384話
少し長め・・・というか、これくらいを平均にしたい
「ふーちゃん♪」
「クゥ~♪」
「何で俺に巻き付く」
「クゥ」
気分かぁ・・・仕方ないな。
「いやええんかい」
「まぁ質問に支障はないから」
では行きましょう。
ふーちゃんのスキルと言えば『火魔法』・・・じゃなくて『豪炎魔法』だな。
そしてフミと同じく『変化』だ。
『変化』に関してはフミと同じことだろうからいいんだが、ふーちゃんが魔法を使う時のイメージ、使い方に関しては面白いかもしれない。
「ふーちゃんってバトちゃんと違って動かないけど、どうやってんの?」
「クゥ!」
「ほほう」
基本的にふーちゃんは火の球を出す魔法とベースにしてるなとは思っていたが、どうやらふーちゃん自信のイメージの問題だったらしい。
火炎放射のような形だとどうしても形を掴みにくい。火力を上げにくいんだそうだ。
そこで考えたのは火の球。自分で生み出した火を圧縮。それを相手に向けて操作して攻撃する魔法がメインになっている。
あと尻尾の動きに合わせて操作も出来るから、体はあんまり動かなくて楽でいいとかなんとか。
「なるほど尻尾か」
「恭輔が指で動かすようなもんやな」
「やったことないけど・・・確かに操作性は良さそう」
俺の動き・・・腕を動かしたり大きな動きが多い。
だから、使う魔法もそれに合わせて規模を大きくしている。小さい魔法だと、動きに上手く合わせられない感じがするんだよな。
指でやったら小さい魔法もちゃんと動かせるかもな。
問題は俺がそんな魔法使うことってほぼないってことなんだけど。
「あれよね。俺の魔法そもそも規模がデカいっていう」
「・・・せやな」
「・・・クゥ」
なんていうか・・・数も範囲もでかいって言うか。
とにかく派手なんだよな俺の。大質量を敵の上に落したり。地面ひっくり返したり。
「うん・・・まぁ考えるか。ありがとなふーちゃん」
「クゥ~」
「お次は・・・ピッちゃん!」
「る!」
「にゃ!」
「ぐぅ!」
「多いな」
まぁそうなるよね。
ピッちゃんと言えば精霊でしょう。
『無属性魔法』もあるが、やはり精霊でしょう。召喚と喚起を行えるピッちゃんはそちらの方面に特化していると言える。
実は『無属性魔法』は持っていることに意味があったりするのだが。
「まさか持っている魔法で精霊の属性が決まるとはな」
「ほんまになぁ」
そうなのだ。『火魔法』を持っていれば精霊も火属性にと言った感じになっているらしい。
これは人型から聞いた話だから確定だろう。
ピッちゃんの場合、無属性だから何の属性にも依らない特殊な精霊になっているらしい。
何かしらの属性に依ると、環境によっては活動出来ないってこともあり得るから汎用性って意味なら抜群だそうだ。
「んで使い方なんだけど・・・魔法だけかなぁ」
「るる~」
うん、そうなんだよね。
精霊に関するものはなんというか・・・使うってものじゃないんだよな。
召喚する行動は必要なんだけど、これは普通に魔法を使う感覚と同じだと前に聴いたことがある。
意識して名前を呼べばそれだけでもよべるんだそうだ。これだとちょいと参考にならない。
そんなわけで、分類的には魔法に当たる『無属性魔法』の使い方について聞くことに。
「るる!」
「はい?体の底からエネルギーを出すイメージ?」
「る」
むむ?またなんか毛色の違う感じの物が・・・
どういうことか聞いてみる。
「エネルギーって・・・魔法の形とかのイメージないの?」
「るる?」
「んんん???」
「・・・あ、そや。そらそうやわ」
「うえ、どういうこと?」
「無属性やと形ないんよ」
「・・・??」
「何て言うんやろうな。無ってことは、本当になんでもできるんよ」
「・・・俺も形だけなら何でもできるけど?」
「でも揺らめいたりはできひんやろ?」
「そら固形だし・・・ああー」
なるほどそういうことか。
俺達の魔法と根本的に違うということか。
俺達の魔法は属性によったそれぞれの形がある。
