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369話

インコカワイイ

「え、てかこれ生えるの」

「・・・」(コクリ

「マジか・・・うわかてぇ」


指ではじいた時の音がヤバい。

中に籠っている魔力もさることながら、軽さもえげつない。

この音の感じだと中身はぎっしり詰まってるだろうに、見た目ほどの重さしか感じない。

大体30cmほどでこれか・・・


「なんか・・・もはやこれ武器になるんだけど」

「!!」(フンス

「ああーそういえばこれで突き刺しながら突進とかしてたね」

「チュン?」

「ん~流石に俺は無理だと思うけど・・・」


俺の『硬質化』状態の硬さは日頃俺を突いて実感しているだろうフィニちゃん。

だからこそこの角の硬度がわかるのだろう。マジかと驚いている。


ただまぁ、これが抜けて生えてくるのはわかったが、何に使うんだこれ。

槍の穂先とかには使えそうだけど・・・ヨミはなんでこれを持っていった?

・・・電話するか。


『・・・もひもひ』

「くたばれ」

『いきなりなんで!?』


何食べながら人の電話出てやがる駄犬・・・


『え、何かいつも以上に当たりきつくありません?』

「ユニちゃんの角」

『やっべ』

「何に使ったか言えばまだ刑を軽くしてやろう」

『既に有罪確定なんですか私!?』


何を言っているのか、当然だろう。

人の家族の一部何勝手に使ってくれとんねんって感じ。

内容次第で奴のおやつがどれくらいなくなるか決まる。


「んで、何に使った犬」

『もはや名前呼んでくれない・・・えっと、使ったというか、今加工中というか』

「うん?」

『結界の中で媒体に変化させてる?』

「なんでお前も疑問系なんだよ」

『だって私だって『鑑定』で見たこと試してるだけですし』

「結果的にどうなるの」

『魔法の威力を上げられるようになるみたいでして』

「ほほう?」


ヨミに詳しく聞いたところ、次の様に返ってきた。


まず、ユニコーンの角に込められている魔力は純粋な魔力。特定の属性に偏っていない魔力らしい。

ユニコーンが何かしらの魔法を持っていた場合はその限りではないらしいが。

その純粋な魔力に長時間当てられた物は、魔力との親和性が非常に高くなるらしい。その合図として角が抜けるのだ。

抜けた角は込められた魔力がそのまま残る。長い時間をかけてその魔力を抜くことで魔法の威力を上げる媒体になるのだとか。


『もちろんこの場合は欠点もあります』

「例えば」

『そうですね。恭輔さんの場合はランスとバンカーの威力は上げられますけど、流星はダメです』

「角から魔法を発動させなきゃいけないのか」

『より正確には、角に魔力を一度通さなきゃいけないんです』

「それなら多分全部強化できると思うんだけど?」

『恭輔さん。一回魔力を角に通した後に何もない空中に魔法出せます?』

「・・・無理かな。やったことないからなんともいえないけど」

『根本的に出来ないはずなんですよ。魔法を空中に出す場合は、体から魔力を発動させる地点に出さなきゃいけないですし』

「一度角に入った関係上。その後の操作が出来ないと」

『そうです。だから角の先端から撃てそうな魔法に関しては問題ないんですけど』


なるほど、確かに今の俺の魔法の使い方だと威力を上げられそうにないな。

ちょいと試したいことは出来たけど、それは練習必要そうだしな。


それにしてもそういうことだったか。

うーん・・・


「・・・今回は見逃してやろう」

『よっし!!!』

「次から一言言えよ?てか、なんで言わない」

『いやー、抜けるの知らなさそうだからいっかなって』

「おやつ3日抜きね。雪ちゃんに伝えとく」

『どうして!?』


いやむしろ良く今の言えたなおい。そういう大事なことはちゃんと言わないと駄目だろ。


「ユニちゃんも自分の事なんだから教えてよ」

「??」

「なるほど。期間増やします」

『うわぁぁぁぁぁぁぁ』


うるさいから切るか。


なにわともあれ、ユニちゃんの角に関してはわかった。


「親父も聞いてた?」

『ああ、まぁ利用法はわかった。だが、今の言い方だとまだ出来上がってないようだな』

「みたいだな。ヨミが加工中だと、多分結界使ってるんだろうけど」


魔力が一切ない空間で放置か、魔力を抜き取る結界の中で放置のどちらかだろう。

ユニちゃんがうちに来てから角の加工を始めたとは考えにくい。恐らく最初に抜けたのは少したってからのはずだ。魔力が溜まったら抜けるって言ってたし。

今回も急に抜けたように見えて、そろそろ抜ける時期だったってだけなんだろう。


とりあえず、その魔法の強化に使うのは置いておいて。

それ以外で使う方法を考えよう。

まぁ・・・槍の先端かな・・・それしか思いつかん。


「てかこれくっ付けられるのか?」

『それを試すのがうちの研究所なんだがな。それ貰ってもいいか?』

「んー・・・ユニちゃんいい?」

「??」

「いいってさ」


いくらでも上げるけどとか言われたけど。

あ、ユニちゃんの角が少し伸びてる。なるほど、普段は夜に抜けてたから気がつかなかったのか。

再生速度が速くて俺が起きた時には既に元に戻っていると。

どっちにしろ魔力が溜まらないと抜けないから本当に生え変わるって感じなのかな。


・・・いや、それにしても堅いなこれ。


「俺の腕とぶつけても全く変化なしとは」

『おい。貴重な物なんだから大切にしてくれ』

「貴重かこれ・・・」


なんか話に聞くとヨミがまだ何本か持ってるみたいだけど。

大体ペース的には1月1本でいいのか?


「いいのか?」

「!!」

「いいらしい」

「チュン・・・」

「いや、多分お前も羽根抜けるようなったらそうなるぞ」

「チュン!?」


だってフィニちゃんの魔力って主に翼に多いんだもん。

今はまだ雛だから誤差みたいなものだけど、恐らく成長したら差が広がる。

これは翼が燃えているからその為なんだろうけど。


そういうことなら、モンスターの特徴的な部位には魔力が込められていると考えることができるのな。

すらっぴにはなくなったが、スライムの核とか最たる例だろう。

フミは・・・尻尾か?


「あ、でも俺あいつの本体見たことないんだよな」

「チュン?」

「狸モードも違うらしいし」


見せたがらないというか・・・本人が戻らないだけなんだけど。

戻ると言えば狸になってるけど、元はと言えばあれは自分の生まれたダンジョンに住み着いた野生動物の真似だ。

しかも俺と初めて会った時に、俺の気を引くために変化した姿がそのまま来てるってだけ。


・・・ちょいと気になるな。

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