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309話

夜分です

「あれ?ダンジョン行くんか?」


「行かないよ?」


「ん?じゃあなんで・・・」


「るる」(ヒョコ


「ああー」


「バトちゃんが俺の手で寝ちゃってな。シャツにポケットないから着た」


「・・・いや、そのままハンガーにでもかけときゃええやんか。着んでも」


「・・・スゥー」


「る?」



思いついてたなら教えてくれませんかねピッちゃんさん。























上着を脱いで俺の部屋に置いてから再びリビングに。なんかピッちゃんは俺が脱いだらそのままポケットから抜け出してった。

何がしたかったんだピッちゃん。


リビングには、一通り家事を終わらせてくつろいでいるニホリとふーちゃん・・・がいないな。



「ニホリとふーちゃんがいない」


「お庭でプールやっとるみたいでな?遊び行ったんよ」


「ああー」



そういうことね。見事にすれ違った。

まぁいいのだ。今の目的はコロちゃん。ソファで寝転がっている貴様だ!



「ワフ」


「おおー・・・あ、大きくなってる」


「ワン」


「コロちゃんもそろそろ大人なんやな・・・番いは作らんの?」


「ワン」


「興味ないんかー。愛されとるなぁ恭輔」


「ふへへへへへへへへへ」


「あかん聞いとらん」


「ワフ」



アハァイイニオイ・・・ん?フミなんか言った?



「いやなんも言うとらんよ・・・楽しそうやな」


「実際楽しい」


「・・・ワフ」


「・・・うちもー」


「ワフ!?」



ソファで横になっているコロちゃんのお腹に顔を埋める俺。その隣に来たフミ。

お前も来るんかいと驚くコロちゃん。フミがこれやるの珍しいなたしかに。



「うーん・・・うちのとあんま変わらん」


「そりゃそうでしょうよ」


「そうなん?」


「ワン?」


「手入れしてるの俺だし」



フミは人型がほとんどだからあんまり実感ないのだろうけどね。

毛並みってのは、毛を整える存在で大きく変わる。ヨミみたいにスキルで出来ちゃうタイプはレアだけど。

うちの子たちは全員俺がやっている。だから、種族違いでも結構似てくるのだ。



「まぁ流石にその動物特有の毛並みまでは揃えられないけど」


「例えば?」


「カピパラはごわごわ系だからコロちゃんみたいにはできない」


「・・・それ言うたらうちもだいぶ違うと思うんやけど?」


「いや。そりゃ狸とコロちゃんなら違うけど。フミじゃん」



正確には君狸じゃないじゃない。



「あ、モンスターごとでもちゃうんか」


「ぜんっぜん違うぞ」



狼っちゃ狼の精霊狼何かはもはや言うまでもないし。狼人間でもコボルトでもまったく違う。

それぞれに特徴があるから、触ってて楽しい。

・・・まぁ大体殴った時の感触なのは悲しいことだが。



「そういう意味では、羊ちゃんたちと狼君たちは非常に良い」


「触っても怒らんからやろそれ」


「あと気になってんのは。木霊達とドライアドかな。木霊は触ったことあるけど」


「ああー・・・まぁ照れ屋なんよ」


「・・・ワフ?」


「・・・俺もそう思うわ」



最初に出会った時もそうだったけどさ。多分俺ドライアドにビビられてるよね。

『土魔法』が強すぎてやばいって話なんだけど。植物型からしたら、自分たちの根っこを簡単に引きちぎれるやつだし。

トレントが襲ってくるのは、あいつらが魔法型じゃないからだろう。ドライアドは逆に魔法が得意だからこそって感じ。



「それ言うなら、知能もあるやろな」


「トレント馬鹿なのか」


「馬鹿言うか・・・近寄ってきたもんなら同族以外は襲う~的な」


「単調なのね」



食べていいモンスターがいたら食べちゃうどこぞの赤いスライムたちと一緒だな。

俺たちは食べられなかったけど。あれはすらっぴがいたからだからな。

そう考えると、特殊個体がいて、その同族の子を俺がテイムしていたら襲われないことに・・・あ、ダメだ。素材が集められなくなる。



「いや、そもそもそんなポンポン特殊個体はおらんわ」


「・・・本当に?」


「・・・ワフ?」


「・・・そのはずなんやけど」



すらっぴとしーちゃん。フミとヨミ。赤くてでかいスライム。それにクロンちゃん。

6体確認できてるな。多くね?



「それも大体ここのダンジョンやん。どうなっとるん」


「知らんよ」



うちで半分だからな。会ってないだけで実はまだいてもおかしくなさそう。


ところでさっきからコロちゃんが頭をぺちぺちしてくるからいい加減顔離そうか。



「あーい」


「・・・」(ジー


「ほれジャーキー」


「・・・ワン」


「ういうい」


「甘やかされとる」



コロちゃんの口元までジャーキーを持っててあげる。

甘やかしてるように見えるけど、いつもは俺が甘やかされてるから当然だな。



「甘やかされとるん?」


「じゃなきゃいつものスキンシップで怒られる」


「ワン」


「うわぁ・・・あれ?うちもやない?」


「・・・え、いや。お前にするのは当然というか」



コロちゃんに抱き着いたりするのは俺の欲望だけど、フミに抱き着くのはあれじゃん当然じゃん。



「あと時々コロちゃんが気分じゃないのに許してくれるから」


「ワン」


「・・・ははぁ?恭輔を一番甘やかしてたんわコロちゃんやったか」


「ワフ?」


「やから恭輔が他の動物に・・・主に猫と遊ぶんよ」


「・・・ワフ!?」


「あと?うちには当然ってどういう意味?」


「嫁だから」



毎回毎回このやり取りで自分が照れるの分かってるのに聞いてくるなよ。

わかったわかった。俺が悪かったから叩くな。地味に痛い。



「ちなみにコロちゃんは夫婦喧嘩は食べる狼?」


「ワン」(カプ


「おおっふ」



目の前でいちゃつかれたら噛む狼らしい




















「うーうー・・・う?」


「おっす」


「う?」


「知らん」



気がついたらフミが俺の服の中に潜り込んでやがった・・・あ、もちろん狸でね。

これもいちゃつき判定らしく、さっきからジャーキーほったらかしで俺の頭がぶがぶしてるコロちゃんを含めてだいぶおかしなことになっているっぽい。

ニホリがなにそれとか聞いてきたから間違いない。



「とりあえず、一端フミ抜くの手伝ってくんない?」


「・・・」


「・・・ニホリさん?」


「ワン」


「うーうー」


「おお!?!?」



コロちゃん!?なんで君が言うのそれ!?てかほっといていいって何!?

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