火とか、風とか。なれるものとなれないものがある。火や風は固定できないし、水は液体だから風の様にはなれない。
だが無属性はその限りではない。使用者のイメージ次第で何でもなれる。
風の様に早く、水の様に流れ、土の様に強固に。ピッちゃんはその時その時の状況に合わせて形を変えているから、特定のイメージを持って魔法を使わないってことらしい。
「そんなすごいことしてたのかお前・・・」
「るーる♪」
「見直したわ。飴舐める?」
「るる!」
なるほど、魔法と言ってもやはり無属性は特殊だな。なんというか、常識に全くとらわれていない感じがすごい。
これは勉強になるな・・・
「ありがとなピッちゃん」
「るる!」
「にゃ?」「ぐぅお?」
「お前らスキルないし、なんならスキルの効果そのものと言うか」
聞くものではないよねっていう。
続きましてしーちゃん。
流石に部屋にいないので庭まで行くことに。ユニちゃんもそこだから、続けていくか。
「はいはいしーちゃん」
「・・・めぇ?」
「え、いや。挨拶」
「めぇ」
しーちゃんに出会ったらとりあえず抱き着くっていうニホリ流挨拶。
しーちゃんのスキルは『増毛』・・・といいたいが『轟雷魔法』だろう。
雷を操る非常に強力な魔法だ。強すぎてちょっと最大規模がよくわからないくらいにはやばい魔法だ。
ぶっちゃけ、敵になったら非常にやっかいなのはしーちゃん。
しかもしーちゃんってその種族全部が雷持ちだから死ねる。
特殊個体な上に強力なスキル持ち。うちの中でもかなり強い部類の子だ。
タイマンだとコロちゃんには劣るが・・・コロちゃんがおかしいだけだから気にしない気にしない。
「んで?最近どうよ」
「恭輔違う違う」
「おっと」
「めぇ?」
「そうそう。スキルのこと」
自分の体に直接影響のあるスキルを持っているから、その使用感覚とかもしたかったりするのだ。
何気に注目されてるスキルだからな『増毛』
・・・まぁ世の中には悩んでいる人もいるってことよな。
「まず『雷魔法』からいこうか」
「め?めぇ」
「ほほう?」
「ほ?ずいぶん変わっとるんやな」
毛の中で雷を増幅させるイメージときたか。静電気の超強化版ってことか?
増幅させて雷を上空に撃ちだし、その雷をさらに空中で増幅。それが雷の魔法の正体らしい。
直接上空で魔法を発動させているわけではなかったようだ。
「でもそうなるとものすごく増幅スピード早くないか?」
「めぇ?」
「めっちゃ毛が擦れてるイメージが俺の中に」
「めぇ~」
「あ、なるほどそういうことか」
所詮イメージ。あくまでも雷を増幅させるためのイメージに過ぎない。
だから本当に毛の中で雷が増えているわけではない。てか、そうなるとしーちゃんの周囲に近づけないし。
ただ、雷を落とす際には実際に雷を少しだけ上に撃っているらしい。
後に続けるためのきっかけに過ぎないので、直接撃ちだす時の雷に比べれば本当に些細な威力しかないが、それでもきっかけにするには十分らしい。
「魔法って一口に言ってもいろいろあんな」
「尻尾やったり羽やったり個性てきやね」
「じゃあ『増毛』は?」
「???めぇ」
「え、意識ゼロ?」
「伸ばそうと思えば伸びるちゅうことやな?」
「めぇ」
「むむむ?」
そんなあっさり風味でいいのか?
毛を伸ばすイメージがそもそもわからんのだが。
「めぇ!」
「ああ、自分の毛が長い時のイメージか」
それならわかりやすいな。自分の恰好を想像した結果になると考えていいな。
むむ?となるとやっぱり人間の場合にも効果ありそうだよなそれ・・・
まぁそこらへんで悩んでいる人がスキルを手に入れるのって何年先だって話はあるんだが。
しーちゃんが自分以外の毛を操れるようになるのが速いんじゃないか?なれるかしらんけど。
「ふむ・・・まこと興味深き。ありがとね」
「めぇ~」
「続いてユニちゃん行きましょう」
「!!」
「元気」
元気です。
ユニちゃんのスキルは『分身』オンリー!
