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七夕的なおまけ

七夕当日におまけ完結します。


「そういやそろそろ七夕だな」


「お。またなんかあるんか」


「あるぞ。まぁだからといって何かって日でもないけど」


「ええー?」


「仕方ないだろ。七夕なんてこの年でとくに何かは・・・ゲームでイベントあるくらいじゃないのか?」


「何をする日なん?」


「えっと・・・、笹だか竹だかに短冊っていうこれくらいの紙を飾るんだよ」


「紙を飾る?」


「紙にはお願い事を書くんだよ。んで、お願いするっていう」


「飾ると叶うん?」


「天の川っていうのが夜空に見える季節なんだよ」


「ほほぉー」












「・・・うー」


「ぴ?」



またなんでこの格好なのか。それはニホリも知らない。


さて、そんなわけでまた何かイベントがあるようだ。しかもお願い事が叶うという。

しかし、なんであまのがわ?が見えるとお願ごとが叶うのだろうか。



「う?」


「ぴぴ」


「うーうー」



知ってる?

知るわけないでしょ

そうだよね



まぁ当然すらっぴも知らない。

むむ、コロちゃんなら知ってるかな。



「いや。廊下で何しとるんニホリ」


「う」


「考え事なんわ見たらわかるわ」


「ぴ~」


「ああ、七夕の話な?ニホリ向けではあるわな」


「う?」


「子供のイベントなんやって。元の話はまったく関係ないみたいやけど」



彦星と乙姫のラブストーリーというのが元の話らしい。

いちゃつきすぎて仕事しなくなって離れ離れ・・・恭輔とフミには関係なさそうだなぁ。

いちゃつきはするけど、基本ちゃんと働いてるし。



「う?」


「いや、そこは恭輔も知らんみたいでな。・・・やりたいん?」


「う!」


「わかったわ。恭輔に言えばどうにかなるやろ」


「うーうー!!」


「ぴ」


「・・・変わった料理作りたいだけなんやないかなあの子」





















「うー?」


「ん。なんか爺さんたちがくれた」


「・・・多ない?」


「ニホリちゃんのお願い事をーとか言って大量に持たされたんだよ・・・」



七夕に必要な物を買いに行ったと思ったらものすごく恭輔が早く帰ってきた。それも大荷物で。

どうもご近所のじいちゃんばあちゃんたちにいろいろ貰ったらしい。

これに飾るの?



「そそ。あ、これにお願い事書いてね」


「・・・う?」



そう言って渡されたのは色とりどりの細長い四角い紙だ。

折り紙みたいだけど、小さくで何も作れそうにないなぁ。



「雪ちゃんも来るから、手分けして書いて」


「う?」


「いや。皆は鉛筆持てないでしょ」


「・・・う!?」



どうやらうちの家族全員分を代筆することになっていた。

うそでしょ。というか、いつの間に雪ちゃんを呼んだのだろうか。



「いや。ヨミがサクッと」


「電話しただけやで?」


「うー・・・」



むむむ。私が呼ぼうと思ったのに。

恭輔は書くの手伝ってくれないの?



「俺は俺でやることあってな。こっちは任せた。あ、今日はご飯が俺がやるからいいぞ」


「うう?」


「うちも恭輔のお手伝いやね。雪ちゃんのおもてなしは任せたで」


「う?・・・う!」



恭輔がご飯?何を作るのだろうか。

まぁすぐに書き始めなくていいらしいので雪ちゃんを待つことに。本番は夜らしいので、早すぎてもダメらしい。

その間に終わらせられる家事は全部終わらせる。そうしてると雪ちゃんがやってきた。



「お邪魔しまーす。ニホリちゃん!」


「う!」


「七夕するんだってね!あ、これお土産!」


「うーうー」



何か箱を渡された。何だろうか。

あれ?ヨミはどうしたの?



「お庭に直接行っちゃったの。何でもお手伝いって」


「う?うーうー」


「恭輔さんも?珍しいね」



むー。何かやらなきゃいけないことでも重なってしまったのだろうか。だったら悪いことしちゃったのかも。



「う!」


「うん。そうだね!!」



その分。私たちでお願い事をしっかり書かなきゃ。

二人でそう決めたところで、さっそくみんなのお願いごとを聞きに行くことに。

まずはさっきからずっと頭の上に乗ってるすらっぴどう?



「ぴぴ?・・・ぴー」


「うー」


「ていうか、頭に乗ってたのってずっとだったんだ・・・」



特になーいと言われると困る。お願い事書けないではないか。

いつもの腹ペコキャラはどうした。



「ぴぴ」


「・・・う」


「ニホリちゃん。まずは私たちの書かない?」


「・・・う!」



気を取り直そう。すらっぴだって時間をかければ何かしら思いつくでしょ。

リビングに色鉛筆とか広げる。どうも普通に書くだけだと地味だから絵とかかいていいらしい。

その方が目立つっしょとは恭輔の言葉だ。


そもそも空の上からでも見えるのこれ・・・

気にしないことにしようか。そういうイベントなんでしょう。



「でも。この小ささだと見えないよね」


「う」


「うーん。病院の時から思ってたからつい・・・」



雪ちゃんも同じこと思ってたらしい。



「うーうー?」


「私?今までは健康になれますようにーとか」


「う」



聞いた私がバカでした。


さて、鉛筆を手にしてから早10分。

この間。一文字も書いておりません。



「・・・う?」


「あれー?」



雪ちゃんも一文字も書けていない。お互いに特に叶えてほしいこともないようで。

てか、そもそも星に願うことって何を願えばいいのだろうか・・・


私は割と今が最高に近いし。雪ちゃんだってそうだろうし。



「・・・長い事病院にいすぎて叶えたいことがない」


「う」


「今・・・欲しい物・・・うーん」


「うー・・・」



強いて言うなら、すごく高い包丁とか欲しいけど。それって結局買うの恭輔だもんなぁ。

それだったら最初から恭輔に頼んだ方がいいし。雪ちゃんもおんなじ感じなのだろう。大体の事は親に頼むよね。

こういう時って、叶えたいけど叶わなくても問題ないようなこと書けばいいの?

え?そんなに控えめなイベントなの七夕。



「うーうー?」


「うーん・・・お医者さんも治せないから書くしかないなぁって」


「う」



本当にごめん

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