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382話

長めです。きりが良くしようと思ったらこうなりました。

ペット全体の特徴なんだが、誰かに構ってもらえるとわかると急に吠えたり鳴いたりってことがあるのは経験がある人も多いのではないだろうか。

うちの子達で言うと、まぁ遊んでほしい時は自分から来るからあれだが。

だがそれでも、俺が見てるとわかるとなにー?ととことこやってくるのは大変愛らしい。

これはフィニちゃんがわかりやすい。


毛づくろいしてる時とか・・・


「・・・」(ツンツン

「・・・」(ジー

「・・・チュン?チュンチュン!!」


こんな感じで寄ってくる。指を差し出せば乗ってくるし時々甘噛みしてくる。

生まれたころは手に乗せてご飯食べさせてたから、その時の名残で手に乗ると何もないの?と首を傾げる。


ともかく、こんな感じに人間に構って貰えるとわかると、特に小さい子はわかりやすく反応する。

例外は猫だろう。猫という生き物は全体を通して気まぐれで、子供のころからそういうパターンもある。

もちろんそういう子が構って欲しいサインを出すと俺はあまりの可愛さに苦しみながら遊ぶ。


さて、なんでこんな話をしたかというと、コロちゃんの事なのだ。

コロちゃんと言えば、うちの動物モンスターメンバーの中でリーダー的存在。

コロちゃんの一言があればいくらみんなが喋っててもお喋りを中断するくらいには一目置かれている。

フミですらコロちゃんには頭上がらんというくらいには。

ではコロちゃんの構ってサインはなんでしょうか。


「・・・」

「・・・」

「・・・ワフ」

「俺の上は楽しい?」

「ワン」


これである。

俺が朝起きた時を見計らって、体の上に乗ってくるのだ。

起きる直前に、あ、重いなって思ったらそういうこと。

この日はコロちゃん優先で構ってあげるのがうちの決まりだ。何故なら、普段はコロちゃんが一歩引いてみんなに譲ることが多いから。

この話は前にもした気がするな。


ところでだが、コロちゃんがリーダー・・・じゃあ一番コロちゃんを慕っている子はだーれだ。


「「「「「わん!」」」」」

「君らも?」


そうです。ルミネの子供たちです。

そらそうだよね。コロちゃんがやってたらそら真似するよね。この子達が来てからは始めての時は何してんの?って感じだったけど。

ところで楽しいのだろうかこれ。


「ほれほれ、今日はコロちゃんの日なの」

「「「わん?」」」

「優先順位です。普段はみんなと遊んでるでしょ?」

「わん!」

「うーん聞いてない・・・仕方ない、ねっさん!!」

「「「「「「「「「「ちゅちゅちゅ????」」」」」」」」」

「いや多い」


対子犬用対策ネズミねっさんです。

なんでって、この子達子供だからね。めっちゃ数増えたねっさんの方が興味を引くからね。

ほら、さっそくそちらにダッシュしていったよ。


「・・・よし。ほれコロちゃん。今日は何?」

「ワン!」

「ういうい」


こういう決まりはうちの中での決まりってだけだが、躾って意味ならちゃんとしなきゃいけないな。

















「おおー、遂に新人組にもスキルが」

「ああ、しかも今までにない魔法でな」

「おん?」

「氷魔法だそうだ」

「あらまオサレな」


あったんだな氷魔法。いくつか魔法持ってるのに氷だけまったく出なかったからどうなんだと思っていたが。

まぁあるならあるでいいだろうな。便利そうだし。夏とか。今年の夏終わったけど。


「藤岡さん達の班?」

「ああ、まぁちょうど良かったと言える。藤岡さん自身が魔法持ちだからな」

「炎だけど大丈夫なの?」

「そこはむしろお前の経験を借りたいんだがな」

「ん?」

「お前がみんなに魔法のコツを教えたんじゃないのか?」

「すらっぴ達にってこと?」

「そうだが」

「いや全部みんなの感覚だぞ」

「何?」

「モンスター組の方が呑み込み早いみたいなんだよね。実際ふーちゃんは練習しないと技増えないし」

「すらっぴやバトちゃんは違うと」

「なんか知らんうちに技編み出してるっていうか、その場で必要な技を思いついたらそれが感覚的にパッと出来るんだよね」


