おまけコロちゃん
感想をいただき、それを読んで書きたくなったので書きました。
内容は全く本編に関係ないですがね!なんなら時間軸も大して考えてないです。
一通り全員分書こうかと思います。
コロちゃんの朝は早い。すっごく早い。
朝4時には起きてる。寝るのは9時。夜行性であるはずの狼にしては早すぎるほどだ。
「・・・ウゥー」
「きき?」
「ワン」
流石バトちゃん。この時間に起きているようだ。
「きき」
「ワフ」
「き・・・zzzzz」
しかしやはり眠いのか、二度寝が始まった。
コロちゃんは眠くないのか、すでに活動を開始しようとしている。
そもそも、先ほども言ったがオオカミは夜行性。実際に、コロちゃんももっと遅く起きてたし、遅く寝てた。
こんな時間に寝起きするようになったのはダンジョンに潜り始めて少し経ってからだ。
レベルの影響か、それとも魔力を宿すようになったせいか。理由はわからないがこの時間に苦もなく起きることができるようになっているようだ。
そして、コロちゃん自体もこの時間に起きてやりたいことがあるようだ。そうでないとこの時間にわざわざ起きることはないだろう。
コロちゃんのやりたいこと、それは・・・
「ワフ」
「・・・ちゅzzzz」
「う・・・zzzz」
「zzzzz」
「ぴー」
「・・・ワフ」
コロちゃんは恭輔の寝ている布団を少し剥がした。
するとそこには別のところで寝ているはずのニホリ達が潜り込んでいた。
コロちゃんのやること。簡単に言うと、この潜り込んでたのをどかすことだ。
「おっも・・・」
「ワフ」
「おはよ・・・何時・・・」
「ワフ?」
「おお・・・眠い」
恭輔も起きてしまった。やはり重かったらしい。それもそうだ。小さい子たちとは言え、この数が乗ってたらそれは重いだろう。
ニホリ達を動かす理由。それは、恭輔が眠れないから。時々入り込む子がいるのを知っているため、こうして毎日早くに起きているのだ。
普段は恭輔が起きる前に終わるのだが、今日は起きてしまった。
眠そうな恭輔に一声かけ、みんなをどかしてく。起こさないようにゆっくりと。
何故か起きていたすらっぴも手伝っている。ねっさんを運んだ後に定位置で寝始めたが。
残りのふーちゃん、ニホリ。ふーちゃんは首を口で持って運ぶ。ふーちゃんは全く起きずに寝床に運ばれる
ニホリもちゃんと今は自分用の小さいベットがあるのだが、そこに運ぶのは難しい。本来なら
「ワフ」(ヒョイ
「zzzz」
「便利なことで・・・」
ニホリはなぜ人形態形に戻って寝ることが多い。一度実体化したら特に何か疲れることはない。
純粋に、実体化された状態で寝ていると恭輔が起きてしまうのでニホリなりに気を使っているのだ。
ただ、自分のベッドがあるのだからそこで寝てほしいのが恭輔の希望なのだが。
そんなわけで、無事にみんなを恭輔のベッドからどかし終えたコロちゃん。
満足そうにしながら自分の寝床に戻ろうとしたその時。
「・・・逃がさん」
「ワフ」
「ふっふっふ。あったけー」
「・・・ワフー」
「重いのは嫌だけど、これは歓迎。みんな横に来てくれればいいのに」
戻ろうとした時に恭輔に捕まった。いつ近くに立ったのか、気がついたら横にいて抱えられてしまう。そのまま布団の中まで一直線。抵抗もできず。
「おやすみーzzzz」
「・・・・・・ワン」
こうして、ちょっと早い朝が終わる。
「うー」
「ぴー」
「きー」
「クゥー」
「ちゅー」
「重ーい」
「・・・ワン」
そして朝8時。再び同じ光景が広がっている。こうして、一日が始まる。
「いや、なんで皆上に来るの?」
「う」
「クゥ!」
「安定感かぁ・・・。コロちゃんはちゃんと横にくるのに?」
恭輔の上に乗っかる理由はそれのようだ。
そして、コロちゃんを布団まで連れ込んだことは覚えていない模様。
