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281話

そういえば今日休みだった

やることは早めにやってしまおうと言うことで、体力測定が終わってすぐに長野へ。

そこで天都さんの家族の方に説明をして、クロンちゃんの事を知ってもらいつつ今後のことを説明する。

まず、クロンちゃんは天都さん・・・姉の方と一緒に暮らすことになる。天都さんは冒険者になるから、東京に来るのだ。

そのうち東京に住まなくてもいいようになるかもしれないけど、今はまだ全員東京だ。

だが、クロンちゃんの正式な飼い主は拾ってきた本人。天都さん妹の方だ。問題の解決になっていない。

ここで、ウルトラC。天都さんの妹さんが東京に来ることになった。姉と二人暮らしするらしい。



「すごいよね。俺びっくり」


「まぁ・・・4月になったばっかりだからねぇ」


「まぁ小学生だし、まだいいんだろうけど」



これが高校生とか中学生になってたら友達作りにくいだろうなぁ。むしろ小学生のある種の無敵なうちの方がいいのかもしれない。

だからってこの時期に転校するのってなかなかなのでは。



「・・・まぁド田舎だったらしいじゃないあそこ」


「驚くほどのド田舎でしたよ」



アニメでしか見たことなかったわ。全校生徒数が一桁って。

てか、それだから転校もすんなり決まったのか。同い年の友達いないみたいだし。



「あんたと一緒ね」


「うるへぇ」



いなくはない。少なかっただけ。


状況説明が遅れた。ただいま我が家で姉とおしゃべり中。

最近定期的にやってる気がする。こんなことしてないで彼氏連れて来い。



「出来ないのよねぇこの職場」


「自衛隊は?」


「似たり寄ったりよ」


「ええー丸山さんとかいるじゃん」


「あいつ彼女いるのよねー」


「マジか」


「しかも、幼馴染ですってよ」


「マジか」



まさかの丸山さん彼女持ちでござったか・・・



「いや、あんた嫁持ちでしょ」


「あ、そうだったわ」


「いいなぁ。私にも尽くしてくれるモンスターとか来ないかなぁ」


「どんな確率だよ」



人型で特殊個体で外に出てきてくれるってそれもはや宝くじだろ。


テーブルでニホリが出してくれたお菓子をてきとうに食べながら話し続ける。

大体このおしゃべりする時って、俺も姉ちゃんも暇な時なんだよな。ニホリは家事で忙しそうだし。フミもそれを手伝っている。

コロちゃん達と遊べば?って話もあるんだけど、こういう時に限って誰も遊んでくれない。みんなしたいことが各自あるとこうなるんだ。

特にお昼寝が重なるとね。今日はユニちゃんとロラちゃんですら今日はダメだったよ。



「そういや、姉ちゃんはどれくらい体力測定担当したの?」


「私は4組くらいだったわね」



まぁ大体話す内容が尽きることはないからいいんだけど。

期間は空かないけど、なかなかに色々あるからなぁ。特に最近は。

そもそもこの姉は、ダンジョンが発生するまで2年間実家に帰ってこなかったんだけど。だからコロちゃんがよそよそしいんだぞ。



「それって多いのか?」


「んー・・・微妙かも。男性は全部丸山が見てたし」


「全部!?」


「まぁちゃんと他の係員の人もやってたから、本当に全部ってわけじゃないけどね?」


「だからって結構な数だろうに」


「終わった時でも結構体力余ってたわよ」


「まぁ冒険者だしな。一般人に交じっても体力は問題ないか」



だって、フルマラソン世界記録軽く塗り替えられるんだぞ俺たち。

俺がやったらもはやどうなるんだか。



「藤岡さんはなんか一緒に走ってたけど、姉ちゃんも走ったの?」


「走ったわよ。あれって、冒険者が実際にどういうものかを実感させるためにやってるのよ」


「ん?・・・ああ、そういうことか」


「相変わらずの理解の早さね」



恐らくだけど、冒険者と今の自分たちの差を認識させるためだろう。

なにせ冒険者の身体能力は異常だ。そこの差を実感させるのは大事だ。



「実際に冒険者になられた後で後悔させても困るしね」


「それもそうだよなぁ」



冒険者になりたいって人は、理由は様々だが何かしら自分に自信を持っている人たちだ。

