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275話

梅雨入りですねー・・・おまけ書けそう

その後、歩き回り戦闘すること数十回。

俺以外にもみんな二種類とも戦うことができた。


まぁやっぱり苦戦はしなかったかな。しいて言うならしーちゃんが二体とも少し時間をかけたくらいか。

雷が効きづらい相手だったからというのが大きいかな。最終的に、感電させる感じじゃなくて雷を圧縮して強引に撃ち抜く戦法が有効だとわかったからいいけど。

それを行うために、しーちゃんには俺お手製の金属球を渡してある。レールガン的なことさせるのにいちいち俺から受け取るの時間かかるしな。



「それで何このガラクタ」


「・・・ゴミやないの?」


「うーうー・・・」


「いや、ほら・・・なんかあるかもしれないじゃないですか」



二体とも、手に入ったのは別の物。まだポヨネに見てもらってないが、完全にゴミ。

まず、ガーゴイルからは想像通りの石の塊。サイズはサッカーボールくらい。

鎧の方は金属の破片だ。多分剣のかけらだと思うんだけど・・・



「マジなにこれ」


「・・・とりあえず、見てみますね」



ポヨネの『鑑定』はヨミほど詳しく見えないが、それでもこれがなんなのかくらいは見える。

先ず、岩の方をじっと見て、それから金属の方をじっと見る。



「・・・???」


「おう、そのまったくわかりませんって顔しないでくれ」



困る。



「いや・・・なんか、わけわかんなくって」


「うん?」


「岩の方はまぁいいんですけど・・・これって・・・」


「岩の方は何だったんだ?」


「中に宝石が入ってるみたいです。魔力の籠るタイプですね。デビルアイの水晶より高性能です」


「おお!それはええやんか!」


「宝石なら、もっと硬いだろうしこれはいいな」


「う?」


「水晶・・・てか、あれガラス玉みたいでな」



ガラスそのものってわけじゃないんだが、それでも偉く脆いらしい。

実験で使う分には十分だが、それを使って何かを実際に行うのは無理だそうだ。だから延々と魔石集めをしてたんだけど。



「中の宝石に関しては、実際に取り出さないとわからないですけど」


「まぁ後で取るか。んで、問題はこいつか」



金属片を見るが、ただの金属に見える。

そもそも、あの剣のかけらだと思われる物だ。そこまでの物とはおもえないんだが。



「魔力を通してみてください」


「魔力?・・・ほい」


「どうです?」


「どうですって・・・特に何も」


「その状態で軽く振ってみてください」


「うい・・・おお!?」



魔力を通した金属片を軽く振ると、ふにゃふにゃになった。

だけど決して溶けているってわけではない。ゴムのようなしなやかさになったって感じか。だが、触った感じは硬い。指で軽くはじくと金属特有の甲高い音がする。



「硬度としなやかさを兼ね備えてる?」


「ていうか、魔力を通すことで性質が変化するみたいでして・・・」


「・・・でも、これならわかりやすいんじゃ」


「こっちにも同じことしてくれませんか?」


「???わかった」



ポヨネが見ていた金属片にも魔力を通す。それを振るが、こっちはふにゃふにゃにならない。



「・・・あれ?」


「そうなんですよ」


「・・・これ、もしかして」


「はい、どんな性質の金属になるか、まったくのランダムらしくって・・・」


「何それ!?」


「うお、これおもろいでニホリ」


「うーうーうー!!」



フミが遊んでいる金属片は、魔力を通すと液体みたいになるらしく、それを魔力操作で操れるらしい。

それを使ってあやとりみたいなことしてるし。



「あっちは金属の硬さはないみたいですけど」


「・・・これ、使えるか?」


「まぁ・・・一応溶かして一つにはできますし」


「同じ性質の金属をまとめて塊にして、それでようやく使えると」



な、なんて遠回りな・・・最初からもっと大きいのくれてもいいんじゃないのかこれ。

てか、なんでここに来てランダム要素を・・・はっ!!



「もしかして、この宝石もランダムか!?」


「なんなら。性能もランダムですよ」


「あの人型馬鹿か!?」



これ実装してどうやって人呼ぶんだあのバカ!?



