276話
夜は書けたらおまけかなーという感じで考えております。
「ふぃー。こんなもんじゃね」
「・・・」(ショボン
人型ダンジョンに今の階層の評価を伝えて、ついでにダンジョンだったらこの方がよくねとか思うことも全部伝えた。
まぁ前に伝えたのがかなり前だし、これの反映も結構あとになると思うけど。
気になるのは、伝えてる途中から人型の雰囲気が落ち着いてきたと言うか、重くなっているっていうか。
「・・・帰る」
「あ、待て」
「・・・まだ何かあるの?」
「いや、ニホリのクッキー食べてけ」
「うー」
「貰う」
前にお土産で持たされた物は大変気に入られたようで。
10分ほどで持ち込んだクッキー全部食べられたよ。俺たべてなーい。
「それでこれが現物」
「・・・また頭の痛い物を」
「俺に言わないで」
多分この先増えてくよこういうの。
結局、44層にはあの後もいた。ボスに挑むって案もあったんだけど、それより宝石と鉱物集めたかったのだ。
・・・まぁ俺はガチャから逃れられるタイプではないとだけ言っておこう。
そこでかなりの量を集めて、研究所にトラック郵送。それ専門の人がいるので、一気に運んでもらうことに。
ポヨネの『倉庫』むっちゃ便利だなぁ。俺も欲しい。てか、冒険者一人に対して1個ずつ欲しいだろこれ。
そんでもって、親父の部屋・・・所長室でいつもの報告中。見事に頭を抱えたよね。
「いや、物自体は価値のある物だしいいんだ・・・いいんだが・・・!!」
「まぁ面倒だよなぁこれ」
「サイズも効果も純度も全部ランダムってなんでそんなことした!?」
本当にね。
ポヨネは知ってたのか知らないのか。この宝石が入っている岩。これの中身は完全ランダム。
ありとあらゆる要素がランダム。宝石の要素は全部ランダム。
豆粒みたいな宝石もあるし、ほとんど宝石じゃねぇかこれってものもある。
俺の全魔力の半分ほどを持ってく物もあれば、100分の1しか貯まらない物もある。
落差がひどい。
「てか、やけに疲れてると思ったらそういうことか」
「ほんっっっっっとにつかれた」
こんなに魔力持ってかれたのって、多分ダンジョンの地面森事ひっくり返して以来じゃない?本気で疲れたんだよ。
後、地味に魔法で発掘するの大変だったし。
「魔法でも出来るのか」
「まぁ俺の場合『土魔法』だし」
「そういうことか。まわりが岩だから、これだけ削りとれると」
「いや、宝石も干渉できちゃうから、気を付けないと宝石も削っちまう」
まず、魔法で岩全体を見る。ここで宝石と岩の境目を見極める。宝石が小さいとどこにあるか探さないといけないから面倒。
次に、魔法で削る範囲を決める。ここで気を付けないといけないのは、魔力の浸透具合。やりすぎると宝石事ガリっといく。魔力の通りやすさが似ているので気を付けないとあっという間にダメになる。
最後に、指定した範囲を削る。ここは魔法で一気にやるのでここが一番楽。でもやりすぎると宝石巻き込むからやばい。
結論、基本は全部面倒。
「・・・それ、『土魔法』以外だとどうやって宝石を取り出すんだ?」
「え、がんばってよ」
「出来るのか?それ」
いや知らんし・・・。
ちなみに、取り出した宝石は既に最初からある程度整っている。
まぁ成形はしないと流石に売ることはできないだろうけど。あれ何カットっていうんだっけ。
「まぁ宝石の方はいい。どうせうちの管轄じゃないしな」
「あ、そうなんだ」
「ていうか、これ欲しさにダンジョン潜るやつが激増する可能性すらあるぞ」
「・・・行けないからいいんじゃね?」
「それで納得してくれる人間ばっかりだったら楽なんだがな!」
次は金属片の話。
まぁこいつに関してはあれだ。今のところ使い道ないからあれ。
「いや、ないこともないぞ?」
「そうなの?」
「例えばなんだが、このボールペンなんだが」
「何故ボールペン」
「手元にあったからだよ。それでだ、こいつに魔力を通せばインクがでる性質の金属片が使われてれば無限にかけるペンが出来るだろう?」
「おおー・・・まぁ流石にその性質はないと思うけど」
「あくまで例えだよ」