てかそこに関しては俺もそうだな。練習しなくても出来るが、そこまでのクオリティでは撃てない。

だからこそ練習するんだが。それも基本的な動作の反復練習とか、やったことのないタイプだったら規模を小さくして繰り返すとかになるしな。


「そう言う意味では、氷魔法の練習はまだ楽そうだけど」

「そうなのか?」

「まずは手に氷を生み出すことをずっとやるっていう」

「・・・そういえばお前もやってたな」

「あれ別に魔法に浮かれてたわけじゃないんですよ」


てかそうやって日頃から使わないとレベル上がった時に魔力増えないしな。そういう意味もあったんですよ。

地味なのは大いに認める。ちなみに俺が手のひらサイズの土人形(コロちゃん)を作る隣でふーちゃんも練習してたりする。

今も時々やってるくらいだ。そうすると他の子も来るけど。


「つまり何度も同じ動作を繰り返すのが良いと」

「それしか知らない」

「まぁお前っていう実績なら問題ないだろう。そう伝えておくよ」

「うーい」


どうせなら一回くらい見てみたいけどな、氷魔法。

あれだよ。お前は死ぬ的なあれを見たい。







「あれ、珍しいやんゴーレム作っとるなんて」

「最近ぱったり使わなくなってきたから。荷物運びくらいだし」

「なんかあったん?」

「いや、氷魔法が見つかったらしくってな」

「ほー、そんなんあったんやな」

「そこで人間の場合の魔法の特訓ってどうするかを思い出すためにちょいとね」

「そういうことやったんか。んで?思い出せたん?」

「俺多分これ始めたのって『精密操作』覚えてからだから意味なかったわ」

「ああ・・・」


研究所から帰ってきて、ちょいとやってみるかと思っただけなんです。

時間の無駄でしたな。

庭に並ぶ土ゴーレムたちを見て思う。


だが実際のところ、『精密操作』はなくてもゴーレムっぽい魔法は出来るだろう。

あれって結局のところ魔力の操作に関しての補助ってだけだし。練習していけばそのうち出来るようになる。

戦闘では最近使ってないが、まぁやって損をするものでもない。やればいい感じに強くはなるしな。


「・・・そういやさ」

「なんや?」

「フミって魔法スキル持ってんのか?」

「あれ?聞くんかそれ」

「うん」

「いや・・・うーん。ここまで来たからには自力で見てほしいんやけど」

「むむ。そうくるか」


まぁ俺の予想だと持ってないんだけど。

仮に持ってたとしたら俺の助けてもらえるかなって思ったんだが。


「助ける?何かあったん?」

「いやな?そもそも氷魔法ってどこで見つかったと思うよ」

「そらダンジョンやろ」

「どこの?」

「どこのってそら・・・あれ?」

「だよな。そこに気づくよな」

「・・・新人たち潜っとるの新しい方やんか」

「そうなんですよ」


新しいダンジョンにはボスが10毎にしかいない。

だがそこまで彼らはまだたどり着けていないのだ。藤岡さん達が行って取ってきたというのならわかるのだが、そうでもないらしい。


ダンジョンに潜る冒険者の決まりがある。

手に入れたスキルスクロールは、パーティメンバーで相談して、パーティ内で使うこと。

つまりは三崎さん達が手に入れた場合はそのスキルスクロールは藤岡さん達のチームは使えないということ。

パーティ内で誰に使うかはパーティ事で違うだろうがな。


まぁそんなわけで、新人達の現在パーティを組んでいる藤岡さん達は10層まで行けない。

そしてスキルを藤岡さん達のメンバーが手に入れたということは・・・


「「普通の階層のどこかに宝箱があるってこと」」

「・・・先越されとるやん」

「まぁあっちに関してはそこまでって感じだったしな」


10層以外ののボス以外で宝箱が普通に出てきているってことになる。

俺が回った回った時にはかけらも見当たらなかったが、恐らく隠されているのだろう。

それも常にあるって感じじゃないのではないか。運が良ければ、どこかの階層で出てくる。

そしてそれは一定時間で消えていくと。


「そして中身がスキルスクロール固定だったら?」

「え?それは流石にないんちゃう?」

「どうだか。ダンジョンに潜らせる上で、スキルがあった方がやる気出ると思わない?」

「・・・それはありそうやな」


いつまでたってもスキルが手に入らなくても、金になれば潜る人間はいるだろう。

