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334話

本日分です。ポヨネの話書いたんですけどいつ投稿したものか・・・

「んで、何故にこっそり付いてくる」

「いやー邪魔しちゃダメかなって・・・」

「何に気使ってんだか」


笹村宗吾(ささむらそうご)

趣味キャンプ。

2駅先のアウトドア用品店でバイト中。


「んで、恭輔の貴重なお友達ってわけやな」

「遺憾ながら・・・」

「何故遺憾!?」

「う?」

「ところでこちらのお子さんは・・・」

「ニホリ、挨拶」

「う!」

「え、え?・・・よ!」

「う~♪」


右手をあげて、よっ!って感じの動作でよろしく!って言ってたんだけど伝わってないな。

まぁなんとなくでわかる雪ちゃんが変なのか。


「よろしく!って言ってたぞ」

「いや、う、としか言ってないような」

「う?」

「あーちゃうねんニホリ。雪ちゃんの方が変わっとるねん」

「うー?」

「ほんまほんま」

「いやうしか言ってないよね?」

「お前にはまだ早かったか・・・」

「何が!?」


ニホリ検定。出会った初日だけど。


「ちなみに俺の・・・俺の・・・娘でOK?」

「う!」

「娘です」

「それ確認取るようなことじゃないよな?」

「んで、こちらお嫁さんです」

「よろしくなぁ」

「あーそこは確認取らんのか。余計複雑さが増しているんだが」


相変わらずのツッコミの鋭さだ。会話のテンポがいいよね。


それにしても言われてみると俺たちの関係は他から見たら複雑に見えるよな。

ダンジョンの事を話すわけにはいかないし。関係者ならともかくな。

どうしてもそういう闇っぽいものが見え隠れする説明しかできない。・・・まぁこいつだから適当でいいか。


宗吾はフミに聞くのが一番聞きやすいと思ったのか。恐らくずっと聞きたかったであろうことを聞いてきた。


「あの~」

「お、うちに質問やな?」

「・・・ニホリちゃんってフミさんの娘さんで・・・」

「???いや?うちの娘ではない・・・あ、でも恭輔の娘ならうちの子?」

「う?」

「どうなんやろな。言われてみると確かにそうやし・・・ママって呼んでみ?」

「う」

「わかる。うちも違和感すごいわ」

「藪蛇だったぁ・・・!!」

「まぁそうなるよね」


さらに加速するよな。複雑さ。


「え、これ俺足突っ込んで大丈夫なやつ?」

「何も問題ねぇよ・・・」

「ニホリちゃん う、しか言ってないけど・・・」

「小学生の女の子は普通に会話するからお前がおかしいだけだぞ」

「マジ?」

「これはマジ」

「マジかぁ・・・」


雪ちゃんは・・・まぁなんでわかるんだろうか。

俺みたいなタイプではないと思うんだけど。

まぁ宗吾は俺たちの関係のややこしさに疲れたのだろう。

別の事・・・てか、俺が学校を辞めた話をし始めた。具体的には、なんでやめたかを。


「でも驚いたわ。急に学校来なくなったと思ったらやめてんだもん」

「あー、それはすまん。いろいろ訳ありでな」

「・・・ちなみにフミさんとか関連してやめたとかは」

「まだその時出会ってないんだよなぁ。単純に、親父たちの仕事の手伝いでってことだよ」

「仕事?・・・ああ、生物学者だっけ。それの手伝い?」

「まぁ・・・ほら。俺の特技あるじゃんか」

「あ。そういうことか。じゃあお前の最終学歴高校中退?」

「学歴的にはそうなるな・・・まぁ学力認定の奴は受けて取ったけど」

「え?マジ?頭良きかお前」

「前から良かっただろ」

「いやそうだけどさ。まさかそこまでとは」

「流石に大学は行ってないけどな」

「行ってたら驚きを通り越して気絶するね」


何を言っているのだろうかこやつは。

はぁ・・・相変わらず無駄に空気に読めるやつと言うか。

言われたことをちゃんと信じてないけど、俺が聞かれたくないことを綺麗に避けていやがる。

何か隠しているのはバレてんな。


「ハッ!そういうことは、お前今社会人!?」

「・・・そういえばそうだな」

「いいなぁ。しかも親父さんの同じ仕事だろ?天職じゃんか。ペット増えただろ」

「何故わかった」

「むしろなんで増えてないと思うと思ったのか」


俺の事・・・動物と話せることを知っている数少ない1人だ。

なんかダンジョン関連のせいで、かなり増えた気がするけど。本当は知っている人は限られてたんだ。

俺の高校時代だと、知っている人は家族と園長先生を除くと本気でこいつらだけかもしれない。


まぁこいつの場合教えたって言うか、バレたというか。

何も言われない。むしろキャンプ中に熊に出会っても安全じゃんいいなぁとか言われたけど。

・・・普通その感想は出てこないよな。


「そういや、拓真は元気か?」

「元気にしてるよ。受験勉強で悲鳴を上げてるけど」

「・・・ああ、そうか。もう受験か」

「お前も高校生ならそうだったのに。羨ましいな普通に」

「どこ行きたいんだ?」

「東大」

「言ってろ」

「すいませんもっと普通の大学ですはい」


まぁ元気そうに受験に苦しんでいるようで。

・・・あれ。こいつらあれに応募しないのかな。


「お前ら冒険者の募集受けなかったのか?」

「いや。あれ高校生ダメだろ」

「ん?年齢的には・・・あ、そっか」

「そそ。学生はダメって話だったし。行きたかったけど」

「だろうな」

「俺達あのダンジョン物産展行ったんだよ」

「行ったのか?」

「めっちゃ混んでたけど。行ってよかったとは思ったよ」

「何が楽しかった?」

「肉」

「楽しいとは」


それはおいしいなんだよ。


「まぁ冗談として。やっぱり俺は風景の写真が良かったなぁ。めっちゃ綺麗じゃん海とか山とか」

「険しい写真もあっただろうに」

「あれはあれでいいんだよ。自然の素晴らしさっていうのはああいうところに出てくるんだよ」

「さいでっか」


まぁキャンプ好きとしては、そこは外せないところなのかもしれないが。絶対写真見て、俺もああいうところでキャンプしたいとか思ったんだろうな。

何か既に空想の中に入り込んでるんか、目が遠く頬は緩んでいる。


「とりあえず戻ってこい」

「おおう・・・拓真はモンスターの一部に興味深々だったな」

「急に戻るじゃん。・・・一部に?」

「ああ。ドロップ品って言うんだっけ?この素材ならこういう武器がーとか色々考えてたみたい」

「あ、そういうことか。てっきり戦いたくなったのかと」

「流石にないだろ。そもそも俺達運動出来ないし」

「キャンプしに険しい山上るやつが何言ってんだ」


俺は言わずもがな。親父の血がある。

宗吾は自分の趣味であるキャンプでいろんな所に足を伸ばすので結構体力はある。

もう一人の拓真ってやつは・・・まぁ俺もサブカル方面の知識を植えこんだ張本人だからな。


それにしても、直接会うのはほぼ一年振りだが、変わらんものだな。

相変わらずっていうのは、いいことだ。


「はぁ・・・まさか恭輔が一番最初に彼女・・・通り越して娘と嫁ゲットとは」

「おうどういう意味だ」

「だってお前、コロちゃんと結婚するものかと」

「お前もそれいうのか・・・」

「結構言われた?」

「大体俺の事を知ってる人全員に言われたよ」

「それがお前の評価だから甘んじて受け入れろ」

「解せぬ」

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