388話
ポヨネに怒られたから普通にも戦いました。
始めに一匹でいるワニを探す。
見つけ次第陸地にそいつを誘導して、皆とタコ殴りです。
ただワニも馬鹿ではないので、陸に俺たちがいると口を大きく開けてまとめて食べようとしてくるのだ。
その場合は俺が石柱を数本作り出して閉じられないようにする。そして誰かしらの攻撃で倒す。
口が開けっ放しになるからどの攻撃でも十分通用するから楽だな。
明らかに恐怖を覚えるモンスターだが、負けることはないな。
俺にとって怖いのはそういう怖さじゃなくて、もっと隙の無い感じの奴だな。
ティラノとかは体も大きいし、威力も高いが隙が思ったより少ないのだ。あれと比べてしまうと、戦うのが楽だなぁとか思ってしまう。
ちなみにワニのドロップ品は皮だ。鰐皮って高級なんじゃなかったっけ?
どの点で価値が生まれるのかは知らないけど。
カモメは羽根だったな。それも1匹から数枚手に入った。だから群れを倒すと大量に手に入って回収が大変なのよね。
「それにしても階段がねぇ・・・」
「うー・・・」
海での移動手段は最近戦闘で全く出番のない『植物魔法』・・・もとい『グリーンエレメント』さんの出番だ。
木を生やして、コロちゃんが整える。それをさらに蔦で縛ってイカダみたいにしている。
ポヨネの結界を下に張るってのもあったが、下が見えて落ちかねないのでこうなった。
当然だが、こうして海上を移動していると普通に上から下から襲われる。カモメは群れだし、ワニはイカダ事かみ砕こうとする。
ぶっちゃけこれは非常に危ない。ではどうするか。
「ぴぴー!!」
海中で自由に移動できるすらっぴが暴れるのだ。
すらっぴの『溶解液』は非常に有用なのはわかっていた。だがここまでとはって感じ。
海中にいるワニを見つけ次第目に溶解液込みの水のレーザーをぶつける。
するとワニが痛みで大暴れする。海が荒れるのでニホリが『浮遊』でイカダ事俺たちを浮かしてそれを回避。
その間にすらっぴが目から体内に侵入。中で溶解液をまき散らしながら水のカッターで切り刻んで倒すというやり方だ。
海中でのすらっぴの移動速度は『水魔法』の応用でものすごく速い。
もはやそういう魚雷かと。
ワニも完全にすらっぴを捉えることが出来ないから、一方的な戦いになっている。
時々褒めてほしくてイカダに跳び乗ってくるが、褒めてあげるとさらにテンションを上げて爆走すると。
あのワニに対してすらっぴだけで2分くらいで倒せてるな。
ここの階層はすらっぴ無双ですなぁ。
カモメは・・・まぁ強敵でもなんでもないしな。
バトちゃんが一ひねりですよ。
「・・・マジで階段ねぇ」
「うー・・・」
「ふわぁ~」
「ないですねぇ」
問題はそこだ。階段がない。
陸地はいくつか新しく見つけているのだが、そこには何もない。
本当に砂浜だけってのが多くってな。ヤシの木はいくつかあったけど。
あ、後貝殻拾った。嫌に綺麗だったから拾ったけど、これも何かあるのかね。
「まさか海の中か?」
「いやそれはないわ」
「ないですね」
「確か・・・ここも跳んでもうたからなぁ」
「ああー」
「でも絶対島にはあったで!」
「その島何か特徴なかった?」
「えー?タダの島のはずやけど・・・うーん?」
ヒントがなさ過ぎてやばい。
毎回層ごとにわかりやすい目印があったのにここ何もないんだもんなぁ。
しかも皆大して戦えないから飽きちゃってるし、ふーちゃんとかしーちゃんの毛に潜り込んで寝てるし。
ここ日照りカンカンなんですけど
「暑くないんですか」
「クゥ~」
「めぇ」
割と通気性はいいらしい。ふーちゃんは暑いって。
イカダを動かすのは俺のゴーレムなんだが、久々に活躍してるなこれ。
正確にはゴーレムと同じ原理で勝手に動くオールなんだが。
加速する時は蔓を纏めて帆にしてバトちゃんに風で後押ししてもらうっていうやり方。
そしてかれこれさらに数十分ほどそういて大海原を進んでいると、ようやくフミが思い出してくれた。
「あ!そや思い出した!」
「ん?ヒント?」
「あれや、火山があったんや確か」
「火山・・・え、あれか」
「ほ?・・・あれやな」
「うー・・・」
ニホリは巨大だというが、確かに大きいだろう。
てかなんで火山。
・・・もしやイメージはハワイか。
まだ数キロ離れているはずなのだが、前に登ったことのある富士山より大きいんじゃないかあれ。
ふむ。まぁフミの思い出しとあれだけ目立つ物があるってことは、十中八九あれで当たりだろう。
「バトちゃーん」
「きき!」
必殺バトちゃん式加速。
もちろん普段の移動に比べるとそれでも遅いが、十分な早さだろう。
火山のある島までたどり着いた。既にモンスターは2種類見つけたから、ここには何もいないと思われるが念のため慎重に。
やはり火山なのだろう。匂いが変わった。
「・・・ワプ」
「コロちゃんは嫌だろうなこれ。ほれ、なんかいいにおいのする木だぞ」
「ワフ」
「そういやこれ何の匂い何?」
「うー?」
「腐った卵ではないんだけど・・・硫黄だな、温泉でもあんのか?」
「・・・温泉ってあれやな、入浴剤の」
「それの本物バージョン?って感じ」
「ほぇ・・・」
「・・・まぁここじゃなくて違うところのは今度連れてくわ」
「えへへ」
くそうちの嫁可愛い・・・ってそうじゃない。
まぁ温泉があろうとなかろうと関係ない。
今は階段ですよ。
砂浜から岩山へ、徐々に足元が険しくなってきた。
大体火山の中腹あたりでいつもの階段を発見。よかった、山登りは大したことなかったな。
まぁすぐには入らないんですけど。
「ここのてっぺんも見とかないと」
「え?見るん?」
「見る見る。まぁ俺とバトちゃんとピッちゃんで行ってくるよ。飛んでさらっとな」
「うちは留守番でええの?」
「念のためな。最悪俺達なら大体の敵は逃げられるし。フミがいてくれた方が安心するし」
「・・・ワン」
「海の中だとどうしようもないだろコロちゃん」
「・・・ワフ?」
「犬かきでどうすると」
無茶言わないの。
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