330話
感想でご意見いただきまして行間隔を短くしてみました。全体的に。
自分でも読んだ感じこの方が読みやすかったのですが、前の方がいいとかのご意見が多かったらまた戻させていただきます。
あ、30万ユニークアクセス達成しました。ありがとうございます。
大門家草むしり初代チャンピョンすらっぴの一言
「ぴぴ~♪」
だそうです。
「いやなんて言ってるんだ・・・」
「もう少しフミの身長が低ければ負けていたって」
フミはかがまなきゃいけない分それがロスになってたんだって。
「・・・」(ペラ
「・・・」(カリカリ
「・・・」(ペラ
「・・・」(カリカリ
「・・・腰いてぇ」
「ワン」
数日間にも及ぶ草むしり。毎日7時間くらい草むしってたからそら腰も痛くなるというもの。
『土魔法』か『草魔法』でどうにかできればよかったんだけど、そうは上手くいかないのだ。
まず、薬草として使うために根っこを傷つけないように引っこ抜かなきゃいけない。
その時点で『土魔法』が使えない。地面事ひっくり返して、ダメにする薬草を考えると使えない。
『草魔法』はまだ地面に生えている草をピンポイントで狙って引き抜くのに時間がかかる。その暇があるなら自分で抜いた方が速い。
そんなわけで、ずっと屈んでいた。結果、俺の腰が痛い。
だから今日はお休み。珍しくフミもダウンしてる。
今はリビングでニホリに湿布を張られているところであろう。俺はそこまででは無かったのでセーフ。
コロちゃんに寄りかかりながら読書中。
読んでいるのは植物関係の論文とか、図鑑だったりといろいろ。『草魔法』を使うにあたって、その方面の知識を得ないと駄目だろうと考えた結果だ。
まぁ主に見てるのは、植物の種類ことの知識と言うより、植物全体の知識なのだ。
大体わかると思うが、俺が『草魔法』で出せる植物は既存の植物とは違う。
そもそも俺の手から生えてくる蔓とかなんなんだって話だ。
「・・・読めば読むほど使える気しないなこの知識」
「ワフ?」
「いや、多分性質の真似とかはまだできないしな。まぁ先への投資と考えれば・・・」
現状の『草魔法』・・・もはや『蔓魔法』と呼んでいいんじゃないのかとか思うけど。
それくらいには使えない。蔓は出せるが、そこまで太いのは無理。数を出すのも最近になってようやく5本同時。
俺的には、庭の手入れとかしたいんだけどそれが出来るようになるまでどれくらいかかることか。
ゆっくり育てるって決めたのは俺だが、ここまで育たないとは。『土魔法』の時はもっと自由度高かったし、成長も早かったんだけどなぁ。
「せめて花とか咲かせられればな。良い感じになるだろうに」
「・・・ワフ?」
「・・・まぁ戦うのは無理だな」
花でどう戦えってんじゃ。
だがまぁ進歩もあるのだ。蔓の本数もそうだが、強度が上がった。数本まとめれば、ロープの代わりにできるくらいには丈夫だ。
あーああーとか叫びながら木と木の間を飛んだりできるぞ。
モンスターに引っ掛けて使うこともできる。『土魔法』の方でも似たようなことは出来るけど、『草魔法』でやった方だ消費が少ないしコントロールもしやすい。
やっぱり魔法ごとに向き不向きはあるよな。馬鹿にできない範囲で差が出る。
「だけどやっぱり芝の管理を・・・」
「・・・ワン」
「わかってるよ~・・・とう」
「ワフ」
「良いではないかー肉球ぷにぷに」
くすぐったいと言われてもやめないよ!
本当に嫌がってるならやめるけど、そこまでじゃないみたいだし。
それにしても、コロちゃんの肉球はぷにぷにだ。
走り回ってるし、結構硬いかと思ったがそうでもない。もしや、これもレベルアップの効果だったりするのだろうか。
なんて俺好みの影響なんだ。
「そういやふーちゃんもやわっこいな。ポヨネもそうだし」
「ワン?」
「普通ならもう少し硬いんだけど・・・んん?」
もしかして、結構大事なことに気がついたか?
「・・・ちょいと猫たちで確かm」
噛まれた。
「うーっすフミ大丈夫かー」
「・・・恭輔ー!!」
「あら?何故に狸モード」
しかも背中に湿布張ってあるし・・・大丈夫なのかそれ?
