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304話

一区切りまでもう少し

「・・・行くぞ」


「ワン!」「ぴ!」「きき!」「ちゅちゅ!」「クゥ!」「るる!」「にゃー!」「めぇ!」「うー!」


「・・・//」


「顔真っ赤ですよお姉さま」


「・・・きょ、恭輔が///」


「何してるんですか恭輔さん」



我慢はできなかったよ。まぁその分俺が絶好調だから問題ない。今までで一番調子がいいと言える。

なんなら何にも負ける気がしない。マジで今の俺強いぞ。



「・・・うわぁ。過去最高に能力上がってる」


「ふっふっふっふ」


「しかもなんかまだ上がってるし」



ポヨネがなんかちょっと引いてる気がするけどそんなことはどうでもいいぜぇ・・・


既に49層のボスは倒し終わっている。俺以外もかなり調子がいい。

瞬殺だったよ瞬殺。

階段を下りて、50層に入る。だが、入った瞬間に違和感を感じた。何か、空間を曲げられたような感じが



「あら?ようやく来たわね」


「っ・・・飛ばされた?」


「正解。流石ね」



50層に降りて、すぐ目の前にあの女の人がいた。相変わらずの存在感だ。


コロちゃん達は既に戦闘モードに入っている。

フミも、流石に元に戻ったのか、魔力が高まってきている。



「私と戦うわけじゃないから、そんなに構えなくてもいいのよ?」


「いやぁ。そう思ってた人型と戦うことになったからな」


「ああーあの子ったら、何にも言わずに始めてたのね」



全く嫌になるな。

俺の『真化』も、いままでと比べたらかなり動いているはずだ。それだけ魔力も何もかもが強くなっているはず。

フミもコロちゃんも、目の前の存在に戦意を向けているはずなのに。全く意に介していない。

俺たちが束になっても話にならないと言わんばかりではないか。

いや、実際そうなのか。


女は余裕の笑みを絶やさない。



「ふふふ。なら、本命の子を呼んだ方がいいかもね」


「本命?」



いまいない人型の事か?いや、俺たちに何も問題がない以上、出てくるのは普通のモンスターのはず。

それに、空間事曲げられてワープに近い形になっているのならここはボス部屋のはずだ。

洞窟型だが、今までにないくらい広い。それだけ巨大な何かがボスってことだ。奥の扉も大きい。


すると、地面が揺れ始める。徐々に揺れは大きくなる。



「あれに勝てたら、お話しましょう。勝てれば、きっとあなたは・・・」


「・・・うん?」


「何でもないわ。願わくば、誰も死なずに超えてね」


「あ、おい!」



音の姿が消える。

それが合図なのだったのか、扉が開きボスが見えた。



「・・・ハハ。ここでくるか」


「気を付けてや恭輔。こいつ、普通に強いで」


「お前でも苦戦するのか」


「いんや。前に戦ったのは簡単に勝てたわ・・・けど」


「けど?」


「明らかに、その時のとは違うんや」



ドラゴンだ。

赤い鱗、金色の目、そして、巨大な牙が見え隠れしている。

呼吸するたびに、口から炎が漏れ出ている。巨大な爪は、鋭く、重い一撃を放つだろう。

広いと言えど洞窟型だ、ワイバーンのように攻撃が届かないくらいに飛ばれることはないだろうが、それはつまり、俺たちの逃げ場も少ないということでもある。

一歩一歩歩くたびに地面が揺れる。振動の正体はこいつだ。


フミが言う強くなってるってのは、恐らくあの女が何かしたのだろう。

フミが見るだけで、そういうのだから間違いない。そもそも、フミがモンスターを目の前にして強いと評価するのは初めてじゃないか?