角生えたりできるけどスキルはそれだけだ。
ねっさんの『分身』と使い方が違うから、そこの差は気になるな。
「どうなんでそうか」
「!!」
「そっくりそのまま自分を増やす・・・うーん。やっぱりねっさんと違うな」
ねっさんは仲間を連れてくる。ユニちゃんは自分を増やす。
イメージ的にはユニちゃんが正統派な気がするな。ねっさんのは自分の種族の特性と数を増やすっていう面に集中した結果だろう。
そこの差は大きいかもな。実際の『分身』の効果に差が出てるわけだし。
「??」
「うぃ。ありがとうなユニちゃん」
「・・・」(スリスリ
「おおう・・・ユニちゃんやっぱり力強くなったな」
「恭輔がちょいと押されるくらいやからよっぽどやな」
「負けないぞ?」
「何に張り合っとるんや」
育ての親の意地ですよ。
さぁラスト行ってみましょう。
家事の関係で後回しにしてました。
「ニホリー」
「うーうー」
「お、ちょうど終わったのか。今日のご飯は何?」
「う!」
「・・・食べたことなかったかも」
キッシュ・・・名前は聞いたことあるけど食べたことないな。
「って今は違う違う。ニホリのスキルの話よ」
ニホリのスキル・・・何気にいっぱいあるよな。
『浮遊』『強化』『幸運』よく使う3つに『魔力吸収』は・・・あれはニホリが常に発動させてるからな。止められるのかも知らんわ。
戦わないし、増やしてもないんだが4つある。戦う子達を優先してるから、元から持っているスキルのみって考えると、やっぱりニホリは特別だよな。
問題があるとすれば・・・
「使用イメージとかある?」
「・・・う」
「だよねぇ!」
「あーやっぱりないんやなぁ」
ニホリがスキルを使う時、明らかに何も考えてない時があるなとは思っていたが、やはりなしか。
正確には『強化』と『幸運』を使う時にはイメージがあるらしいのだが、最も使う『浮遊』は無意識でも使えてしまうそうだ。
まぁそれもそうだよな。俺たちのスキルとは比べ物にならないくらいの使用頻度がある。
日常生活で使い続けているし、家事で活躍してるし。
『強化』と『幸運』の使用イメージはゲームだそうだ。
使う、とイメージして、そこから対象を決める。それで使えるらしい。
だからイメージと言われても・・・ねぇ?だそうだ。
「なんかこれはそういう仕様だと思った方がよさそうだな」
「ただでさえ特殊なニホリに、特殊なスキルっぽいからなぁ」
「あ、やっぱりそうなの?」
「正直、うちが『強化魔法』なんぞ持っとるからニホリの『強化』を聞いた時はあれ?とは思たんよ」
「あー」
まぁ自分が魔法として持っているスキルをそれ以外で持っているっていうのは・・・変だな。
俺の場合は『土魔法』から魔法の文字がなくなったけど、あれは強化されていった結果だしな。
「まぁフミも十分変わってるんだけど」
「・・・まぁ否定はせんわ」
「・・・まぁ俺も変わってるんだけどな」
「・・・否定できんなぁ」
「うー!」
お揃いなんだけど、あれだニホリ。ちょいと違う気がするわ。
「はい。うちの子達のスキル使用感覚報告書類」
「おう、すまんな。・・・やっぱり個性的だな」
「まぁ人間じゃないってのもあるだろうけど、それだけ自由なイメージでいいってことだし」
「そうだな・・・ところでいいか?」
「うん?」
「実は魔法スキル持ちが増えてな」
「ほ?ずいぶん幸運な。分けてほしいわ」
「1人だったらお前の手を借りるのもあれだと思ったんだがな」
「・・・まさか?」
「そのまさかだ、魔法講座してくれ」
「おっふ」
マジか
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