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354話

熱いのでしっかり水分取りましょう。こういう時は水まんじゅうに似てると噂のすらっぴが欲しいです。ひんやりしてそう

「クゥー!」

「おお!!・・・おお?」

「クゥ?」

「どっから喋ってんだそれ」

「・・・クゥ」


ふーちゃんは最近『変化』で変身できるものを増やす練習をしていた。

ことの発端は前のダンジョンのティラノに炎の魔法が一切効かなかったことだ。その時、自分だけ何もできないーと不貞腐れていたのだ。

それをニホリとフミに慰めてもらいつつ、次回は戦えるようにとフミから『変化』の特訓を受けていた。

その成果がこれ・・・でいいのだろうか。


「どっからどう見ても槍」

「クゥ」

「ふーちゃーん!練習せーへんのー?・・・おろ?」

「クゥ!」

「あら。もう見せてもうたん?」

「クゥクゥ」

「でもまだ実用的ではないからなぁ」

「何の話?てかこれは?」

「ああ、ふーちゃんが炎を使わんでも戦えるようにっちゅう変身なんやけど」

「何故武器そのものに」

「やって人型はいやーいうんやもん」

「クゥ」

「あー」


多分前に変身して大変なことになったからだろうなぁ。主に俺が。

その時に人型禁止っていた気がするし。後毛が無いと抱っこしてもらえないって何それ。


「俺毛がなくても抱っこするじゃん」

「クゥ?」

「イグアナとか」

「う!?」


チョイスそうなってんだって言われても仕方なくない?


「んで?ふーちゃんのこれがまだ使えない話ってどういうこと?」

「クゥ!」


使えるもん!とはいうが、『変化』においてフミの見立てはほとんど正しいだろう。

長い事使ってるだけあるっていうか。


手に持ってみると、ふーちゃん(槍)の感覚はまぁ普通の槍って感じだ。

本体的にはおしりの部分にあたるのだろうか、石突から狐のしっぽのようなものが伸びている。

ふーちゃんの気分が表れているようで、さっきからぶんぶん振られている。

どうやらまだ使えないと言うこと言葉に反論しているようだ。


それに対し、フミは冷静に返す。


「いや、脆いやん」

「・・・クゥ」

「恭輔の力で振り回されるにはちょいとまだなぁ」

「ん?どういうこと?」


手触りは全体が金属って感じだ。だからそれ相応に硬いと思うんだが。


「やから、普通の鉄にしかなれんのよ」

「あー」

「そらあかんやろ?熟練すればもっと硬くなれんやけど」

「フミがやるとどうなるんだ?」

「うち?うちやと・・・そやな。前にあげた斧なら軽く壊せるくらいには」

「それはもはやどんな領域なんだ!?」


あの斧だってかなりの物だって話なんだぞ!?

研究所で見てもらった時には今までにない金属で以上に軽く、硬度もあるっていうあれだったのに?

あれより強いの?


「そらまぁ・・・うちやし?」

「それもそう・・・なのか?」

「ともかく!まだふーちゃんは槍で戦ったらあかん!」

「クゥ~」


しぶしぶと言った感じに、ふーちゃんが槍から狐に戻る。

だがそのサイズは大きめ。


「クゥ!」

「おぶ」

「・・・う?」

「ああやって慰めてもろてるんやろ。うちも時々やる」

「うー・・・」


俺の半分くらいまでの大きさになって、俺に突撃。

まぁそれくらいで倒れることはないが、ふーちゃんもそれがわかっているから尻尾を器用に使って俺に密着する。

そして顔を俺の顔に近づけて静止。

なんとなく顔を撫でてあげるとくすぐったそうに眼を細める。俺が撫でる手を捕まえてそのまま口にパクリ。


「クゥ・・・」

「・・・」

「あ、ところでニホリはなんか用あったんとちゃうん?」

「う。うーうー」

「わん?」

「う!」

「わん!」

「ああ、子供たちがお休みなんやな」

「うー?」

「ええよ。うちが伝えとくわ。今の恭輔感極まって声聞こえへんやろうし。コロちゃんどないする?」

「・・・ワン」

「ほ。特訓かいな。相変わらず真面目というか・・・向上心高いなぁ」

「ワフ」

「まぁ確かに言えとるなぁ」





















「きき~」

「ハッ!!」


気がついたら2時間経っていた。

ふーちゃんは寝てるし。バトちゃんに仰がれなかったらまだ暫くそのままだったかもしれん。


「あれ?みんなは?」

「き!きき~。きー!」

「ふむふむ。ルミネはニホリと子供のお守り。コロちゃんは訓練中。フミは途中からそれに付き添って、なんとなく俺の部屋に寄ったバトちゃんが伝言を任されたと」

「き~」

「なるほど・・・何故放置食らったのか」

「き」

「マジか」


フミは数回話書けたらしいが全く反応がなかったから放置したらしい。

最近嫁が俺の扱いに慣れてきたなって。


「きき」

「え?マジ?」


時々フミが似たようなことやっても同じだからそら慣れるわってマジ?


頼まれた伝言を伝えたからか、バトちゃんは止まり木に止まって自分の魔法とチェックを始めた。

部屋の中でやるのは、微風を拭かせて調整が出来ているかの確認をしたいからだ。外だとどうしても他の要因が入ってきちゃうから、細かいコントロールを見るときにはダメなんだって。

なんとなくぽけーっとその姿を眺めていて、ふとあることに気がつく。

魔法に関して。


「そういや、すらっぴの魔法て進化しないのか?」

「き?」

「いや、水魔法のままじゃんか」

「・・・き~」

「ふーちゃんもしーちゃんもバトちゃんも、だいぶ前に変わっただろ。時期的にはとうの昔に進化していいんじゃない?」

「きー」

「・・・クゥ?」

「あら?起こしちゃった?」

「クゥ・・・」


ふーちゃんが目をしばしばさせている。まだ少し眠いようだ。

だが今寝たら夜大変なことがわかっているからか、尻尾を俺から放して立ち上がり、体を振って眠気を覚ました。


「クゥ!」

「あいあい」


ふーちゃんもだけど、全員気がついたら魔法が上位のスキルになっていた。

すらっぴの魔法が進化してないのは確認している。この間カード見たし。ピッちゃんの『無属性魔法』に関しては変わった魔法だと思うので例外だと思っているのだが。

んー?ただ『水魔法』が特殊かと言われると違うだろうな。

となると、問題はすらっぴの方にあるのか?

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― 新着の感想 ―
[一言] すらっぴの魔法が進化していない理由は基本的に水カッター(溶解液)の一つで十分な火力が出てしまい、他の形や用途への変化をさせていないからと見た (ゲーム的に言うと熟練度が不足している) 拘束系…
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