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366話

「チュン!チュン!」

「クゥ!」

「チュン!!」

「クゥ!!」

「・・・何しとるん?」

「うー」

「修行」


早く炎出したいんだとかなんとか。


オミちゃんの子供。炎美鳥のフィニちゃんが我が家に来て早3日ほど経った。

その間魔石を集めることに集中し、新しいダンジョンには行ってないので新しい階層については進展ゼロ。

そもそも俺がここしばらくフィニちゃんの事で手一杯だったから、それ含めると結構長い事新しい階層に挑んでいないことになる。

まぁどうせ俺が行かなくても研究員達の手は既に足りていないので問題ない。新しい物見つけてもすぐ研究が始まる状態じゃないし。

それにだ。新しい方はモンスター弱いんだから、新人・・・冒険者になってもう2、3か月経つから新人じゃないのか?俺だって1年かそこらだし。

・・・後輩冒険者が探索すればいいと思うよ。ほら、情報がない階層を探索することで一皮剥ける的な。


ともかくだ。そんな感じの事を言いくるめればいいだけなので現状で問題は一切ない。

てか、フィニちゃんの生まれた理由を考えると、むしろ俺はこっちにかかりきりの方がいいのだ。

なにせ、フィニちゃん自体には何の問題もないが、生まれたきっかけは寄生型の精霊。人間にも寄生するこの精霊が、魔力を持たない生物に憑りついた場合にフィニちゃんやユニちゃんのような子が生まれる。

ならば、魔力を持たない人間に憑りついた場合は何が起きるのか。

試すわけ行かないし、そもそもそんなことない方が面倒がなくていいんだが・・・

とりあえず、国の偉い人はこの寄生型精霊にビビっていると言っていい。だからその精霊が関わっているフィニちゃんの事は俺が見るしかないわけだ。

ないせ対処できる人間は現状世界で俺1人。万が一があっても、対処できるからってことだな。


まぁ・・・今目の前でふーちゃんに教わりながら羽根振ってるフィニちゃん見ると力抜けるんだけど。


「チュン!!」

「お、ちょいと出たやん」

「うー」(パチパチ

「クゥン」


よしよしみたいに頷いてっけど、ふーちゃんそれ多分ちゃんと教えられてないよ。

何、もっと大きな声でって。

ちなみにだがシュルちゃんは現在いない。ヨミのところに帰ってるからな。

いたらそっちに頼むんだけど。


ああ、そうだ。訓練というと、フィニちゃん以外もやっているところだ。


「・・・わん!」

「ワフ」

「わん!?」


ルミネとコロちゃんだ。

今はコロちゃんを捕まえる訓練。やっていることはただの追いかけっこだけど、相手がコロちゃんだからな。ぶっちゃけルミネだけじゃいつまでたっても捕まえられない。


「きゃん!」

「わっふ」

「「「きゃんきゃん!!」」」

「ワン」


そう。子供たちも一緒だ。

将来的には家族で潜ることになると思ったからこの形式にしている。

それにだ、今の段階からコロちゃんと追いかけっこしておけば絶対強くなるしな。

6対1で全く歯が立ってないけど・・・影も踏めないとはこのこと。

後コロちゃん。残像だってどこで覚えた。


「皆頑張ってるね~」

「うん?恭輔やって訓練しとるやん最近」

「訓練っていうかまぁ・・・軽い運動だからなぁ」

「・・・う?」

「せやな。ニホリが正しいで」


俺の運動はカルちゃんとのスパーリング擬きだ。

戦い方がボクシングのようなカルちゃん。カンガルーが元だからか知らんが、パンチ力が異様に強い。そして速い。

お互いにちゃんと気を付けて行っている。基本は俺が避ける側なんだけどな。

カルちゃんは体の形の関係上機敏な動きというのが少し苦手なのだ。10か0かみたいな動きなら早いんだけど。


「え、そんなに?」

「そんなやな」

「うーうー」

「空気切る音がしとる運動ってなんやねん」

「・・・時々フミがやる空中散歩よりマシじゃない?」

「う」

「ニホリ!?」


ダンジョン内で定期的に見られる、フミが空中を蹴って移動する空中散歩。

バーンバーンとか音を響かせながら跳ぶ様はそれ本当に散歩なのかと。


「えー、大した運動やないんやけど」

「あれがか・・・」

「・・・う」

「ニホリはもっと歩け」

「ニホリはもうちょい歩こうや」

「・・・うー!」

「ワフ!?」

「あ、逃げた」


形勢が悪くなったからコロちゃんのところに逃げた。

子供達とルミネを躱した直後だったから避けられずにコロちゃんはニホリに抱き着かれる。

なんで急に来た!?と驚いている。


「・・・うーうー」

「きゃん!」

「うー」

「わん!」


こうやれば捕まえられるよじゃないよニホリ。


「クゥ~」

「ん?どうしたふーちゃん。フィニちゃんに何かあったか?」

「クゥ」

「おう?」

「チュン・・・」

「何か火が弱くなってる!?」


ふーちゃんが恭輔~と呼んできてみた先には、翼の炎が消えかけて若干痩せてるフィニちゃんが。

どうしたらそうなるんだ!?


「フィニちゃん!?」

「チュン・・・」

「はい?疲れた?・・・あ、魔力切れか」


そういえばそうか。フィニちゃんは別に魔法スキルを持っているわけではないが炎を出せる。

これは種族の持つ性質らしいが、これだって魔力を使ってもおかしくない。

ふーちゃんに教わりながら炎を少しずつ出していたから、その分魔力を消費してたのだろう。そしてそれが今になって限界に来たと。

じゃあ魔力を上げればいいのか?ふーちゃんが良いかな。


「ふーちゃん手伝って」

「クゥ?」

「魔力を分けたげて、俺だとマズイ言われるから」

「クゥ!」

「チュン・・・」


俺の手でヨヨヨって感じに横になるフィニちゃんも可愛いのだが早めに治してあげねば。

ふーちゃんが尻尾を増やしてフィニちゃんに向ける。

その先から魔力が少しずつフィニちゃんに送られているのがわかる。赤い線のようなものが少しずつ移動している感じだ。

それがフィニちゃんに吸収されていき、少しずつ翼の火が復活してくる。


「回復速いんだな」

「クゥ」

「チュン」

「ほうほう。体の奥から力が湧いてくる感じか。体力的な物に近いのかな。俺達より」

「クゥ?」

「ほら、俺達も魔法使いすぎると動けなくなるじゃん?でも弱ったりしないだろ?」

「クゥクゥ」

「だけど、フィニちゃんの場合は魔力=体力に近いみたいだから、魔力が切れると倒れちゃうの」

「クゥ~」


これは知らなかったな。こういうことなら、訓練中とかじゃなくても小さいうちは気をつけないといけないな。

常に燃えている関係で、魔力を常に消費していると考えていいはずだ。

まぁ流石にそれで倒れるってことはないだろうが、念のためな。オミちゃんもずっと見てるわけじゃないし・・・


「そう考えると、オミちゃんにもレベル合った方がいいか」


ルミネと同じにした方が、万が一の時に魔力を分けられるからいいかもしれないな。

うーん。でもどうやって戦うかが問題か?

いや、鷹なわけだし狩りと同じなら行けるか?

・・・ちょいと考えるか。

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