355話
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「お前ソフィアさんの事は覚え・・・てるよな?」
「人の事なんだと思ってるんだ」
そこまでアホじゃないわ。
「スキルスクロールの事はすぐ忘れるだろ」
「まぁ・・・それはね?
「まぁ覚えてるならいい。今日の検査次第だが、異常なしならそのまま退院できるそうだ」
「あら。思ったより回復速いな」
「やっぱりそこの予想も持ってたか」
「そらね。後3日かかる予定だったけど・・・ソフィアさんの魔力だいぶ多いね」
「それなんだが、どうも変でな」
「精霊に憑りつかれる前と後で魔力が違うと?」
「そうだが・・・それもか?」
「そこは確信なかったけど。精霊ってのが魔力の塊なのは説明したじゃんか」
「ああ」
「その魔力がずっと体内にいたんだよ?そらいくらかは体の中に残るは」
それにソフィアさん本人の魔力もそこそこ高かったのだろう。
後、生まれた精霊が生れたばかりだったって言うのもあると思う。まぁ総じて運が良かったと言える。
後遺症なし、それどころか+まであった。
「ん?でもお前が全部吸収したんじゃないのか?」
「正確には違うんだよなあれ」
「はい?」
「ほら。吸収しても体に影響残ってただろ?」
「あったな。植物のような感じに」
「あれって、体に染みついちゃった魔力で、あれを抜こうとすると体にダメージを残しちゃうのよ」
「抜くことはできたのか」
「一応な。難しいし、面倒だし、危ないしの三重苦だから言わなかったけど」
実は女神から後になって聞いたことだから知らなかったんだけどな。
知らないなら知らないで問題でしょ?と言われたから、今さも知ってましたよみたいな風に言ったけど。
「んで、その体に染みついた魔力がソフィアさんの魔力に塗りつぶされる形になったわけ」
「なるほど・・・その染みついた分が増えたと」
「そうなる。無くなったわけじゃないしな」
「・・・それは、他の人間でも同じことは出来るのか?」
「無理」
まず前提としてソフィアさんが数か月も魔力を吸われても耐えられたってことがデカい。
それくらい耐えられないと同じことは出来ないってことだし。
「そもそもそんなに強いなら普通に戦った方がいいぞ」
「まぁそれもそうか」
「時間かかるし。数か月あればあれくらいなら倍にできるし」
「倍・・・?」
何かわけのわからんことを言われたみたいな顔をされておりますがどうなっておりますのでしょう。
「まぁ今に始まったことじゃないか」
「おう。何か言いたいなら聞こうじゃないか」
「ともかく!退院したら、お前に直接お礼を言いたいそうなんだが」
「・・・」
「面倒とか思ったな」
「何故バレるのだ」
「そういう時のお前は隠す気あるのかってくらいには顔にでるぞ」
「マジかよ」
「はぁ。まぁそう言うことだと思ったから必要ないとは言っておいた」
「お、気が利く親父」
「大体わかってたからなぁ・・・お礼の代わりじゃないが、これを貰ったぞ」
「???なにこれ」
渡されたのは本だ。
英語で書かれているが・・・うん?これって・・・
「教授の本?」
「そうだ。今度発表されるやつを先にってことらしい」
「今度・・・はぁ!?」
「1冊急遽持ってきたそうだ。せめてこれをってことらしいぞ」
「マジか!マジか!!」
「うれしそうだな」
「そらまぁうれしいでしょ・・・え?親父うれしくないと?」
「うれしいが???」
「ですよね!!」
俺も親父も母さんも、全員が動物生き物何でも大好き。
それが高じて研究職にまでなったのが親父と母さんなのだ。
しかも、本を書いたのはその界隈では超の付く有名人ときた。その人がまとめた資料とか写真とかは貴重だ。
「しかもだ。一般発売されるものじゃなくて教授自らが改めて編集したものだ。普段なら絶対に表に出さないような貴重な資料とか映像も・・・」
「・・・映像?」
「ハッ!?」
「・・・後で見せろ」
「け、研究資料だから・・・」
「母さんにチクるぞ」
「クソッ!!」
いい年こいた大人が本気でクソって悪態つくのやばいな。
「いやぁ。それにしてもいい事するもんだな!」
「はぁ・・・大体ロラちゃんのおかげだろうに」
「確かに。帰ったらご褒美を上げなくては」
「・・・ロラちゃんは、なんで気がついたんだろうな」
「うん?」
「いや。あの時の話はお前にも教えてなかっただろ」
「そうだな・・・あ、もしかして俺が隔離されたのって」
「そうだ。あの日に限って呼んでないのに来ると思わなかったんだよ・・・」
「カメラ渡しに行くんだから当然じゃね?」
「家で渡す方が速いだろ」
「あ」
「思いつきもしなかったかそうか・・・」
秘密にされていたのは、俺ってかフミ達の方らしい。存在そのものを隠すことが目的だったそうだ。
何故か。
仮に、教授にフミたちの存在がバレたら、こう思うと思ったらしい。
ダンジョンに住んでいたモンスターなら、どうにかできるのではないかと。
「はじめ、教授はあれをダンジョン特有の病気だと思ってたそうだ」
「フミ達からワクチンとかを作れると思われるとまずいと」
「そうだ。ただでさえあの時の教授は冷静ではなかったからな」
まぁ流石にいきなり飛び込んできて大暴れするロラちゃんには驚いたようだが、と、親父は天井を眺めて言う。
結果オーライであったが、俺が治せなければ危なかったと。
今度からは、もうちょい真面目に止めるか。
「んで?結局なんでロラちゃんがあの部屋の事を感知出来たのかわかってるのか?」
「知らん」
「はぁ?」
「ぶっちゃけ聞いてない。そもそもロラちゃんはうちの子の中でも特別なモンスターなんだぞ?わからんて」
「そういえばロラちゃんはレアモンスターなんだったな」
「フミ達とは違う。正式な意味で滅多に会えない。そもそも出現しない子だからな」
フミ達は想定されていない子達。ロラちゃんは想定されていたが滅多に出てこない子。
普通のモンスターに何か想定しなかった影響があり異常な能力を得たモンスター。
稀有な能力をはじめから所有している代わりに、出会うこと自体が難しいモンスター。
ロラちゃんは後者。そして後者の中でも特に変わったことなのだ。
なにせ、人型、もしくは女神が俺のところに来るように仕向けた子だ。何か俺でも知らない。知ることの出来ない能力があってもおかしくない。
「女神も教えてくれなかったし」
「そうなのか」
「まぁそのうちわかるのだわ~とか言ってはぐらかされたんだけど」
そのうちってことは、今知るべきではないってこと。または知らなくても問題ないことのどちらかだろう。
あの軽い感じだと、恐らく知らなくても問題ないことなんだろう。
まぁ俺がまだ弱い・・・基準に達してないから教えてくれないって可能性も十分あるのだが。
「てか俺的には、あのロラちゃんがあんなアクロバティックな動きするとは思わなかったんだけど」
「うん?元から速い子なんじゃなかったか?」
「いやぁ・・・うちだとあんな様子全くみせないからなぁ」
家でごろごろしてるか。今なら子犬達と追いかけっこ。
しかも走ってる途中でこけるし。本人は軽いしもふいから痛くはないらしいけどさ。
「回し蹴りなんて想像もつかないわ。誰が教えたんだか・・・」
「・・・ニホリじゃないか?」
「はぁ?・・・あ」
やべぇ心当たり多いわ。
今更言うことでもない気がしますがよろしければ感想などお願いいたします。
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