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梅雨の時期に見るニホリ視点

もう一つ書けるかなとも思いましたけど無理でした。

「心なしかみんなしっとりしてない?」


「湿度高いねん日本・・・」


「クゥ・・・」


「ワフ・・・」


「ちゅー・・・」



どうも皆さまこんにちわ。大門家の家事担当ニホリです。

今日は何か恭輔がするみたいなので観察します。



「いや、だったら降りて来い」


「う」



恭輔の頭の上で浮いてたら怒られちゃった。

ところで何するのー?



「浮いたままなのか・・・まぁいいか。今からみんなの毛を整えようかと」


「う?」


「いやまぁいつも通りなんだけどさ」



だったらしーちゃんとかもやらないよいけないのではないかと思ったが、しーちゃん自分で毛の長さ調整できるから要らないのか。

ユニちゃんの場合はそもそも雨の中遊ぶから体洗うになっちゃうし。



「そうそう。冷えるからやめろって言ってるのに」


「ダンジョン内なら晴れとるのに庭におるからなぁあの子」


「今日22層行くか・・・ああ、違う違う。その前にみんなを・・・」



恭輔がやることは特に珍しいことじゃないので観察終了。

そこまでニホリちゃんは暇ではないのです。

だけど、現時点で家事はすべて終わっている。正確には、後は時間が経たないとできない。

だから暇なんだけどなー。何かないかなー。


いつも通りぷかぷか浮かんで恭輔の部屋まで階段を上がると、その途中で水まんじゅう・・・すらっぴ発見。



「うーううー!」


「ぴ?」



とったどー!・・・降ろそう。


降ろしてからすらっぴに何してたのーと聞く。



「ぴぴ~」


「う?」


「ぴ!」


「うーうー」



なるほど、湿度が高いからすらっぴは逆に元気なのか。でもみんながへたってるから階段を無駄に上り下りしてたと。

バトちゃんはどうしたの?普段一緒に遊んでるのに。



「ぴぴ~」


「うー」



むし暑くてダウンしているらしい。あれ、バトちゃんってこういうところでも問題なかった気がするんだけど。



「ぴ」


「う」


「ぴぴ」


「ううー」



なるほど、我が家の快適さに慣れてダメになったと。わかるー


すらっぴはそのままこの辺で遊ぶらしい。流石にそれに付き合うのもあれなので、最初の目的地である恭輔の部屋まで行く。

恐らく中ではバトちゃんがいると思うのだが・・・



「うーうー」


「・・・き?」


「う?」


「きき」



いた。寝てるかなと思ったが、特にそういうことはなかったみたいだ。

バトちゃん用の寝床・・・木じゃなくて中心部がへこんだクッションのようなものに中で丸くなっている。

もちろん、部屋の中はクーラーが効いている。除湿もしているようで涼しい。

あれ?バトちゃんが点けたの?と聞く前に、視界に家族の一人が入ってくる。ピッちゃんだ。



「ピュー」


「う?」


「ピュ?」



クーラーとかを点けたのはピッちゃんのようだ。当の本人は先日貰った笛で遊んでいるが。

ピッちゃんハウスの上で座りながら吹いている。

恭輔は、妖精が音楽を好むのは解釈一致と言っていたけど、それは私もわかる。なんというか、絵になるのだ。



「るる?」


「う?」


「るる~」


「き~」



今日は笛なんだねと聞くと、昨日はハープで。その前は木琴だったから今日は笛なのとのこと。

連日の雨で外で遊ぶことが減り、なんとなく恭輔がダンジョンいに行く回数も減ったので、バトちゃんはよくピッちゃんの音楽を聴いているようだ。上手だねと褒めている。


ちなみに、恭輔がダンジョンに行く回数が減っているのは本人曰く。

「俺に五月病はないけど、梅雨が来ると動きたくなくなる」

とのコメントが。

まぁ自分のペースは大事だ。

それに。週5から4か、3に減ったくらいなのだ。大して差はない。一日に潜る時間は減ったかもしれないが。



「・・・う?」


「る?・・・るる」


「きー?」



そういえば、ロラちゃんはどこだろうか。恭輔のお手入れ会にもいなかったし。ユニちゃんのところだろうか。

でもだったらあらかじめ誰かに伝えるよな・・・あ、もしかして。


思い当たることがあり、恭輔の部屋の隣・・・我々の第二寝室に入る。

物置として使われていた部屋だが、恭輔が掃除をして使えるようにしてくれたのだ。

そこに入ると、クッションがあたり一面に散らばっている。そして、今もまだ残っている物・・・ダンジョンで手に入れたアクセサリーの山の中に見える黒い足。

ああ、やっぱり埋まってた。



「う?」


「」(ジタバタ


「うー」