そうじゃなきゃそもそも最初の書類審査通れないし。そこを、身体能力の差でへし折る。頭がいいとか、運動部でしたとか、その程度ならどうにでもなるのだ。

レベルを上げてしまえば関係ない。必要なのは、その差を見て自分になお自信が持てるか。



「どうだった?」


「結構微妙だったかもねぇ。私を見て、びっくりっていう顔多かったし」


「それはそれは」


「あんたたちもこれになるって言うのにね。私が見たとこはダメかなぁ」



まず、姉ちゃんたちに恐怖を抱く人間は論外。驚くのは減点対象。

見られるのは、それを見ても動じないこと。ダンジョンで、自分より優れている能力を持つモンスターはいっぱいいる。人型でもな。



「俺の嫁とか」


「それは私に対する当てつけか」


「親父にも彼氏連れて来いとか言われてなかったっけ?」


「グゥ」



グゥの音が出たか。



「うーうー?」


「あらニホリちゃん。どうしたの?」


「う?」


「なんて?」


「お昼食べてく?って」


「食べる!」


「うー!」



ニホリがお昼ご飯食べてくー?と聞きに来た。

手には抱えるくらいに野菜が持たれている。ダンジョンから取ってきたのだろう。


そうそう、ダンジョンで採れる野菜なんだけど、少しずつ法則がわかってきたのだ。

まず、普通の畑のように植えた場合、植えた種が纏まってものすごく大きくなる。

間隔を5メートル開けると普通に育つ。この場合、大きさは普通の物より大きいし生長も異常に速い。毎日は流石に無理だが、三日に一回は収穫できる。

ヤシの実とかは一回植えれば放置で永遠に実がなる。だからうちの冷蔵庫が増えた。収穫物専用のやつが。これは俺が買ったんだけど。



「今日は何かしらね~」


「昨日カレーのルー買ってきたから、多分カレーじゃね?」


「夏野菜カレーね。すごくいいわ」


「考えてみると、あの階層だと育てられる野菜限られるよな」


「ん?別にいいんじゃない?全部をダンジョンで賄うわけじゃないんだし」


「そりゃそうなんだけどね?なんとなくそろわないと気持ち悪くない?」


「まったくわからないわ」



それは残念。


お菓子を食べ、話して枯れた喉をお茶で潤す。そしてまた喋る。

すると、家事が終わったのかフミもおしゃべりに参加する。話題は普段の俺とフミ事へ。



「普段二人ってなにしてるの?」


「普段?」


「ダンジョン潜って・・・家帰って・・・ご飯食べて・・・一緒に寝て?」


「せやねぇ」


「違うわよ。休みの日よ休み。デートとかしないの?」


「してるけど」


「その話を聞きたい」



うん、まぁだよねって感じ。



「っていっても、特に話すことってある・・・か?」


「んー?」


「どこ行くの?」


「・・・公園とか」


「動物園とかやね」


「・・・それって、フミさん狸で行ってない?」


「行ってるけど」


「抱えられてます」


「何してんのあんた達」



いや人間モードだともっと遠出してるんだけどさ。



「それよ!それを聞きたいのよ!」


「・・・一番遠いので富士山のてっぺん」


「どこ行ってんのあんた達」



ヨミからシルフバード借りてちょっと飛んでみたので。なかなか楽しかったよ。


だが、我が姉上はそれに納得してくれていない模様。

手を額に当ててムムムとか言っている。



「普通のデートって、映画館とかじゃないの・・・?」


「俺たちに普通って言われてもねぇ」


「お義姉さん。うちモンスターなんやけど」


「関係ないわよ。女の子なら特に!」


「まぁその分普段から一緒にいるからなぁ」


「お風呂も一緒に入るもんなぁ」


「ちょっと待て」


「今度は何?」


「・・・お風呂、一緒?」


「一緒」


「・・・狸?」


「いや、人型の時もある」


「・・・もっと健全なお付き合いを!!!!」


「いや、嫁さんだから」



あと、別にいかがわしいことしてないから、皆をお風呂に入れるのに手伝ってもらってるだけだから。

大変なんだぞみんな入れるの。



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