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シーズナル的な怒り

12日の予約投稿をミスるという。

なんか最近多いなぁ・・・


そんなわけで、毎日投稿が崩れたので詫びおまけ。

ニホリは怒っていた。

家族の誰かに怒っているわけではない。もっと大きな、一人では抗うことができない物に対してだ。

それは、毎年のようにくるらしい。そして、毎年のように人間を困らせている。

ニホリも、話には聞いていた。だが、ここまで厄介な物だとは思わなかった。



「うー・・・」


「梅雨に怒ってもなぁ・・・」



洗濯物が外で干せない。毎日雨がふるわけではないが、それでもかなりの頻度でふるのだ。

連日続こうものなら洗濯物がたまっていく一方ではないか。

もちろん、部屋干しなるものがあるのは知っている。

おばあちゃん。もといママから聞いているから。それをすればいいとお思いのそこのあなた。

甘い。22層で採れるヤシの実より甘い。

それでは匂いがついたり、ちゃんと乾かなかったりといろいろあるのだ。



「いや、なんのこだわりやねん」


「うー!」


「ああ、うん。そうなんか・・・」



フミも手伝ってくれることは多いが、やはり我が家の家事当番は私。

そこは譲れないのだ。



「乾燥機でも買うか?」


「う!」



そういう便利器具に頼ればいいというものではない。

恭輔はわかっていない。



「ああ。そうっすか・・・」


「ちょっと、今日のニホリめんどいんやけど」


「まぁ・・・1月くらいの辛抱ってことで」


「1月も続くんか!?」



洗剤か柔軟剤を変えるべきか。いやしかし、それでは乾燥機を買うのと何ら変わらない。

だがここで無駄に拘ってみんなに服がなくなるのは論外・・・



「うー・・・」


「悩んでんな」


「悩んどるねぇ」


「ワフ」


「あーお前も悩んでるよなぁ」


「そうなん?」


「いや、この時期は毛がな」


「ああー」



いつでももっふもふにしてもらえるコロちゃんの悩みと一緒にしてもらっては困る。

その気になれば恭輔が解決するではないか。こちとらそれどころではないのだ。



「・・・くぅーん」


「ああ。コロちゃんがへこんだ」


「そうよな。大変やもんなぁ。アイデンティティやもんな?」


「ワン・・・」


「おいで~」


「・・・クゥーン」


「一瞬でコロちゃんをここまで弱らせるとは・・・」


「ニホリ・・・恐ろしい子や」



何か・・・何かないのか。家事の知恵てきな奴は。

私を新たなステップへと進ませる。主婦の一手は!?



「・・・もうコインランドリーいかね?」


「・・・う?」


「え、知らなかったの?」



コインランドリーとは何でございましょうか恭輔様。

























ようするに、お金を払って服を乾かしてくれたり、洗濯してくれたりする場所のことらしい。

こういう梅雨の時期に、洗濯物を貯めて一気にそこで洗う人間は多いらしい。

なるほど・・・気になる。なんか乾燥機買った方がよくね?とか思い始めてたが、すっごく気になる。

行きたい。



「うー!」


「・・・俺も行くのか」


「うちもなんやけど」



だって場所知らないもん。

恭輔は道案内。フミは一緒に洗濯物を運ぶかかりだ。あと傘さして入れてもらわないと。


コロちゃんは恭輔が誘ってたけど、端っこで丸くなってて行かないって言ってた。何がコロちゃんを凹ませたのだろうか。



「うわ。無意識だこの子」


「どんだけ梅雨に悩んどんねん」



洗濯物も一日分だが持った。お金も恭輔が持った。道も恭輔が知っている。

・・・あれ、これ恭輔が行けばよいのでは?普段手伝わないし。



「え、ここまで準備してそれ思っちゃう?」


「ニホリも気になるんやろ?一緒にいこうや」


「・・・ううーうー」



それもそうだ。私が気になるから行きたいのだ。次からは恭輔だけでいいだろう。



「次は俺だけなのか・・・」


「あははは・・・うちも行くから。一緒や」


「なんかあれだな。家事を握っている存在は強いな」


「そんなん今更やろ」


「うー!!」


「・・・だったわ」



何をぐずぐずしているのか。置いて行ってしまうぞ。道知らないけど!!






















徒歩五分。コインランドリーとやらについた。何かカフェっぽいんだけど?



「あれ、こここんなんだったっけ?」


「・・・あ、見て見て二人とも。リニューアルやって」


「ああ、最近の流行りの形にしたと・・・なんか誰かがコインランドリーでイベントやってたような・・・」



ふむふむ。中は確かに清潔感がある。そして、カフェっぽい雰囲気があるので居心地もいいだろう。

コーヒーメーカーや自販機も種類が豊富だ。これなら、乾くのを待つ間も退屈することはないだろう。

人間が集まるのも無理はない。



「いや、集まってるわけじゃ・・・」


「せやね。一人暮らしの人が使うんやろ?ここ」


「いや、それも違うんだけど」


「う」



さぁ、堂々と入店だ。

冷房がちゃんと効いているが、寒いまでではない。ちょうどいい気温を保っている。なにより、湿度が低いのか。そんな感じがする。



「ああ、空調新しい奴じゃんこれ」


「ん?あ、研究所のやつと一緒や」


「へぇー随分金かかってんなぁ」



しかし、重要なのはそこではない。どれほどきちんと洗濯をしてくれるのか。そこが重要なのだ。


洗濯機自体は、我が家にもあるタイプ。ドラム式の最新型だ。メーカーは違うみたいだが、大体の操作は一緒だろう。

その洗濯機が、数台並んでいる。その下にこれは・・・



「これが乾燥機だ。これに洗濯ものを入れると乾く」


「ほぉーどうやって乾くん?」


「流石に知らないなぁ・・・温風でも来るんじゃね?」



・・・この洗濯機の隣にあるこの自販機はなんなのだろうか。メニューも特に書いてないが。



「ああ、これか。まだあるんだこれ」


「・・・なんなんこれ。食べ物やなさそうやけど」


「なんていうかな。静電気を防止するやつ?」


「え?静電気?今冬やないで?」


「乾燥機を使うとな、服に静電気がたまるから、これ入れといてそれを防止する」


「へぇー」



ふむふむ、なるほど。私には要らない物だな。静電気食らわないし。

じゃあ疑問も解決したところで洗濯を始めよう。

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