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326話

PSO2の新作が発表されてテンション爆上げ

7月も過ぎ、ダンジョンの攻略も本格的に再開し、57層までの攻略が終わった。

56層のカブトムシの映像を持ち帰った時には、研究所の男性陣大興奮だった。



「るる~」


「にゃ~」



そうそう、ピッちゃんも新しい精霊を生み出した。

ピッちゃんの要望に沿った、強い動物を元に作られた精霊。動物園の動物たちを何度も見て記憶に焼き付けた結果、ふーりんちゃんを始めて出した時とは比べ物にならないほどのクオリティで生み出されたその精霊は・・・



「・・・ぐぅお?」


「クゥ~♪」



太い尻尾とお腹の袋が特徴。何故かふーちゃんが今入ってるけど。

そう、カンガルーだ。なんでだと思うこともあるだろう。


だが、割とこれは理に適っている。

テレビ番組とかで、ボクシングみたいなことをしているカンガルーを見たことがあると思う。

ピッちゃんの印象も、そちらの方に偏っている。本来の生態よりかは、好戦的だし素早い。

まぁ動物園で見たカンガルーは寝そべってたからそのイメージも混ざったけど。暇な時は寝そべって日向ぼっこするっていう。

特異な攻撃は軽いフットワークを活かした近接戦闘。拳を使った攻撃は、非常に強力だ。後、割と筋肉質じゃない。ボクシングやってた子は結構ムキムキだったはずなんだがなぁ・・・



「何故に」


「るる」


「うちに合わない?そんな理由で・・・」


「まぁ精霊に筋肉関係ないんやし」


「それもそうだけど・・・」


「クゥ~・・・zzz」


「ぐぅ!?・・・ぐぅお」


「ああーうん、すまんカルちゃん」



名前はピッちゃん命名でカルちゃん

カンガルーだからだろうけど、俺に似てネーミングが安直になったなピッちゃん。飼い主に似たな。


ふーちゃんがカルちゃんの袋の中に入って、ご満悦でニコニコしてたらなんか寝た。

それにうそでしょ!?と驚いて、おれの方に持ってきてくれた。

これもピッちゃんのイメージが入っているのだろう。カンガルーの親が子供をお腹の袋に入れるのは、生後間もない赤ちゃんを守るため。

それを教えたからだろうか、カル君は自分より小さいか、弱い生物に対してとてもやさしい子になった。

ふーちゃんをはじめ、すらっぴやねっさんが遊んで~と来たらカル君も嬉しそうに遊んであげて、いろいろわがままを聞いてあげている。

皆にとっては、新しい兄・・・兄?姉か?・・・まぁ性別不詳の遊んでくれる家族が増えたって感じだな。


じゃあ俺たちに対しては普通の対応なのかと言うと、これが違った。



「・・・ぐぅお?」


「いや、俺はいいよ」


「ぐぅ・・・」


「えぇ・・・」


「しゃーない。こんなこともあろうかとここにポヨネが」


「え、私いきなり連れてこられて何を」


「とう」


「え」


「ぐぅお♪」


「えぇ」



そう、めっちゃ世話焼きになった。

いや、多分子供にやさしく、愛のある動物ってイメージして・・・多分俺と被ったのか。

みんなの世話を見ている俺が精霊に交じり、ものすごく世話焼きに。

今も俺がふーちゃんを受け取って、この袋に入ってたんだよなぁとか思ってたら、入る?って聞いてきたし。

それ断ったらめっちゃ落ち込むし。フミがポヨネを連れてきてて袋に入れてくれたからご満悦みたいだが。



「え、いや。どういう状況で」


「カルちゃんが落ち込んどったから」


「・・・まぁ恭輔さんはこれには入れませんよね。大きくて」


「!?ぐぅ!!」


「る!?」


「あれ?カルちゃんは自分で大きくなれないのか?」



ふーりんちゃんは自分の意思で大きく成ったりできるよな。



「るるー」


「にゃ?」


「精霊にも、個々の能力に差があるみたいですね」


「多分、カルちゃんは物理的な方面に寄った精霊やから、ふーりんちゃん程自由自在に体が変わらんのやろ」


「それに、ふーりんちゃんを生み出した時はピッちゃんのイメージも固まってなかったので」


「固まってないことが性質としてふーりんちゃんに現れたと」


「おそらくですが」



なるほど。それは納得のいく話だ。

鳴き声がおかしかったように、形も最初はいろいろ不定形だったふーりんちゃん。

それはピッちゃんのイメージ不足もあるが、それがふーりんちゃんの個性として定着してしまったと。確かに、勉強の時間がありすぐに修正しなかったからな。


逆にカルちゃんはきちんとイメージした結果だから、ふーりんちゃん程の自由さがないってか。



「その分強力なイメージってことですから、単純なスペックならかなり高いですね」


「具体的には?」


「えっと・・・40層ボスなら砕けるんじゃ」


「砕くて」



俺もできないわ。流石近接特化。コロちゃんと別ベクトルの特化が生れてしまった。


カルちゃん。カンガルーみたいにピョンピョン跳ねるんだけど、その影響かものすごく一歩が速い。

大地を砕く勢いで踏み込むから、自身の体格も相まって砲弾のようになる。高速で突撃してくる戦車と見てもいいかもしれない。触れたら吹き飛ぶだけならまだマシ、その辺のモンスターならあっという間にぐちゃぐちゃになる。



