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256話

なんか今日は一話分多く書けたのでもう一話投稿。

調子が悪い日が続いたのでこの流れを続けたい

高熱が、視界をゆがめる。

すぐそばにマグマが流れてるせいで、猶更熱く感じる。

さて問題。俺は今、何層に居るでしょうか。


答えは~



「うーん、やっぱり熱いわここ」


「久しぶりですねー40層」



そう、40層なんです。


なんだかんだで、俺が調子を完全に取り戻してから1週間経った。

その間、俺はそれまで止まっていたダンジョン攻略を一気に進めた。

本来なら、レベルを上げたり、その階層のモンスターを調査したりち一層一層時間をかけるものなのだが、今回はそのあたりを全部無視している。

親父には許可取ったから、問題ない。


いきなりなんでそんなことをと思われるだろう。

これには、フミに伝えられたことが関わっている。


今の俺だと、30台の階層で苦戦することがないということ。

これは、俺の『■■』込みでの戦力を言っている。じゃあなかった場合はどうかというと、別に苦戦しない。

ロックリザードを、フミから貰った斧を使ったと言っても一刀両断できるのだ。そもそものレベルと能力は足りているどころか、多すぎるくらいなのだ。

これ、実はコロちゃん達にも同じことが言える。『■■』抜きなら俺とコロちゃんたちに戦力的な差はほとんどない。

ようするに、余裕すぎるのだ。

だからこそ、一気に下の階層まで駆け抜けることになったのだ。行けるのなら行った方がいいしな



そんなわけで、40層。今までの階層でも、やばいと思う環境はあったけど、ここはぶっちぎりでやばい。あっつい。

砂漠も暑かったけど、それはあくまでも暑いだ。ここは熱いんだ。

マグマと言ったが、火山というわけではない。ただひたすらにマグマが川のように流れている階層だ。

近づくとやばい。今はポヨネの結界で熱さを軽減しているが、それでも完全に防げてない。



「ぴぴ~」


「お前さんはやっぱ熱さダメか」


「ぴ~」



あちゅい~といいながら、自分の周りに水をまきまくるすらっぴ。

まぁ全身液体だし・・・しかたない。

逆に、砂漠だとダメだったバトちゃんは元気だ。多分日差しが強いわけじゃないからだな。

そして、ちょっと意外なことにふーちゃん。熱いから純粋にぐったりしてそうと思ったら、そうでもないのだ。



「クゥ?」


「うーん。もしかして、『豪炎魔法』って耐熱も込みになってるのか?」


「え、どうなんでしょう」


「自分の生み出した炎で怪我したらアホっぽいし、あっても不思議ではないなぁ」


「うー」



そうそう、今日はフルパーティーってやつなのだ。ユニちゃんとロラちゃんはいないけど。

ポヨネの結界が必須なので、ユニちゃんは今日はお休みなのだ。


ていうか、ポヨネと一緒にダンジョン潜るのって何気に初めてなんじゃ。


流石に面倒くさすぎるので、ここはフミに先にいろいろ聞いている。

どの辺に扉があるのかとかそういうことだ。

俺はともかく、ニホリとかは・・・いや、ニホリは熱さ関係ないんだ。



「う?」


「こういう時に環境無視できるニホリはいいなって」


「うーうー♪」(ドヤ



ふーりんちゃんもだけど。環境無視できるの強いよのなぁ。



「ちゅ」


「「「「「ちゅちゅ!!!」」」」」


「「ガァァ!?!?」」



そうそう、今ちょうど襲ってきたけど、ここのモンスターってワイバーンなんだよね。

もう一体はマグマの川を泳ぐ魚だ。33層にいたピラニアのマグマ版?

ピラニアのモンスターはそのまま普通のピラニアを大きくしただけなのに対し、こいつは全身が黒く硬い鱗に覆われている。

この鱗のおかげで、マグマの熱でも問題ないんだろう。


ちなみに、ワイバーンは大体バトちゃんに切り飛ばされるか、ねっさんに爆殺されて終わっている。

コロちゃんもしーちゃんも俺も何もしてない。

このワイバーンだって、20層のボスに比べてら強いはずなんだけどな。サイズだって大きいし。

でも瞬殺だもんなぁ。



「それにしてもすらっぴ以外でもワイバーンって簡単なもんなんだな」


「きき!」


「ちゅ!」


「まぁ・・・そらそうやろ」


「おう?」


「ワイバーンってドラゴンっぽいけど違いますし」


「・・・マジもんのドラゴンってやばい?」


「少なくとも、ここの連中とは比べ物にならんくらいやわな」


「そうですね~私は知ってるだけですけど、今の恭輔さんでも危ないんじゃ」


「そんなに!?」



今の俺ってことは『■■』込みの俺でしょ?全力稼働時にはフミより強くなるあの状態でしょ?

