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327話

夜分です

世界各地での大規模なダンジョン出現からはや1週間。

今回は2回目ということもあり、最初のころよりは混乱は少なかった。

それでも、その場所に何があっても関係ないと言わんばかりに様々なところに出てきたから、所在の確認と建物に被害がないかの確認は大変そうだが。


俺の方はいたって何もない。普通と変わらない。

まだ新しく出てきたダンジョンは探索の許可が来ないから入れない。俺が入るのが一番手っ取り早いんだけど、万が一があるといけないとのことらしい。

俺がダメな場合って、現時点では誰も入れないダンジョンってことになるから俺以外が行く意味ないと思ったけど。


だが、そんな時間ともおさらば。ついに俺が入ることになったのだ。



「んで?少しくらいわかったことあるんやろ?」


「まぁな。とは言っても、入口からそこまで離れてないみたいだけど」



うちの倉庫にあるダンジョンは、最初に出てきたダンジョンのままだ。

だから、一番近い場所は所沢の物になる。なると思ってたんだけどなぁ・・・



「何故倉庫を増設したらそこに増えるんだ」


「呪いやな」


「うー」


「嫌な呪いだ」



そう、うちの家の倉庫にダンジョンが生えてきちゃったから、入る量が減った。そこで新しく倉庫を!ってなるのは普通だろう。

結構前から準備してて、7月に入って増えたから荷物も動かした。

なのにその中に新しくダンジョンが生えてくるという。


実はダンジョンが出てきた次の日くらいに人型が来て


「増やした」


って言われたのだ。

多分これ


「(近くに)増やした」


ていう報告だったのでは・・・



「それはええから、はよ情報」(バンバン


「うーうー!」(バンバン


「わかったわ!」



テーブル叩くな。


では、新しいダンジョンの情報をわかっているだけ。

まず、中は草原になっているそうだ。見た限りは草原のみ。特に木とかも生えてない。



「洞窟型やないんやな」


「うー?」


「モンスターに関しても違うぞ」



スライムはいるみたいだけど、全くこちらに攻撃してこないらしい。

試しにダンジョンに入った時にごみを投げてみたらそれに向かって駆け出して食べ始めたそうだ。

何回も繰り返しても同じことをするそうなので、スライムはダンジョン内の清掃係になっていると思われる。



「これが写真な」


「・・・うん?コアないやん」


「う」


「そそ。だからちょっと倒しにくいと思う。まぁ倒す必要ないんだけど」



襲って来ないんならスルー安定だわな。

それに、もしかしたらすらっぴとは違うスライムな可能性もある。そこは気になるところだ。



「んで、もう1種類が本命。なんとネズミです」


「おろ?ねっさん?」


「う?」


「ちゅ?」


「呼んでないで」


「ちゅちゅ?」


「お前の同類が新しいダンジョンの階層で1層に居るかもって話」


「ちゅ~」



あんまり興味ないなこの子。

そもそもうちの子って同族でも容赦なく倒しちゃうから今更か。



「写真これ」


「・・・ちっさない?」


「うーうー」


「そうだな。普通のよりは大きい」


「そうなん?ちなみに普通のってどれくらいなん?」


「・・・大きくてもハムスターより大きいくらい?」


「ちっさ」



まぁそんなもんだろうよ。

新しいダンジョンで確認されているネズミはねっさん(初期)の半分ほどしかない。

今のねっさんが中型犬より小さいくらいだから、小型犬くらいか。

攻撃手段は恐らく噛みつきと体当たりになるだろう。入った人は戦うことなくかえってきたらしいから、詳しいことはわからない。



「良く帰ってこれたなと思う」


「そうやな。戦わへんて逆に難しいんやないの?」


「まぁ・・・俺たちみたいに走ればなんとか?」


「無理」



わかっている情報はこれくらい。

モンスターの情報がわかっているだけいいけど、ダンジョンの階層の情報は一切わかっていない。

本当にモンスターがこれだけかも微妙だろうけど。まぁいても問題なさそう。



「とりあえず行くか」


「はいなー。みんなー、行くで」


「ワン!」


「ぴ!」


「きき!」


「ちゅ!」


「クゥ!」


「る!」


「うーうー!」


「めぇ!」


「!!」



準備万端みたいだな。



「んじゃ、行ってくるなロラちゃん」


「」(グッ



ロラちゃんのガッツポーズに見送られて家を出る。

新しいダンジョンは、どうなっているのかな?
























新ダンジョン1層。

広い。以上。



「・・・普通にいい環境なの笑える」


「草原タイプてどうしてもこう・・・ねむなるな」


「寝るなよ」


「流石にねェへんけど・・・欠伸くらい許してや。ふわぁ」



良い日照りなのは認めよう。気抜きすぎだろ。


んー?気配的にはいないけど・・・



「ねっさんどうよ」


「・・・ちゅ!」


「ああ、そこそこいるんだ。弱い?」


「ちゅ~」


「まぁだよな」



試しに分身たちで体当たりしてみたところ、それだけで倒せてしまったらしい。

まぁねっさんもレベルに見合うくらいの身体能力はあるし、速度に乗った状態なら倒せるでしょ。

問題は、やっぱり弱いんかってところだよなぁ。



「でも、ここってもっと人間をダンジョンに入らせるために作ったダンジョンなんだろう?何かあると思うんだけど」


「1層やし、まだなんやないの?」


「いや、本当に人間を潜らせることを考えてるんなら1層から何かないと難しいだろう」



それは人型には伝えている。だから何かあると思うんだけど。



「んー・・・ポヨネ、何かないか『鑑定』でしらみつぶしに見てくれない?」


「・・・恭輔さん」


「・・・どうした?」


「もうありました。なんか」


「・・・あったのか」



入口からほとんど動いてないんだけどなぁ・・・

ジッとポヨネは地面を見ている。そこに何が?



「いやこれですこれ」


「草だな」


「草やね」


「うー」


「ただの草じゃなくて、薬草って出たんですけどこれ」


「・・・は?」



ダンジョン入って数分したところの地面に薬草?



「まぁ効果は低いですけど、スキルと組み合わせれば少しいい物は作れますし」


「いやそこじゃなくて。ダンジョンの地形から素材が採れると?」


「そうなりますね」


「おおおお・・・そうなったのか・・・」



そうした方がいいとは言ったけど、本当にそうなるとは。

前のダンジョンが全くあんまりそう言うのなかったから、何かしら問題があってできないものかと思ってたわ。


とりあえず、土ごと根っこを切らないように薬草を魔法で浮かして回収する。

きちんと全部まとめて検査してもらわないといけないしな。それに、ダンジョンで採れる薬草だ。地上で採れるものより効果が高いだろう。

ポヨネは効果が低いと言っていたが、それでもやっぱり期待してしまう。

もしそれが地上で育てられればなおよい。


てか、こういうのあるなら何かしらケース持ってきた方がよかったな。

仕方ない。



「ニホリ」


「う!」



ニホリに全部まとめて浮かしてもらって形を保持する。

丁寧に他にも薬草を採取していたところ、ねっさんが大きな声で驚いた。



「ちゅ!?」


「んお?どうした」


「ちゅ、ちゅっちゅ!」


「え?どっち?」



あっちから来るから待っててとどっちからだよ・・・と思ったら東からねっさん(分身)が走ってきた。

何か咥えてるが、ドロップか?ネズミだったら歯かしっぽだろうけど。


そう思って分身から手に加えてた物を受け取ったら、それは石だった。

魔力の籠った石だった。



「・・・ほ?」


「ちゅ!」


「倒したら?」



・・・これって、魔石か?

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