378話
本日分です
殴る蹴る・・・殴るはないわ、踏んだり蹴ったりか。
トリケラトプス1体を10体のユニちゃんが囲んで攻撃している。
ユニちゃんの大きさと、トリケラトプスを比べると倍以上の差がある。だがしかし、そのサイズ差を感じさせないほどの数と力強さだ。
目を蹴りを受け、さらに追撃を受けたトリケラトプスはその大きな体を横に倒してしまった。
そこを囲んで踏まれてるのだ。サイズ差があってもこれは効くだろう。
実際、そのままトリケラトプスは倒されてしまった
ドロップとして大きな角をそこに残して。
「おおー」
「結構やるやんユニちゃん」
「うーうー!」
「!!!」(フンス
「あんまり調子に乗っちゃだめですよ?」
ポヨネがユニちゃんの頭まで手を伸ばして撫でている。ポメだからやりづらそうだけど。
だがやはり馬の脚力ってのは強いな。
それがレベルが上がって強くなっているユニちゃんならなおさら。
蹴りの時の音・・・そしてあのトリケラトプスを仰け反らせるほどの威力。俺でも素ではそこまでの威力は出ないだろう。
ねっさん何匹分の爆発だろああなるのだろうか。結界で補助されているからと言え、かなりのお物だ
マジで蹴りの威力だけならもうカルちゃんクラスかもしれん。後ろ足蹴りがメインだから、連発しにくいって意味ではまだ届いてないのだろうが。
「まぁそれを活用させるための戦い方を教えましたし」
「よくできたなぁ・・・うりうり」
「!!」(スリスリ
「・・・私も」
「あいあい」
今回は角を使った攻撃はなかったが、この調子だと期待できそうだ。
それにしても、確かにフミの言う通り心配することはなかったな。かなり安定して戦えていた。
勿論ポヨネのサポートありきなのだろうが。
「いうたやろ?」
「本当にな。知ってたのか?」
「いんや?ただ、ポヨネの見立てありやし、あれくらいなら行けるやろくらいに思っとたわ」
動きも悪くなかった。相手の様子を伺い、自分で攻撃を避けるタイミングを覚える。
そして隙を見つけて接近。一時期の俺みたいな戦い方になっているな。
「お手本にさせてたら当の本人が全く違ってるんですもん」
「・・・そんなに違うか?」
「違います」
「ちゃうな」
「う?」
「あれや。今まではちゃんと調味料使っとったのに、今は素材をそのままをテーブルに並べてる感じや」
「・・・う?」
「悪く言えばそうやな」
「いやいやまさかそんな」
「まぁ雑になってますよね。力押しできるから」
「・・・そ、そんなに?」
「やって前ならあの角砲撃受け止めないで壁作るか受け流すかしてたはずやで?」
「・・・あー」
思い当たるふしがあるな・・・
確かにちょっと雑になってたか?よく良く考えればティラノだってもうちょい頭の良い戦い方あっただろうに。
前も罠にひっかかって気をつけろって怒られてたしな。
ちょいと自制するか・・・?出来るか知らんけど。
「まぁ実際のところ今は力押し出来てるからいいんですけどね」
「せやな。危ないんわ・・・うーん。どうなんやろ」
「伸び方的に考えると、結構先の話なんですよねぇ」
「苦戦せんとは言わんけど、危ないってことはないわな」
「というか、コロちゃん達ですら全く危険じゃなさそうですよね」
「そんだけ皆強なっとるってわけやな」
「るる?」
「めぇ」
何をしみじみと言っているんだとピッちゃんが言うが、最初のころを考えたら確かに強くなってるのよ君ら。
しーちゃん何かは最初から強かったし、出来ることが増えているわけじゃないから実感しにくいが、間違いなく雷の操作性とか、威力は上がっている。
「ぴぴ?」
「すらっぴも強くなってるぞー」
「ぴ~」
すらっぴの場合単純なスペックの上昇もあるんだけど・・・
「ぴ~ぴっぴぴー」(グルグル
「・・・あれやな。曲芸うまなっとるな」
「ですね」
「うー」(パチパチ
高速回転しながら水を噴出して空を飛んで綺麗な円を描くすらっぴ。
マジでこういう方面上手くなったよね君。
いやそれだけ上手いってことだからいいんですけど。
「・・・俺も一個くらい覚えるか?」
「う!」
「彫像か・・・」
ゴーレムでどうにかならんものか。
「これで17本目っと」
「思ったより落ちひんな」
「それだけレアものってことで。重いし」
「これ『倉庫』抜きで持ち帰りたくないですね」
「てかどうやって持って帰るのよ」
「ぐぅ?」
「・・・カルちゃん力持ちね」
「グゥ!」
皆で大体50体程倒したが、思ったより角は落とさなかった。
50分の17・・・大体4体で1本くらいか。効率的にどうなんだろうかこれ。使い方もわからんけど。
持ち帰るのはもちろんポヨネの『倉庫』で。
だが周囲から集めるのは必要なので結局持ち上げるのだけど、その時にカルちゃんが活躍。
1本でも数十キロあるであろう角をまとめて3本持って運んでいる。
体勢的にかなり不安定で持ちにくいはずなのだが、それを感じさせないほどキチンと運んでいる。
フミと俺?フミは尻尾でまとめて、俺は魔法でベルトコンベアみたいにして運んでますけど。
トリケラトプスの会敵頻度なのだが、そこそこ高い。
何もない平原だからだろうか、こちら側からも発見しやすいのだ。影があればそこにいるし。
だが何故か2種類目の敵を見かけない。空を見ても何もいないし。
なにかまた条件を満たさないと出てこないのだろうか。見逃してるだけなのか運がないだけなのか。
フミは知ってるのか?
「ここの?・・・なんやったっけ」
「ヨミの記憶だと素通りした記憶が・・・」
「あートリケラ面倒で走ったんやっけ?」
「戦ったの最初の数戦だけでしたね」
「あいつら視界に入ると撃ってくるからなぁ」
「いわれてみれば確かにめっちゃ撃たれたな」
トリケラトプスの目はどうやらいい方らしい。
正確には視界が広いってことだろう。だから見えるところまで来たら間違いなく撃たれる。
うちはねっさん探索網があるから問題なかったが。フミ達だけだとそれは難しいだろう。
自分たちが先に見つけたならいいが、こういう場合は大体先に見つかるのがほとんどだろうしな。
「よっし。もういいかな?帰りまーす」
「はいなー」
「うー」
まぁもういい時間だから帰りますけど。
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