フミでもやばい敵がいるってだけでドン引きなんだけど・・・ああ、でもフミは70台のモンスターか。それより下なら確かに・・・



「いや、上におr・・・ミスった」


「やべぇこと聞いたわ」


「うー・・・」


「ニホリちゃん、その反応もダメです」


「・・・う!?」



ニホリが知ってるってことは50層確定じゃないですかヤダー。

・・・え、マジか。割と近い所にそんなのいるの?



「い、いや。みんなで戦えばそこまでじゃないですから」


「ああ、せやな。元々うちは一人で戦うから苦戦するし・・・」


「うん?」



一人でやると苦戦するって・・・また変わったタイプなのか?ドラゴンなのに?

最初のドラゴンは記念だから王道をいく感じがいいとか思ってたんだけど。



「それに、恭輔さんずっと全力で戦えないじゃないですか」


「うっ!」


「結局、最大で何分までいけるん?」


「・・・30秒」


「みじか!?」



そうなのだ。『■■』の全力稼働は実は全く長続きしない。

今の段階で、あの悪魔どもで試した結果が30秒。人型相手に使ってた時は、もっと長い時間戦えたんだけど・・・



「多分、敵が弱いから途中で集中が切れるんだよねぇ」


「ああ、わかるわその気持ち」


「無意識に気が抜けるってことですか?」


「というか、ほら、使用条件があれじゃない」


「お姉さまとか、私たちに害がある場合に発動でしたっけ?」


「正確には、俺がみんなを守ろうとする気持ちに応じて使えるんだけど・・・」



使わなくても余裕で勝てるって敵に発動しないんだよこれ・・・

もちろん、最初に出会った悪魔みたいに俺を全く見ないでフミばっか狙うゴミは即殺しなきゃいけないから全力なんだけど。



「真面目にはやるんやけど、本気になりきれんのよなぁ」


「そうそう、まさにそんな感じ」


「なるほど。あんまり思ったことないですね」


「ああ~ヨミもそうやったし、ポヨネもそうかもしれんなぁ」


「そうなのか?」


「ヨミ、戦闘嫌いやから敵見たらすぐ終わらすで」



ああ、嫌いだからこそ長引かせないために全力で排除するのか。

しかも、確殺っていうか、多分相手に何もさせないで殺すんだろうな。自分は一歩も動かないで。



「正解や。マジで一歩も動かんで潰す」


「・・・私もできますね、一応」



嫌いだからこそ即殺するってのは、うちだとピッちゃんが近いかもな。

飽きたら最短で殺しにかかる妖精とか物騒だけど。いや、無邪気ないたずら妖精って考えれば正しい気がするわ。



「そうこう喋ってる間にとうちゃーく!!」


「・・・何もないけど」


「ワフ?」


「めぇ?」


「見にくいだけや。ほれ、真ん中見てみぃ」



フミに案内された場所は、マグマの川の中心点。ここから各地に向かってマグマが流れている見たいだ。

池みたいになってるし。その真ん中・・・あ、あった。



「なにあれ、扉ってか穴?」


「せやで~。まぁ、見た目穴みたいになってるだけでその先に普通に扉あるんやけど」


「ああ、なるほど」



地上をいくら探しても意味ないですよーってか。面倒極まりないなここ。

ただでさえ熱さ対策しなきゃいけないのに。対策したところで長時間滞在は無理だ。

なのに地上にはないから、探すのに一苦労ってわけだ。面倒ってか厄介。



「・・・でもマグマの上ってどうやって行くんだよ」


「うちらは跳び越えてたで?」


「恭輔さんも飛べますよね?」


「まさかに力技だった」



今回は俺の『土魔法』で道を作ることにしました。便利だわ『土魔法』























40層のボス部屋は、マグマに近かったせいか涼しかった。

いや、違う。それ関係なしに寒いんだ。おそらく寒気は気温関係ないぞ。敵から感じる圧のせいだ。



「なんていうか、幽霊系かな?」


「お、わかるんやな」


「心霊スポットで感じるタイプのやつだわ」



背中がぞわぞわってする感じ。

だけど、それ以上に気になるのは相手の強さ。40層だ。今までの傾向からして間違いなく強い。


地面の下から、手が出てきた。そのまま少しずつ、体が出てくる。

大河ドラマに出てきそうな感じの、甲冑を着ている鎧武者だ。ただし、隙間から見える肌は腐っている。



「ァァァァァァ・・・」


「なんていうのかな?こういうモンスターって」


「うちらは、屍武者って呼んどったけど」


「なるほどね・・・」


「来ますよ!!」


「ワン!」


「クゥ!」


「ぴ!」


「きき!」


「「「「ちゅちゅ!!」」」」


「るる~」


「シャー!!」


「めぇ!」


「うーうー!」



戦闘開始

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