・・あれ?もしかして見ちゃった?」

「少しだけな」

「何を見たんだ」

「・・・そやな。この女神の力の源・・・やな」

「はい?」

「確かに足りんから暴走は合っとる。やけど、それだけやなくてそもそも使うと暴走するようになっとる・・・ああいや、使えへんのか」

「正解・・・なのだわ。地球の力そのものなんて使えるわけないの」

「・・・いや、お前が言ったんだろ」

「正確には、地球の一端を、私が調整した部分・・・それが本来あなた達が使う力なの」

「コップに海の水は全く入らん。それでも無理に入れようとしたら、コップが割れるやろ」

「ああ、わかりました。そもそもの規格が違うと」

「そう。母なる大地の力・・・たかだか人間と神には使えないのだわ」

「・・・え、結局俺の暴走原因って何」

「使うことを想定されていないソフトを無理やりパソコンで動かした結果・・・が近いですかね」

「わかりやすい」


それは確かに不具合が出る。

最初はそれでも動くかもしれないが、時間が経てば不具合が大きくなる。

ああ、まさに俺じゃないか。

最初は普通に戦えてた。それが徐々におかしくなっていき、最終的に暴走した。


「その・・・地球そのものと繋がったのは、俺のレベルが急に上がったせいか?」


そこだけは何もわからなかった。

知識として全く流れてこない。多分女神が止めているのだろうが・・・


それを聞くと、女神は少しだけ目を細める。


「・・・正直わからないの」

「・・・は?」

「なんやそれ?あんたが恭輔に与えたもんやろ」

「そうなのだけれど・・・わかりやすく言うと、私があげたのは、私が作った領域への接続権だけ」

「ふむ。地球そのものと繋がるようにはなってなかったと」

「そもそもなんで恭輔に嘘ついたん?最初から言えばよかったやん」

「それじゃあちょっと遅れるかなって思ったの。意識してもらうなら、地球そのものって意識の方が強くイメージ出来るでしょ?」

「そらまぁ・・・」


女神が作った領域と言われても、正直全く想像が出来ない。

逆に地球と言われたなら、まぁある程度は想像できる。

そして、その方が都合がよかったと。


「んで、何故か本物と繋がったと」

「そうなの・・・理由は不明。すぐに行けなかったのも、こっちで何とかあなたを戻せないかって試してたの」

「ああ、だから終わり際に恭輔さんが正気に戻ったんですね」

「・・・まぁそうなのだわ」


何か隠されたな


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