周囲の物を全部浮かせて、ロラちゃんが動けるようにする。

支えとなっていた周囲の物がなくなったから、ロラちゃんもコロンと転がる。

暫く目をぱちくりさせながらぼーっとしていたが、動けるようになったことに気がついたようで。



「」(ピョン


「う?」


「」(ダキ


「う゛」



立ち上がって、ありがとーと言いながら抱き着いてきた。

普段動いている恭輔に抱き着くことが多いからか、レベルも大してないくせに無駄に腕力が強い。

魔力以外さっぱりな私にはやや痛い。



「うー」


「」(ハッ


「うーうー」


「」(ショボン


「うー」(ナデナデ


「」(チョコン



注意すると、すぐに放してくれる。

落ち込んでしまったので、逆に軽く抱き着いて耳を撫でてあげる。

私が抱き着きやすいように、座ってくれるのもいい子だ。


ロラちゃんと私の身長差は、そこまで差があるわけではないがロラちゃんの方が大きい。

成長期らしいが、それ以上にこのもふもふが育っているのが原因だろう。

そもそも刈り取るとどうなるのこの子。恭輔は刈り取らないらしいけど。なんでも伸びないし、後切らない方がいいんだよなこの子。って言ってた。



「う?」


「」(アレー


「う?・・・う?」


「」(コクリ



なんで埋まってたのか聞いたら、どうやら欲しい物があったようだ。

浮かせていたアクセサリー類から、一つのネックレスをこちらに持ってくる。

赤い石がはまっているが、これって・・・



「うー」


「」(ピョコン


「うー」



スキルの効果を高める物だ。効果の程はあくまでも補助程度で、そもそもロラちゃんのスキルだとあんまり意味ないんだけど。

・・・でも。これ多分恭輔が手に入れた物じゃない。


うちでは、結構前から暇な時にみんなが一緒に行くという条件で恭輔抜きでダンジョンに潜っていい事になっている。

今だと30より下には行かないって条件が付いているが。

まぁ暇な時だったり、準備運動だったりで各々でダンジョンに行くことは多い。

その時、ボスを倒して手に入れたん物は可能であるなら持ち帰っている。可能であるならとは、物をうまく持てない面子のみしかいない場合はそもそも鞄とかに入れられないから。

それでも大抵の場合誰かしら物を持てる子がいるので恭輔の知らないアイテムがこの部屋にたまっていることが多い。

使える物だったり、役に立ちそうなもの、研究に使えそうなものに関しては、私かフミがちゃんと調べておじいちゃん・・・パパに渡している。

その分のお金はもちろん恭輔のこうざ?に入っている。



「うー?」


「」(コテン?


「うーうー・・・う?」



それでもこんなの手に入れた記憶ないのだが。スキルに関わる装飾品は、その中でもかなりのレアもの。

恭輔だって一度しか手に入れてないし、それは既に藤岡さんたちに渡している。恭輔はそれがなくても強いからね!


そうなると、誰がこれを置いてったかという話になるんだけど・・・



「うー」


「」(クシクシ



恐らくヨミだろう。コロちゃんの天敵だ。よくわかんないけど。

ヨミは、恭輔に言わないでかなりの頻度でダンジョンに潜っている。もちろん、潜っているのは分身の方だが。

そこで手に入れた物・・・自分に必要な物以外はここに置いていっている。

まぁ恭輔は潜られていることには気がついているので、特に問題はないといえばないのだが・・・

流石にこういう物に関しては伝えてほしい。ロラちゃんが気がつかなければ死蔵することになっていたかもしれない。

私たちだって毎日確認してるわけじゃない。そもそもそんな毎回手に入らないから、2週間に一回とかそれくらいの頻度でしか見ない。



「うーうー」(プンプン


「」(ゴロゴロー


「う!」


「」(ピタ



物が散らばってるんだから転がらないの!























後日



「あれ?今日はお菓子少ない・・・」(ショボン


「う」


「ニホリちゃん!?なんで!?」


「うーうー」


「え?スキル強化?そんなもの置いてって・・・あ」


「うー」


「待って!!違うんです!!ちょっと急いでてーああーニホリちゃん!?」


「うーうー」



ほうれんそうは大事だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後の掛け合い、スキル強化のネックレスについての追求に、思い当たる節のあるヨミの反応をみてやっぱりね!ってヨミに出されていたおやつが没収されそうになって半泣きになってる姿を幻視してしまった・…
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