「ワン」
「え、俺が連れてった?まっさかー」
流石にそれはないでしょ~。なんて言っているが間違いなくこの男が連れ込んでいるのだ。寝ぼけていたのだろう。
既に朝食を食べ終えている。普段なら少し休んだ後にダンジョンに潜る準備をするのだが今日はお休み。
皆自由にしていいと言われている。
実はこの自由時間。コロちゃん基本的に自分から何かすることはない。
理由として、だいだい誰かに誘われて遊ぶから。多いのはねっさんとふーちゃん。庭でおもちゃで遊んだりしている。
年齢的に一番上なのだ。頼られる存在として大人気。
だがしかし、今日は誰にも誘われず。別にコロちゃんがハブられているわけではない。
純粋に、珍しくコロちゃんがしたいことをするのだ。
「ふっふー。ここがええんか~」
「クゥ~ン」
「ふーちゃんみたいになってるぞ~」
コロちゃんのしたい事。正確にはされたいこと。それは、恭輔に構ってもらうこと。特に撫でてもらったり、毛づくろいをしてもらうのが大好き。
一週間に一回、これをしてもらいたくて恭輔のもとに来るのだ。それを他のみんなも知っているため、この日は誘わないことにしている。
それにしても、普段からは想像もできないような恰好をしている。
完全にお腹を見せ、しっぽも垂れている。完全にリラックスモードだ。ダンジョンで無双する姿からは驚くほど遠い。
「ワッフ」
「爪切りは・・・まだいいか」
「ワン」
「切られると困るって、危ないでしょ」
「ワン!」
「いや、あれスキルの効果だから爪の長さ関係ないんじゃないの?」
「ワフ?」
「いや知らんがな」
コロちゃんは戦闘大好き、それ以上に戦いが得意である。
だからスキルの効果もちゃんと把握してなくても感覚で使える。他のみんなのスキルは恭輔監修のもといろいろ内容の把握をしたのだが、コロちゃんは一切していない。
コロちゃん曰く、大体わかったとのこと。実際、戦闘力はナンバーワンなので問題はないのだろう。
爪の長さについて話している間も、恭輔の毛づくろいは止まらない。コロちゃんも気持ちよさそうだ。
すると、コロちゃんの体が抱えられソファに移動。そのまま恭輔のお膝の上へ。
コロちゃんの姿勢はお腹丸出しで手は上へ。そしてそのまま恭輔の体ごと横に寝転ぶ。
「ワフ?」
「いや、こうしたら朝の事思い出すかなって」
全く思い出せないけどね。と言いながらその姿勢は止めない。
コロちゃんが小さいころから、こうやって一緒に寝ていたものだ。
恭輔とコロちゃんにとって、一緒に寝ることは当たり前のことなのだ。
事実、コロちゃんは全く動かず、慣れたかのようにしている。
「お前は昔っからいい子だー」
「・・・ワン」
「俺は手がかかるって?。まぁそうかもなぁ」
恭輔は昔っから動物にモテる。正確には、言いたいことを理解できる人間に興味を持った動物が寄ってくる。
これは、コロちゃんが大門家に来る前からなのだが。まぁその関係で、コロちゃんはそこそこ苦労したわけだが。
「でもお前、やきもちさんだからな」
「ワン」
「じゃあ他の犬とか撫でていい?」
「ワン」
「ほれダメやんけ~」
苦労の理由は他の子に気を取られるのが嫌だからなのだが。
今は大門家に他の子も増えたが、コロちゃんも大人になった。家族ならいいらしい。
「どっちにしろ、お前は一番だぞー」
「・・・ワン」
「まぁみんな一番なんですけど」
「ワフー」
「まぁ知ってるよな~」
コロちゃんの一日はこうして過ぎていく。
一週間に一日の楽しみ。恭輔を独り占めできる日。何よりも楽しく、落ち着ける日。
ちなみにこの後。
「ぴー」
「ききー!」
「うー?」
「クゥ!」
「ちゅちゅちゅ!」
「・・・ヘルプ」
「・・・・ワン」
「ちょ、助けて!」
結局乗られる。




