表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
335/567

314話

ポヨネが実体化!休日になったらポヨネのおまけとか書きたいです

『草魔法』の成長に関しては、まぁ急がなくてもいいでしょという結論になった。

急いだって仕方ないし、そもそも急げないしな。ゆっくり育てていくことにした。


それに、今はもっと重要なこともある。

親父たちが家に帰ってきてから話した方がいいだろう内容だ。

いきなり研究所で聞かされるのと、家で聞かされるのだとどっちがいいのかは知らん。そこまで気を使えん。


内容はもちろん、新しいダンジョンについて。

いつ出てくるのか、それは聞いてないが間違いなく近いうちに出てくる。それも、俺の50層攻略が切っ掛け・・・というか一つの区切りになったのだろう。

・・・ぶっちゃけ、状況はすぐには変わらないだろうけど。中で手に入る物次第かな。



「そんなわけになりましたはい」


「・・・」(絶句


「・・・なるほどな」


「あらー」


「」(ムギュ



あれ?親父が思ったより驚かないぞ?



「もしかして聞いてた?」


「・・・時期は聞いてなかった。お前が伝えてきたってことは、そろそろなんだな?」


「多分な。もしかしたら10年後かもしれないけど」



あの女性の時間間隔だとありえそうだよな。

推測だけど、ものすごく長い時間を生きてるみたいだし。

てか、姉ちゃん偶に帰ってきたというのにいきなりこんな話聞かされてるし。マジ受ける。

あと母さんはもう少し反応しよう。ロラちゃんを可愛がるな。



「どんくらい聞いたの?」


「いや、新しく増やすとしか聞いてない。お前は?」


「俺もあんまりだけど、まぁ親父よりは知ってると思う」



あいつらの言い方的に、もっと実用的な物がすぐに手に入るはずだ。

食料も、燃料も、何もかもが今あるダンジョンより簡単に。


それを伝えると、少しばかり難しい顔になる。



「む。それは・・・」


「問題と言えば問題なんだけど、いい事でもあるんだよね」


「そうだな・・・人は増やさないと駄目か?」


「知らん。一回潜ってみないことにはなんとも」



まぁポヨネがいるから荷物を持ち運ぶって意味なら問題ない。

問題は新しく増えるダンジョンの難易度。

今のある物と同じくらいと考えるなら、まぁ問題ない。簡単だとしてもまだいい。難しくなっていた場合、または中級と同じになっていた場合はマズイ。簡単に人を増やせなくなる。

だがまぁ。間違いなく人は足りなくなる。冒険者じゃなくて、もっと広い定義で人が足りなくなる。



「今って研究所って暇?」


「そんなわけないだろ・・・」


「まぁまぁって感じよ?」


「それは母さんのところだけなんだけどな・・・」



やっぱり装備関係と魔石の研究関係に関しては忙しいらしい。てか、魔石関係は今がピークなんじゃないか?