「全体的に強いのねカルちゃん」


「そうですね・・・まぁ壁かと言われると」


「結局壁役は恭輔だけやな」


「それはまぁ別にいいんだけどさ」


「おろ?サイがええとか言っとたやんか」


「あれは俺の趣味が大きいしなぁ」


「やっぱりですか・・・」


「まぁ恭輔やからな。知ってた」


「いいじゃんかちゃんとピッちゃんの希望には沿ってたんだから。なぁ」


「るるー・・・」


「聞いてないし」


「どうしたら大きくできるって・・・無理では?」


「どんだけ今の体格のイメージ強いんだピッちゃん」



まぁ普通何かしたの動物思い浮かべたら基本的にそのものの体長でイメージするよね。

ふーりんちゃんが特殊なんだよ。

だからってなんでうちにもいる猫があんな不定形になるんだと思わんでもないけど。


新しい家族、カルちゃんがポヨネを甘やかすように一緒に日向ぼっこを始めた。

ポヨネも戸惑ってたけど、まぁいいですかと思ったのだろう。そのまま一緒に微睡み始めた。どうせならふーちゃんも入れとけ。

あ、ピッちゃんも入っていった。そろそろ一杯・・・いや、めっちゃうれしそうだなカルちゃん。ならいいか。ほっておこ。


さて、俺は何をするか・・・フミとどこか出かけるか?

そう思った時、家の中で家事をしていたニホリが俺の携帯を持ってこちらに飛んできた。



「うーうー!」


「ん?誰?」


「う!」


「親父?あんがと・・・もしもし?」


『よかった、出てくれたか』


「・・・何か緊急事態?」


『ああ、かなり大変なことになるぞ』


「まさか!」


「う?」」


「・・・きよったな」


『恐らく、お前もフミさんも想定していただろう。




新しいダンジョンが発生した。



待ちに待った時が来た。

また世界は、大きく揺れることだろう。

今回のダンジョンは、今までと全く違う。
































「状況は?」


「今はまだ状況の確認で手一杯だな。そこに現れたのかも、確認されているダンジョンが変わった場所もある」


「まぁだよな。聞いてた通り」


「お前が目をつけられててよかったよ。おかげでそこまで大きな混乱はないからな」


「うれしくねぇ」



電話を終わらせ、急いで俺とフミ、ポヨネで研究所まで来た。

ダンジョンに詳しく、可能な限り高速で移動できるメンバーで来たらこの3人だった。ニホリは流石に着いてこれないので置いてきた。あと米が炊けるとか言ってたからどっちにしろ来なかったかもしれないけど。


研究所内はパニック・・・というほどではなかった。

ダンジョン関係のその部署も同じ感じだろう。俺があの人型や女の人から聞いた情報を、俺の事に関すること以外は全部伝えたからな。

時期に新しいダンジョンが発生すること、いくつかの既存のダンジョンは中身が切り替わることも伝えてある。

誰かが中に潜っている時に、中身が変わった場合どうなるのかわからないからな。

藤岡さんたちがやっている新人のダンジョンの中での実地訓練は、俺が絶対に変えないでほしいとお願いした家の近所の山のダンジョンで行っているから問題ない。



「近いうちに潜ってもらうぞ。大丈夫か?」


「いつでも行けるって」


「カルちゃんの本格的な参戦はそっちやな」


「ですね。その前にもう一回50行きますか?」


「いいね。何か記念にいいの出ないかな」


「・・・余裕そうだな」


「慣れただけだよ。もう3か所目だし」


「はぁ。それもそうか。油断だけはするなよ」


「しないよ。新しい目標もできたし」


「うん?・・・そうか」



狼犬家族を預かって決めたことだからな。

少なくても、あの子たちが独り立ちするまで死にませんよ俺は。

それに、ようやく『草魔法』も実用的になってきたしな。



「じゃあ、何か状況が動いたら連絡する」


「うぃ。・・・飯でも食ってくか?」


「えぇ?ニホリ待っとるで?」


「そうですよ。確かに今から帰ると微妙ですけど」


「うーん・・・帰っかー」



ああ、楽しくなってきたなぁ












「うー!?」


「お、ニホリ聞いてよ。新しいダンジョンがでてk」


「うーうー!!」


「・・・は?新しい倉庫の方に穴が?」



デジャブ

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