なるほど、魔力を通した時に出る性質と、その道具に求められているものが一致すれば使えるのか。
親父の例えだとボールペンだが、魔力を通した時に電気が出る金属片ならいろいろ使えそうだし。
まぁ発電ってなると、おそらく魔石の方がいいだろうな。どっちも使い方は同じなんだけど、そもそもこの金属片は入手が難しいし。
あと、この金属片は魔力を通し続けてないと効果がでないからな。発電みたいなものには魔石の方が向いている。
「集める?」
「・・・いや、その必要はないだろう。おまえ一人で集められる量も限りがあるしな」
「出来ればそれは物産展の時に言ってほしかった」
「あれは本当にすまん」
なんだ一月かかる収集作業って。
あ、そういえば思い出した。
「もう一回物産やってって話でてるらしいじゃん」
「どこで聞いたそれ」
「雪ちゃん」
「・・・あの人かぁ」
雪ちゃんのお父さんから流れてきたんだろう。
大体収集作業の時はヨミも借りたし、雪ちゃん行きたがってたらしいからな。もちろんヨミに却下されたらしいけど。
親父は頭を抱えている。雪ちゃんのお父さんの話より、もう一回やれって言われてる方が原因かな。
「そんなにやばい?」
「反響が良すぎる。ダンジョンで手に入った物もそうだが、冒険者の模擬戦もいろいろあってな」
「そうなの?」
「ダンジョンに入れば、トップアスリートを鼻で笑えるくらいの身体能力が手に入るんだぞ?」
「・・・うーん?」
「まぁこれに関してはお前はわからないよなぁ」
恭輔がこれに関してピンと来てない理由。
まず姉の存在。自衛隊に入る前から同年代と比べてぶっちぎりの身体能力を持っていたが、特にこれといったトレーニングはしていなかった。
そして自分の事も影響している。そもそも恭輔は、初見で飛んで襲ってきたコウモリを素手てつかみ取ってそのまま手だけで抑え込んでいる。ようするに、恭輔の素の身体能力は低くない。むしろ高い方だ。
元が元なので、ダンジョンに入ってまで身体能力が欲しいの?ということだ。
「むしろ、親父はわかるのか?」
「いや、俺昔はスポーツマンだったんだが」
「・・・あ」
そういえばこの親父、少し前までフィールドワークで飛び回ってた人だから体力ある人か。
「まぁそんなことはいいんだ。物産展が本当にやばい」
「実際問題何がやばいの?集めるんだったら・・・まぁ俺が大変なくらいだと思うんだけど」
「俺が大変なんだよ・・・責任者だから・・・」
あ、そっか。俺とか除くと、ダンジョンに一番詳しいのって親父なのか。
だからこういうダンジョン関連のイベントをする時は関係各所に挨拶とかいろいろしなきゃいけないし、イベントの内容の決定とか、いろいろ仕事も増える。
今も研究所の仕事があるし、そこから増えるって考えるとヤバそうだな。俺が何か発見する度にそれの事で仕事増えるし。
「まぁ流石にすぐはしない」
「ああ、でももう一回するんだ」
「今募集している冒険者がある程度育ったらかな・・・」
「そしたら今度は募集もう一回じゃない?」
「それはもう俺から離れた仕事だから気にしない!」
「なんてすがすがしい笑顔なんだ」
千爺からの援軍が来るらしい。人が増えて、研究所の施設の一室に彼らが滞在することになるらしい。
主な仕事は、研究所所属になる冒険者たちの管理。今まではこれを親父が一人でやってたからな。そのせいで新人の募集の仕事も回ってきたんだけど。
それを別のちゃんとしたところに回せるらしい。それはよかったねって感じ。
まぁここ研究所だからね!そんなことする人間親父以外いなかったというか、親父に押し付けたって言うか。
そら親父も嬉しそうにしますわ。
「大体お前がテイムしてくるから仕事増えるんだが・・・」
「昔の話だから・・・」
最近は増えて・・・ああ、ポヨネ増えてる。
「ちなみに聞いとくが、これ以上増やす予定は?」
「いやない・・・増やそうとはしたけど」
「そういうとこだぞ恭輔!!」
危ない、赤スライムを予告なしに連れてきてたら多分あかんかったな。
連れてきてないからセーフ。
「オオカミと象は」
「・・・ノーコメントで」
正直狼君たちは一匹くらい連れて帰ってもよくねとか思ったよ。