「めっちゃすーすーするぅ」
「あー・・・慣れろ」
「うぇぇ」
「あらあらまぁまぁ」
フミが俺に背中を擦りつける・・・てか、摩擦すげぇ・・・
まぁ湿布って慣れないと違和感すごいよな。俺もだいぶ前に打撲したっきり張ったことないけど。あんまり張りたいもんじゃないな。
冷たいし、違和感は確かにすごいよな。
多分張ったのはそこで額をぬぐっているニホリだろう。
あいつは腰の痛みはなさそうだな。まぁ人形だし。便利だなおい。
「疲れるのに痛みはないのか?」
「う?うーうー」
「何してんだ」
そもそもむしってないとは。さぼってたな?
と、思ったら違った。
すらっぴとかが持ってきた物を全部鞄の中にキレイに仕舞っていたらしい。
確かにみんなだと入れるの大変か。許そう。
「恭輔ぇ・・・」
「はいはい。さすれば少しは暖かいだろ?」
「・・・ちょいとだけや」
「しゃーない。すぐ治まるよ」
大体腰の痛みだって慣れない姿勢で長時間働いた結果だからな。少し休めば元に戻ると言うものだ。
俺はコロちゃんに寄りかかってたらだいぶ治ったし。
「あれ?そういやあの子たちは?」
「うー」
「ああ。ならいいや」
あの子達・・・まぁうちの子で名前のない子は決まっているのだが。
狼犬の家族だ。ダンジョンにはもちろん入らせていない。危ないし、まだ子供も赤ちゃん。母犬だけを連れて行くわけにもいかないしな。
今はねっさんの分身達が遊び相手になってくれているようだ。ニホリが庭にいると言っていたし、多分走り回っていることだろう。
狼犬と言うのは、非常に運動量を必要とする。
これは狼であるコロちゃんもそうなのだが、物足りなかったら勝手にダンジョンに入って走り回ってるからあんまり手がかからない。
だけど、狼犬達はそうもいかない。散歩には毎日連れてかないといけないし、いろいろ気を使うことも多い。
その中でも運動関係は特にだ。俺が庭にみんなが遊べるアスレチックを作っても、そればっかりやらせるわけにはいかない。
普通に歩いたりってのも躾的には必要だからな。散歩の練習というわけではないがな。
ほら、飼い主の前を歩かせないとか、そういうことだ。
ちなみに、ねっさん達に遊んでもらっている時は散歩には行かない。
何故って、単純に疲れてそれどころじゃないから。
ダンジョンで鍛えられたねっさん(分身)が無数にいる中で、庭を追いかけっこしてみたらそら疲れるわ。
ほら、今も一匹連れてこられてきた。
「ちゅ!」
「おっつー」
「・・・わん」
疲れて寝そうな子犬が一匹ねっさんに運ばれてきた。
こんな感じに、全力で遊ぶもんだから毎回こうなる。散歩も行かなくても体力は使い切るってものだ。
だけど本当に寝そうなので、フミから離れて受け取る。
そのまま子犬たち専用のゲージの中へ。
頭とか、首の下あたりを撫でてあげる。
「・・・くぅん」
「寝てていいぞー」(小声
「・・・zzzz」
「よし」
「恭輔ぇ」
「ああこっちもだよ」
今日は偉く手のかかる子供が増えた気分だ。
フミの元に戻ろうかと思ったら、手が暖かい感触が。
ふと見てみると、寝しまった子犬ちゃんが俺の手を腕で捕まえて指をしゃぶっていた。
・・・スゥー
「・・・恭輔?」
「フミ、自分で来い」
「ほわ!?」
俺は今この一瞬を脳内に刻み込むので忙しい。
ニホリ、カメラ持ってきて。
滅多に使わないニホリとの魔力ラインの通話でカメラを要求する。
普段使わないもんだから、急に頭の中に声が聞こえてビクッと肩が大きく上がるニホリ。
こちらを見て一言驚かせるなと言ってからカメラを取りに行ってくれる。
すると、今度は足に何かが。
「恭輔ーぇ」
「お。来たのか」
「うちも抱っこぉ」
「・・・本当に嫌なんだな湿布」
「めっちゃヤダぁ」
「しゃーないなぁ」
片手でフミを抱えて、片手は子犬にしゃぶられて。
・・・我ながら、なんていい空気を吸っているのかと思う今日この頃。




