380話
夜遅く帰るとうちの家のインコが寝ているので構えないという
「最近みなさんにみーちゃん達をお披露目したんですけど・・・」
「ああ、したんですか。どうです実際」
「・・・大人気すぎて逆に大変で」
「えぇ・・・」
どうしてそうなるんだ・・・?
親父と色々話した後、ポヨネを母さんから回収して食堂に。
今日は珍しく本当にポヨネしかいないからご飯もわざわざ用意してもらわなくてもいい。
すると食堂で何か書いてる三崎さんがいたからなんとなしに話かけてみることに。
そしたら面白い話が聞けたよね。
「人気なんです?」
「まぁうちの子はなんというか・・・」
「比較的小動物多めですよね」
「ええその通りで。みーちゃんも人気なんですよ?」
「わかってますよ。あの人懐っこさですから」
「まぁそこはいいんですよ。ちょっと皆さんの集中力が削がれてるのは問題ですけど」
「まぁ・・・今ってどこなんです?」
「あたらしい方の5層です」
「ゆっくりですね」
「まぁ急ぐ必要はないですから。それに、必要な物も集めないといけませんし」
「あー」
俺がその辺バックレてるからな今。
フィニちゃんやらハクコちゃんやらルミネやら、面倒を見ないといけない子が一気に増えた。
だからダンジョンに潜る時間というのは相対的に減った。その弊害じゃないが、俺が供給しない分はそっちに回っているってことなのだろう。
魔石に関しては時々前のダンジョンに潜って大量に手に入れてたからそれは間に合ってたみたいだが。
そもそも魔石に関して、俺が取ってくるようなサイズと質の魔石は微妙に需要が減っている状態だ。
何故か。簡単に言うと、そもそもの魔石が求められていた理由が関わっている。
魔石の利用価値というのは、研究を進めていけば進めていくほど上がっている。
その中でも特に人々が求めたのは人体での使用のパターンだ。
魔石の影響を受けた世界初の人類はうちの母さんだったんだが、その時のデータは既に公開されている。
まぁ簡単に言うと、美容にいい。さらには健康にもいいのだ。なんだこの健康食品はとも思ったこともある。
ともかく、魔石が求められたからこそ新しい冒険者が増えたし、これからも増えていく。
それにだ、魔石以外・・・薬草だったり肉だったりも良い物で欲しい人は欲しいらしいし。
ここだけ聞くと魔石はいくらあってもよさそうなのだが・・・問題は先ほども言ったが質とサイズだ。
ぶっちゃけだ、俺の手に入れる魔石は高価すぎるのだ。個人で買える物として値段が設定されていない。
一つの魔石で人に影響が出てくるサイズの魔石は階層にして5層あたり。それより下では一個じゃ足りない。
俺の魔石?60台ですけど何か。
そら買えないわ。
だから俺の魔石を買うのは企業だったりになるんだが、先ずだ。今まで魔石の研究をしていたのは国の機関とごく一部の企業のみ。
そこには研究のノウハウがあるが、他の企業はつい最近スタートしているのだ。
そうなると大きな魔石を最初は買わないのだ。逆に今まで研究していたところは今は少し落ち着いているしな。
そんなわけで、魔石の需要はあるが俺のは今ちょっと良くないんです。だからといって困ることはないんだけど。売れないわけじゃないし、1つ幾らで売ってると思うよ。
「ところで何書いてるんです?」
「これですか?今は計画書を書いてるんです」
「計画書?」
「はい。今って私たちがどういう感じに活動してるか知ってます?」
「全く知らんです」
「・・・・説明しますね」
「おねげーしやす。あ、ポヨネ先に何か食べてるか?」
「というかお二人のも持ってきますよ?」
「かつ丼で」
「あ、じゃあ天ざるで」
「了解です」
現在三崎さん達は元自衛達のチームとして動いていないらしい。
元自衛隊チームは個別に分かれて、そこに新人達を振り分けたチームでダンジョンに潜っているのだとか。
だから三崎さん今リーダーって扱いらしい。
計画書というのも、チームのメンバーの調子を見てどこまで進むか、どういった育成方針か。などなど様々な事を書いているらしい。大変っすね。
「でも恭輔君も今子供を育ててるって聞きましたけど?」
「あー狼犬の子供と炎の鳥と白い虎育ててますね」
「後半どうなってるんです?」
まぁ普通いないよね、炎を鳥。白い虎はまぁ・・・これだけ聞くと普通だし。
「まぁ育ててるっていうか、面倒みてるだけですよ。色々教えてるのはコロちゃん達ですし」
「それでも恭輔君がお世話はしてるんですよね?」
「そら流石に」
「ならいいんじゃないですか・・・?テイムはもうしたんですか?」
「してないですよ?完全にペット・・・というか、コロちゃん達とはちょいと事情が異なるんで」
「はぁ・・・?」
フィニちゃんのことに関してはまぁ聞いているだろう。
ダンジョン内で寄生型精霊に出会った時に慌てないようにしないといけないしな。
だがハクコちゃんの事は言えない。俺のやったことも言えないが、どんな環境にいたかも言えない。
これは親父ににも口止めされてるからな。本当に言えないことなのだろう。仕方のないことだとは思うがな。
「お待たせしましたー」
「ういあんがと」
「ありがとうございます・・・あ、そういえばユニちゃんが本格的に合流したって・・・」
「ガウ」
「ん・・・ん」
「ガウ」
「クル~?」
「タダイマ!オナカヘッタ!」」
「「「キュ~」」」」
「みーちゃん。恭輔さんご飯食べてるんだからダメでしょ」
「いいっすよいいっすよ」
「ガウ~」
かつ丼食べてたら後ろからのしかかられた。誰かと思ったけどこのサイズ感のモフは1匹しかいない。
足元にバン君来たし。モグ三兄弟とアリシアは三崎さんのところにご飯ねだりに行ったけど。
・・・まk
「負けたかって思いました?」
「何故読まれた」
「顔に出てましたよ」
「ていうかうちの子なんですけど・・・?」
「ガウ」
「みーちゃん。頭を膝の上に乗せなさい」
「クル」
「バン君はテーブルの上来なさい。ポヨネ頼む」
「はーい」
忘れがちだがポヨネはヨミのスキルを持っている。だから俺がテイムしている子達のスキルも使えるのだ。
勿論『分身』も可能。そんなわけで、皆用に用意されたご飯を分身に取ってきてもらうことに。
おばちゃんに言えばすぐ出してくれるんだぞ。
「すいませんいつもいつも」
「いやいいですよっと。どうしたみーちゃん」
「・・・ガウ?」
「あ、わかるのか。会ってく?」
「ガウ?」
「まぁ人見知り・・・?だけどみーちゃんなら大丈夫でしょ」
「何の話です?」
「いや、みーちゃんが俺に着いたハクコちゃんの匂いに気がついたみたいで、誰?って」
「あ、なるほど。白い虎の子ですか?」
「虎の子です」
「わかるものなんですね」
「まぁ匂いに敏感ですから。今日会いに来ます?」
「え?いいんですか?」
「まぁ最初は警戒されるでしょうけど」
「はぁ・・・?」
なにせ人嫌いだしな。うちの一家(姉ちゃんを除く)はだいぶ慣れてきたけど。
みーちゃんが一緒にいるからまだ他の人よりいいだろうけど・・・さてどうなるか。
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