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おまけバトちゃん+α

投稿が週一にまできてしまいましたが私は元気です。


自分の一番最初の記憶。

そこは明るい場所だった。飛ぶには少し狭いが、それでも自分のいる場所として何の違和感もなかった。


次の記憶はそこに入ってきた人間の姿。

それは一匹のスライムと共にいた。正確にはスライムが後ろからついていっていただけだったが。


そして、何より覚えているのは。自分よりはるかに巨大な人間に鷲掴みにされた記憶















「きき!?」


「んお?。どったの?」


「・・・きき~」


「ああ、夢に出たか。よしよし」


「きき~」


「あんな巨人に掴まれればそらトラウマなりますわ」



そうは言うが、恭輔の手も大きい。確かにあの大人より小さいが、それでも自分からしたら大きい。

だが、その温かみはまるで違う。大人の手も後からあったかい物だとわかったが、恭輔の手の方が好きだ。

理由はわからないが、撫でられるとぽかぽかする。



恭輔はいいテイマーだと思う。自分達が決して嫌な思いをしないように気をつかうし、ご飯もおいしい。ダンジョンの中ではそれを知ることはできなかっただろう。

なにより、自分たちの希望通りに強くしてくれる。欲しい物を欲しいだけ、とはいかないが、それでもかなり融通してくれる。

スキルが一番わかりやすい。使いたいと思った物をくれるのだから。



「き~」


「今日は随分甘えてくるな、よっぽどだったか」


「き?」


「お前の爪程度で痛くはならんよ。安心しろ」


「き~」


「愛い愛い」



始めの出会いこそあまりよいものではなかったと思うが、今はそんなことは気にならない。

鷲掴みは怖いけど、恭輔はそんなことしない。ちゃんとやさしく抱えてくれる。

自分で飛ぶのではなく、誰かに抱えてもらったりしてみる光景は同じもののはずなのに全然違うのだ。


家族もいっぱいできた。

コロちゃんは一番上の立場として見守ってくれている。

すらっぴとねっさんはほとんど同じ時期に仲間になっただけあって特に仲がいい。二匹ほど自分は活発ではないが。

ふーちゃんとニホリ、ピッちゃんはみんなの妹分だ。特に、ピッちゃんは好奇心?が強いらしく、勝手に飛び回ってしまうので目が離せない。最近は少しづつ落ち着いてきているが。

こんな関係も、恭輔にテイムされなければなかったのだろう。そう考えると、やはり恭輔にテイムされてよかったと思える。

これは、テイムされたみんなが同じに思っていることだろう。結局のところ、ダンジョンに出てくるということは倒される存在という前提がある。何かを得ることができるのは一部のみだろう。



「きき!」


「いいぞ。落ちるなよ?」


「き」


「まぁ落ちんか」


「きき~」



特に、頭の上はお気に入りだ。恭輔に触れながら一番高いところからいろいろ見える。

庭ですらっぴとねっさんが走り回っているのが見える。コロちゃんは恭輔のそばで座っている。



「お前はいいのか?」


「・・・き!」


「そうかい。まぁ好きなタイミングで行ってきていいぞ」


「きき~」


「ん~。今度もっと日陰を増やすか。そうしたら出やすいだろ」



ダンジョンから出てわかったのだが、基本的に人間に自分たちの言葉は伝わらない。

だから、恭輔が変わっているらしい。でも、そんなことは関係ない。むしろその方がずっといいことだ。

今だって、外に出たいけど、まぶしいって気持ちを察してくれた。こういうところも、恭輔がみんなに好かれる理由なのだろう。


だから、わからないことがある。



「・・・きー」


「ん?どうした?」


「・・・きき?」



恭輔が、僕たちにしたいことがわからない。



自分たちが甘えれば喜んでくれるし、笑顔になる。でもそれはされてうれしいことだ。

それに、甘えたくて甘えているのだ。何かしてあげている感じがまったくしない。


だから恭輔のしたいことをしてほしい。



「・・・地味に困るな」


「き?」


「いやぁ、みんなにしたいこと・・・うーん」


「きき?」



よくふーちゃんやコロちゃんに顔をうずめているがあれは違うのだろか。



「そうなんだけど・・・今回はバトちゃんにってことでしょ?」


「き!」


「ていうか別にあれも頼んでやってるわけじゃないし・・・」


「き!?」


「なんとなくしたくなった時に急に突撃してるから・・・」



衝撃の事実だ。恭輔は毛が多いのが好きなのはしっていたがそこまでとは。

・・・じゃあ自分ではだめなのだろうか?



「バトちゃんに求めてるのはそういうの違うから」


「きき~」


「バトちゃんは見てるのが一番いい感じだからなぁ」


「き?」


「いや、バトちゃん。うちの子の中じゃトップクラスで可愛いよ?」


「・・・き?」


「え、いやだって。動きとかいちいち可愛いし。ご飯食べるときも両手でしっかり固定して食べる時とかむっちゃええし」



急に早口になった。この間ニホリが言っていた、オタクは早口というやつだろうか。

ともかく、恭輔が自分の動きが好きなのはわかった。なら動けばいい?



「きーきき!」(クルッ


「それも実にいいんだけどね。まぁともかく。そんなに気にしなくても割といろいろさせてもらってるし?」


「きーき?」


「そうそう。普段通りでいいよ~」



そうらしい。なにか納得いかないが。本人が言うならそれでいいのだろう。



「あ、でも甘えてくれるのはもっとして」


「きき!?」

























「ききー」


「ぴぴ!」


「ちゅ?」


「ききー。き!」


「ぴ?」


「ちゅ~」


「きき~」


「ぴー!」


「ちゅー!」


「きー!」





















「あそこは何を内緒話を?」


「・・・ワフ」


「なぬ。ならばモフモフの刑に」


「ワン」(ペチ


「おっふ。しっぽでなんて・・・」


「クゥ!」


「おおう。今度は体当たり。でもお前のは柔らかいぞ!」


「クゥ!」


「おお。いいどや顔。すりついていい?」


「クゥ」


「わーい」


「・・・・・・・・・ワフー」




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