379話
電動歯ブラシ買ったんですが楽でいいですね
「これはまた・・・いいな!!」
「でそ?」
「うんうん。これならだいぶ注目を集めそうだな」
「うん?」
「知らないのか?今冒険者になりたいって人の中で最も欲しいスキルは『テイム』なんだぞ?」
「・・・ほ?」
何事?
トリケラトプスの角はあまりにも大きいのでポヨネ事俺が持っていくことに。
普段の部屋でなくて、俺が手に入れた物を保管しておく場所に直接出しておいた。
その時に親父に言われたのだが、『テイム』が人気だって?
「スキルの効果って話したことあったっけ」
「いや流石にない。ただ、こういうスキルがあるんじゃないかってネットでは話題でな」
「掲示板?」
「それもあるし、SNSでもだいぶな」
ふむふむ。まぁ確かにそれならあり得るか。
『テイム』でモンスターを仲間にして俺つえーするって憧れだし。
・・・あれ、俺やってんな。
「んで『テイム』が欲しいと」
「まぁスキルの手に入れから知らんネットの話だからな、気にすることでもないかもしれないんだが・・・」
「だが?」
「新しく冒険者を募集する際にはいい広告になるかなと」
「なるだろうね」
なにせ恐竜だぞ。それを仲間に出来るかもしれないとなると、また募集が増えそうだな。
「そうだ。アメリカが来週から新人冒険者の募集を行うのは知っているな」
「流石に知ってる」
「かなりの規模になるみたいだな。アメリカはダンジョンも多い」
「日本だって大きさで見たら多いだろうに」
「まぁうちは来月なんだが」
「あ、そうなの?」
「昨日決まったぞ。ついでにお前の動画が流れる日も決まった」
「・・・もしかして」
「そうだ、あちらさんの冒険者が来るのが12月に決まったからな」
「おおー・・・」
ついにあれが流れるのか・・・まぁ大して暴走はしてないからいいのか・・・?
今そろそろ9月終わるから。後3か月後・・・遅いんじゃないか?
あ、あっちで新しいの募集して、数を増やして送ってくるとかそういう?
「いや、全員で10人しか来ないぞ」
「お?思ったより控えめ?」
「ていうか、あっちが減らしてきたんだがな」
「うん?」
「ハクコちゃん」
「さて、そろそろ帰るかー」
「待て」
うんなんとなくわかってたよ?
俺の暴走に関しては既に結構知られているのはわかっていたよ?
だけどそれであちらさんがビビるのは違うよな、俺のせいじゃないよな。
「弱いのがいけないと思うんですよ」
「思考がバイオレンスに依ってるぞ」
「おっと」
「はぁ・・・まぁうちの上司は偉い感謝してたがな」
「なして?」
「スパイとか、最悪お前や藤岡さん達を拉致するための警戒を減らせたって話だ」
「あー・・・そういうのもあるのね」
「そらな。てか、一番危ないの俺達だったんだが」
「ん?ああいや確かにそうか」
「研修中は可能な限り研究所に泊まるって話もあったくらいだぞ」
俺の親ってだけでそら価値があるわな。
だがそれを行った結果、今度は何をされるかわからないという結論に至ったか。
そらそうだな。全く知らないハクコちゃんに対しての行動が研究所1つが丸々潰れるだった。
なら親だったら?正直自分でもどうなるかわからない。ただ間違いなく災害クラスの被害が出るだろうな。
俺今森一つひっくり返せるんだぞ。しかも『真化』が全開じゃなくてもだ。
そして怒るとさらに強くなるってのがあるから・・・最悪国崩壊?さすがにないか
「・・・ないよな?」
「俺が聞きたいんだが・・・」
「てか、俺だけで済めばまだマシか」
「うん?」
「やだなぁ。親父たちが攫われたら全員で暴走だよ」
訂正しよう。間違いなく被害がデカい。とてつもなくデカい。
「・・・そんなにか?」
「そんなにだよ。ぶっちゃけ俺とフミはいいよ。今でも手がつけられないだろうし」
「それはそうだな」
「・・・その返事もどうなんだ・・・ともかく、怒った時に最悪なのはすらっぴとポヨネだよ」
「温厚そうなんだが・・・?」
「何言ってんだ。殺す手段がない奴となんでもありの奴だぞ」
すらっぴ・・・スライムの弱点は体の中にあるコアだった。
だが、すらっぴが進化をしていった関係で、そのコアがなくなった。それはつまり、魔法攻撃以外が効かなくなったということだ。
この時点でだいぶ詰んでる。さらに言うなら、並大抵の魔法では意味がない。最悪でも・・・藤岡さんの倍以上は必要だ。火の魔法でな?
ポヨネに関してはもっとやばい可能性が高い。
結界という便利スキルの汎用性。そしてそれに見合わない程の凶悪さ。
結界を張られた時点で終わる。それがどんな効果であろうち、マジ切れしているのなら即死もありえる。
重力に押しつぶされる。体が動かなくなる。呼吸ができなくなる。なんでもありだ。
普段こういったものを使わないのはひとえにポヨネが俺に遠慮しているから。使ってしまうと、全く俺たちのためにならないからな。
そんなわけで、うちで最も元気かつ温厚な子達。
だからこそ、親父たちにも懐いている。さぁ、その人たちに何かあったらどうなるでしょうか。
「正直、準備整えられたら俺とフミでも勝てないぞ」
「はぁ!?そこまでか?」
「ヨミじゃなくて、ポヨネでそうなんですよ」
「・・・まて、じゃあヨミさんは?」
「・・・本人は謙遜がすごいよね」
「マジかぁ・・・」
親父が頭を抱えるのも無理はない。
確かに危険性はある程度認識していたであろう。
だがその認識も、俺とフミより下だったはずだ。なにせ本人がそう言っていたし、戦うのが得意ではないと言っていたから。
それは嘘ではないが、本当の事を言っていない。ただ殺すだけなら。間違いなく俺たち以上に向いている。
これは結界を張るスキルが強いのではなく、ヨミという個体がそのスキルを持ったが故の強さだ。
そしてポヨネは、そのヨミが元になっている。
俺達もなんとかできるように色々考えているが・・・どうしてもな。
まぁこれを機にちゃんと認識を改めてくれればいいだろう。
危険性云々だけでなく、親父たちも気を付けてくれよってことで。
「ちなみに一番危害を加えちゃダメなのはニホリな?」
「・・・その心は」
「ダンジョンが怒る」
「ああ・・・」
現時点でマジでどうしようもないと思われる人型さんが本気になってしまいます。
奴らの目的関係なしに、場合よっては人類が滅亡します。はい。
しかも俺の夢がかなうと人って要らないからなぁ・・・あれ、俺余計なことしてんな。ウケる。
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