「ポヨネ」


「・・・明らかにここのボスじゃないですよこれ。もっとしたでもおかしくないです」


「具体的には?」


「・・・70」


「はは。俺に合わせてきたのか」



簡単に攻略させる気はないってことなのだろう。

明らかに、俺たちが試されている。

この試練を越えられるのか、その先にある何かを見つけられるのか。


俺たちは、基本的に格上の相手と戦わない。それより先に強くなるし、強くなれるようにしているから。

フミとの模擬戦か、あの人型との戦闘くらいなものだろう。


ドラゴンはフミよりはした。俺と同格。皆には格上になる。

厳しい戦いになる・・・けど



「負ける気はしないなぁ」


「ワン」


「ハッハ。お前もそうかコロちゃん・・・」



コロちゃんだけじゃない。皆格上のドラゴンを前にして戦意が衰えることがない。むしろ増してきている。

ああ、頼もしい。何がドラゴンだ。何が超えられますかだ。


目の前のドラゴンが、俺たちを見下す。その目には、俺たちが全く脅威に映っていない。

それが、癇に障る。



「舐めんなクソトカゲ!!!」



戦闘開始。


























初撃は、最速のコロちゃん。

一瞬でドラゴンの元までたどり着き、皮膚を魔刃で切りつける。だが、硬い鱗は切れない。

何かが当たった感覚はしたのか、ドラゴンは視線をコロちゃんに向ける。

一度だけでなく何度も様々な場所を切りつけてくるコロちゃんがうっとうしいのだろう。羽を大きく広げて強風を巻き起こす。

風に煽られ、コロちゃんが一瞬姿勢を崩す。その隙を逃さず、爪が振り下ろされる。

それを、恭輔がコロちゃんのいる場所に穴をあけることで回避させる。



「ちっ。早い」



爪が振り下ろさせる速度が速い。一瞬とは言え、コロちゃんが姿勢を崩されて回避できない速度。

離れたところから見てたからどうにかできたが、近づくと全身が見えない分反応が遅れる可能性がある。

それに、魔刃で一切切れないところを見ると流石のドラゴンって感じだな。硬い。俺の硬質化と同じ、あるいはそれ以上。

だが、攻撃が効かないわけじゃないだろう。


コロちゃんだけが突っ込んだわけじゃない。


ドラゴンの陰から、ねっさんたちが出てくる。

影移動で、コロちゃんの陰に忍び込み、切りつけている最中にドラゴン側の陰に移動していたのだ。

その数は50体。一体のモンスターに対する分身の数としては異常な数だ。

それが、一斉に爆発する。



『ガァァァ!!』


「・・・ちゅ」


「そうか。まぁだよな・・・すらっぴ!バトちゃん!ふーちゃん!しーちゃん!」


「ぴぴ!」


「きき!」


「めぇ!」


「クゥ!!」



爆風で姿が隠れてしまったが、全く効いてないそうだ。

だが、目の前でいきなり光と炎が来たから驚いたのだろう。手を上げた瞬間に、コロちゃんが離脱出来た。

そして、まだ攻撃を続ける。

分身ねっさんは様々な方向から向かう。コロちゃんも再び前に出る。

名前を呼んだ子達が魔力を貯める時間を稼がないといけないからだ。彼らの頭上に、それぞれの魔法属性の大きな球が出来る。


だが、それだけ魔力を貯めこめばドラゴンだって、こちらを見る。

コロちゃんとねっさんの攻撃は気になるが、気にする程じゃない。それらを無視して、こちらを狙ってきた。



『ガァァァァァ!!!!』


「ポヨネ!!」


「はい!!」



ブレスが放たれる。轟音を響かせてこちらに向かってくる。熱が離れたここまで伝わってくる。

何重層にも鉄壁と結界のバリアを作る。

だが、そのバリアの数枚は一瞬も耐えることなく破られる。



「ッ!!!」



ポヨネが結界を増やす。

俺の鉄壁と違って、一度発生された場合はコントロールを放置しても耐久性は変わらない。

だが、俺の壁は魔力を送り続けた方が硬度が高くなるのだ。それを辞めて増やす方面に回ると少しマズイ。

半分ほど破られて、ようやく速度が落ちる。

何度も何度も破られては結界は増える。俺の壁がなくなって、結界のみになるギリギリになってようやく止められた。



「・・・ぁ・・・ふっく」


「大丈夫か」


「だ、大丈夫です・・・かなり消費は多いですけど」


「無理すんなよ」



・・・フミの参加は今回は難しいか。ニホリを守ってもらわないとマズイ。

あのブレス。恐らく何度も防げないぞ。回避は出来るだろうが、その場合ニホリを抱えて逃げてもらわないといけない。

近くにいてもらわないといざって時に間に合わないな。



「・・・前に出るか?いや、でも」


「そうなると、緊急回避が間に合わないんじゃ」


「・・・コロちゃんが全部避けられれば大丈夫なんだけど」



出来るか?



「ワォォォォォン!!!」


「おお?コロちゃん?」


「ワンワン!!」


「・・・わかった!!ポヨネ、最悪の時は頼むぞ!!」


「ちょ、恭輔さん!!」



俺が離れてたら何度かはブレス攻撃を防げるが、ずっとは防げない。

だったら、近づいて妨害した方がいい。



「気張れよコロちゃん!!」


「ワン!!」


『ガァァァ!!!』

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