それでも、何かわかりやすい力・・・スキルが手に入ればより張り切ると考えるのが自然だろう。手に入れた力は試したくなるものだ。

ほら、ゲームで強い武器とかキャラ手に入ったら使いたくなるじゃない?それですよ。


「もしかしたら、スキル箱とか武器箱とか分けられてたりな」

「聞いたらええんちゃう?」

「いや、教えてくれないと思うわ」

「その心は?」

「だってあいつらまでに俺に教えてくれない事多いんだもの」

「えぇ・・・」

「実際聞く気もないしな。そういうのは自分で見つけないと」

「相変わらずなんやなそこは」

「そらな。俺のモチベーションだし」


未発見を探すってのは非常にいいのだよ。

ロマンがあるってのはそういうことだ。


まぁそんな考えを親父に伝えたところ、すぐにあることに取り掛かるように言われた。

そう、スキルの使い方をまとめること。ようするに、スキルの教科書を作れってことだな。


「ああーだから助けてと」

「ぶっちゃけイメージのみで使ってるから穴あきになりそうでな」

「恭輔だけでやるん?」

「いや流石にな。姉ちゃんたちも自分の使い方をまとめてるよ。

「ふむふむ。となるとうちに聞いたんわ意見を求めるーいうこっちゃな?」

「YES。魔法に関してはあればそれの意見としてまとめなきゃいけないから」

「そう言うことなら教えたるわ」

「あらいいの?」

「恭輔の楽しみにーって思っとたけど、その恭輔のためになるんなら当然教えるで!」

「ありがたやー」

「うちの魔法は『強化魔法』や!!」

「・・・おお?」

「あ、なんかピンと来とらんな」

「それニホリの『強化』と何が違うんだ?」

「んーまぁ簡単に言うと強化できる範囲がちゃうんよ」


まずニホリの『強化』について、これは全般的な強化になる。

主に肉体面の強化に偏っているのだ。


対してフミの『強化魔法』これは肉体面の強化以外にも様々な物を強化できる。

例えば、フミが『強化魔法」で木の枝を持てばそれだけで最強の硬度を持つ枝になる。

カッターを持てば、それがあっという間に業物に。何でも切れる刃物の誕生だ。


「えっぐ」

「まぁその分うちが強化できるんわ無機物よりなんよ」

「肉体面ではニホリのには劣ると」

「そういうことや。気がついとらんみたいやけど、恭輔の服も強化してあるで」

「ほ?」

「やって恭輔あのまんま動いとったらすぐにボロくなるで」

「マジか」


何気に恩恵を受けていたことが判明しました。

よくよく考えたらそうだよな・・・俺ティラノの炎とかギリギリで避けてたり腕で攻撃受け止めてたりしてるのに服・・・てか防具か、全く交換とかしてないわ。

武器は速攻で使い潰すのに・・・うん?


「何故に武器には使わず?」

「使っとるけど先に恭輔が潰すんやもん」

「おっふ」

「それに使い始めたん恭輔んところ来てからやし。うちのスキルの中じゃダントツで弱いんよ」


そうなのか・・・まぁ確かに納得できる。

フミは元々強いし、着ている服だって『変化』があるから自由自在だ。

強化の意味がないのだ。武器も持たないで戦うし、一緒にいたヨミにも必要ないとなると、そら使い道ないわな。

使わないってことは、それだけスキルが育たないってことだ。

俺が先に使い潰すってのは・・・あれだね『真化』の上昇で間に合わないんだな。


「それにしてもそんな魔法もあるのか」

「まぁ意外と変な魔法もあるみたいやで?ほれ、恭輔も見たことあるやろうけど、黒い球撃ちだす魔法とか知らんやろ」

「そういや知らないな」

「なんちゃら魔法ってのは・・・まぁあれやな、うちらも知らんの多いで多分」


ニホリは知っとるんやろうけどなぁと、フミは体を伸ばして言う。


ふむ、確かにニホリは知識を与えられ、俺に助言するための存在。知っていてもおかしくないだろう。

俺が聞く気がないからその方面での活躍はあまりないが。


フミの知識は経験に基づいたものだから、どうしても偏りが生れる。

『鑑定』を持っているヨミの方が物知りなくらいだろう。

まぁ聞く気はないんですけど。


「よし、じゃあそろそろ書くか」

「うん?・・・ああ、まとめるんね」

「おう。手伝ってくれ」

「はいなぁ」

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