「心外」


「うお!?」


「きゃ!?」


「お?おお、人型や」


「うーうー」



俺とポヨネの間に現れた人型。

そしてその出現を初めて見て感心するニホリ。肝座ってんなぁ・・・



「な、なんですかこれ!?」


「これじゃない。ダンジョン」


「ダンジョン!?・・・あ、なんですこの能力」


「冷静になるのそこなのか」



一瞬慌てた様子のポヨネだったが、人型の圧倒的なステータスを見て正気に戻ったようだ。

ていうか、俺を助けてくれた時に会ってるでしょ。



「いや、ステータスが桁違いなんですけど」


「今は制限がない」


「あ、なるほどー・・・本当にものすごく手加減されてたんですね」


「彼は例外」


「・・・ああ、この感じ。あの時の恭輔さんに近いのはそのせいですか」


「犯人は私ではない」


「え?・・・ああ、あなたを生んだ存在がいると」


「お前ら何話してんだ?」



驚いて正気に戻ったと思ったら、俺を見て何かを察して話始める。

ぶっちゃけ全部の内容がわからないんだけど。それでも、俺のことだとはわかる。

ポヨネはこの人型に何を見たんだ?



「感想を求む」


「え、この流れで聞かれるの俺・・・まぁいいか。端的に言うと、馬鹿かと」


「何故」


「いや、これはこれで人来るだろうけどさ。お前、他の全部もランダムにする気だっただろ」


「・・・ダメか?」


「ダメに決まってんだろ。いや、この金属と宝石はランダムでもいいっちゃいいんだよ」


「食料、燃料、原材料に関してはダメ」


「その通りだよ」



そこまでランダムにされると非常によくない。

食料と燃料と薬の原材料はマズイ。これらは定期的に、一定量が手に入らないと問題だ。

現代社会では、特に先進国で食うに困るってことはほとんどない。それだけ他の国から買ってるのもあるが、ダンジョンで生計を経てることを考えるのならランダム要素が多いのはマズイ。



「まず、ランダムにした理由はなんだ」


「母親?がそうした方がいいと」


「母親・・・ああ、あの人か」



あの胸のでかい人ね。



「理由は聞いたか?」


「人間はガチャに惹かれると」


「馬鹿じゃないの?」



前から思ってたけど、あの人本物の馬鹿か?

いや、でも感じた存在感は間違いなく超ド級のだったわけだし・・・



「・・・いったん置いておこう。なんでランダムがダメかを教える」


「わかった」


「うー」


「ありがと」


「クゥォ」


「ほれ、バトちゃん。おやつやで~」



気がついたらニホリがお茶会の準備をしていた。ふーちゃんも周囲に火の球を浮かべて温かくしてくれている。

人型も、ニホリからお茶を渡されてお礼を言っているし。

バトちゃんもフミの声を聴いてごそごそ出てきた。



「う!」


「あい」



ニホリから、お話していいよ!って許可が出たので続きを。



「まず、ダンジョンに人を潜らせるにはだ。ここが金になると思わせればいい。ここまではいいな?」


「問題ない」


「次に重要なのは、何が金になるか知ること。俺は教えたな」


「聞いた」


「最後は、これをどうやって手に入れさせるかってこと」



ランダム要素は、確かに一攫千金を狙う人間なら行くだろう。

だが、それだけでは人は集まらない。いつでも一定の成果を上げられるものが必要だ。

例えば食料。これはオークが一番いい。簡単に倒せて、美味い。これならこれを目当てにダンジョンに潜る人間がいるだろう。

だけど、これだけだと駄目だ。いろんな食べ物を用意しないと意味がない。



「後は、下に行くほど同じものでも質がよくなるとかか?」


「はい」


「なんだフミ」


「いわゆる、A5和牛が取れるとかそういうことであっとる?」


「あってるあってる」



一層では100g100円。2層では100g200円とか、差を付けるのだ。

そうすることで、その食料を求めて下に行こうと意欲が増す。



「だから、食料は食料で別のダンジョンがあった方がいいかも」


「なぜ」


「全部ごっちゃ混ぜにすると、階層数すごいことになるだろ。大体100層も多いわ」


「ああーわかるぅ。上がってくるの時間かかっていやになったもん」


「せめて50くらいだよなぁ」



俺みたいに無理に進んでいる人間でも、50行くまでに大体9か月。

普通の冒険者である他の国の冒険者や藤岡さん達は同じだけかけて半分以下か半分。

それも、俺が集めた情報をもとにしてるから早いほうだろう。

これ、俺以外が100層までくるのにどれくらいかかるのかと。



「だから、一番いい物が欲しいってのに何年もかかるようなダンジョンはだめ」


「・・・わかった」


「後、モンスターの素材なんだけど」


「・・・まだある?」


「え、いっぱいあるけど」


「・・・そう」


「恭輔恭輔」


「うん?」


「その子、落ちこんどる」


「・・・いや、言わないと進まないから話すすめるけど」


「鬼か」



俺の事をいきなり殴ってくる相手に何を遠慮しろと・・・

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