「発電ってもう出来るの?」


「魔石の数が足りない。だがまぁ実用段階には来たな」


「ほほう・・・まぁ増やせないけど」


「まぁそれはいい。その問題は時間をかけて行えばいい」



新しくダンジョンが増えるってことは、そのダンジョンに対して専門的に仕事をおこなう人間が別で必要になるってことだ。

現状、うちの研究所は最初のと中級で手一杯。そこからさらに増やすことになる。

無理だな。親父の管理能力だと限界が近い。



「新しい人が来るか、俺がそっちに動くかだな」


「できんの?」


「お前を使おうとすると、どうしても俺が上にいた方がいいからな。お前、知らん人の言うこと聞く?」


「は?聞くわけないじゃん」



上司だとしても断固として好き勝手する。



「それがあるからまぁ・・・強制的に異動だな」


「出世じゃね?」


「まぁそうなるんだが・・・なぁ恭輔」


「うん?」


「お前、研究所の所属じゃなくてもいいか?」


「うん?」


「いや、一般応募で選んだ冒険者の面々が、この先でテレビなんかにでるのは知ってるな?」


「・・・知らぬ!」


「おい」



知るわけないだろそんなこと・・・。

親父と母さんが研究所で偉い位置にいるからって、俺自身は研究所の、特に新人の募集関連なんて関わってないんだ俺は。

その先のことなんて知らない。知ってるのは訓練の内容かそんなもんだ。



「ああ、そういうことか。割としっかりしてるんだな」


「まぁ聞いたところでへぇで終わると思ったから」


「・・・そうだな」



俺の事をきちんと理解できる親父様で大変よかったございますよ。

今聞くから許してくれ。



「まぁ・・・意図はわかるだろ?」


「次の募集に繋げたいんでしょ?」


「その通りだ」


「・・・え、出ろと」


「いや、そうじゃない」



親父曰く、これから先で、冒険者の所属は大きく変わっていくだろうとのこと。

今研究所所属になっているが、正確には研究所の職員と変わらない身分になっている。

これは、日本でダンジョンに関わるにはうちの研究所を通さないと出来ないからだ。


だが、冒険者が増えればその限りではない。



「例えばだが、どこかの企業が専属で冒険者を雇うとかな」


「はぁ?許可下りないだろ」


「まだ先の話だ。国もいつまでもダンジョンを国管理にする気はないんだ」



金もかかるしな。


それを聞いて、ようやく理解できた。

なるほど、変わるのはそこか。



「ダンジョン自体がもっと広く開かれるから、うちに冒険者を置いておく必要がなくなるのか」


「ああ。むしろダンジョン経済を回すには、各企業ごと、あるいは冒険者という存在が生産者なった方がいい」


「農家とかそんな感じ?」


「そんな感じだ」



魔石とかの買取価格を国が決めて、冒険者は魔石を手に入れて売る。どこにも所属してない場合はそんなところか。

もちろん、他の素材に関しても似たようなものだろう。

どこかの企業に所属する場合、その企業から給料を支払われる形で望まれたものを取りに行く形になる。


今の俺はフリーと企業所属の二つが混ざっている感じになっている。

研究員からの依頼で採りに行くこともあれば、自分の気分で潜って手に入れた物を渡すこともある。

収入に関しては、魔石の大きさとかで決めて貰う出来高制。

ノルマはないけど、俺の場合は収めた分だけしかお金は入らない。



「難しいこと考えてるみたいだが、まだしばらくこのままだぞ?」


「何故その話をされたのか」


「一応先に聞かせておいた方がいいだろう?。お前も独り立ちするだろうし」


「・・・?」


「おっと、家を出ていくことを考えてない顔だな」



家の管理を俺とかニホリがやっているのに出て行っていいのだろうか。



「・・・それは困るな」


「いやまぁ・・・いいんだけどさ。お金あるし」


「え?ニホリちゃん出てっちゃうの?」


「う?」


「・・・ロラちゃんも連れてくけど」


「恭輔の一人暮らしは反対です」


「だって」


「そうだなぁそれがあったなぁ」



俺の一人暮らしの最大の障害は母さんだったな。

俺が出ていくってことは、うちの子みんないなくなっちゃうわけだし。

それに、俺の場合は実家暮らしでも問題ないしな。



「どうしてだ?」


「いや、フミだし」


「ああー」


「へ?うち?」


「普通の人間だと、親と同居って嫌がることもあるからなぁ」


「はぁ・・・そういうもんなん?」


「まぁそういう人は多いな」


「フミちゃんは私たちと一緒でもいいわよね!?」


「うえ・・・いや、全然うちはいいんですけど・・・」


「やったー!!恭輔。一人暮らし禁止!」


「あいあい」



なんで母さんが一番の反対派なのだろうか・・・しかも、俺じゃなくてみんなが原因だろこれ。

いや、この年で今更親バカみたいなことされても困るんだけどさ。

フミなんかなんでこうなっとるん?みたいな顔で固まってるし。親と一緒に住むことの何が嫌ななんやろって顔してる。

まぁわからんだろうなその気持ちは。



「・・・仲ええんやから一緒でええんちゃうの?」


「良くない人もいるんだよ」


「・・・恭輔は嫌?」


「俺?全然だけど・・・あ、そういうことか」


「うん?」



高校にいた時も、一人暮らししたいとか言ってたやつは結構いた。

俺はその時からよくわからないなぁとは思ってたけど、なんでわからなかったか今理解した。母さんの事言えないぞこれ。



「・・・うちにいれば、動物勝手に来るからな」


「ああ・・・」



一人暮らしいて、ペット禁止とか近所の人との付きあいとか面倒なのあるし。

今の家なら、既に問題をクリアしてるから好きにできるし。



「そら出てく気なくなるわ」


「だよなぁ」



馬と羊飼える物件なんて探す方が面倒だわ。

あと、ダンジョンまで徒歩数秒だし。


いやー、我が家は神物件だなぁ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