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おまけねっさん&ポヨネ

ぶっちゃけポヨネの回と言ってもいい。ねっさんのだけのを再度書きたい。

昼一話夜一話です

さて、皆さま「猫吸い」なるものをご存じだろうか。

俺もその呼び方自体を知ったのは最近だが、それ自体は昔はやっていた。

あれはあれで気を付けないと猫側が病気になったり寄生虫だったりといろいろ危ないので気を付けないといけない。

俺は親父たちに前から言われているのでそのあたりは大丈夫だが。


気になるのは、昔はやってた、というところだろう。

なぜ 昔なのか。簡単な話だ。野良猫だろうが飼い猫だろうが、猫吸ったらコロちゃんにぺちんされて拗ねられる。

そうすると機嫌を戻すのに時間かかるし、何よりコロちゃんに嫌われたくないのでここ最近は遠慮していた。

だが、そろそろもう一回やりたいなぁと庭を眺めていたところ、そんな俺の心境を知ってか知らないでかその子はやってきた。



「ちゅ?」


「あらねっさん。遊ばなくていいの?」


「ちゅちぃ~」



当時はまだ、みんなもほとんどいない。ふーちゃんがうちに来たくらいの時。

なので、みんな大体一緒のメンバーで遊ぶことになる。飽きたのだろうかと思ったが、単純にみんな休憩中らしい。

ねっさんはこの時から元気もりもり。人一倍・・・ネズミだけどそれだけ元気だった


そして、先ほどの話戻るが、ねっさんの大きさは・・・まぁ察して



「ちゅ?」


「・・・」



ねっさんは、持ち上げられて首をかしげる。

また撫でてくれるのかなーって顔してる。


ちょっと話を止めるがねっさんの分身。ポヨネはこの時には既に生まれている。

爆発させるのはあれだから戦闘には出てこなくなった時か。だが、出さないままというのもあれだ。だから時々分身としてポヨネが出てきていたらしい。

まぁあくまでポヨネとしてまとめられる前の一個体なんだが。

ちなみに、俺はこの時ポヨネ達の存在を知らないし、知る由もない。


持ち上げたねっさんを顔に近づけて・・・



「ぢゅ!?」


「んー」



吸った。すごく吸った。


最初はじたばたして動いていたねっさん(ポヨネ)だったが、すぐに動かなくなった。



「・・・ぷは」


「・・・ちゅ~///」



顔から話したら、照れたかのような仕草。

可愛い。もう一回と手を伸ばしたその時。



「ちゅ?」


「あら、ねっさん。あ、じゃあこの子分身か」


「ちゅちゅ?」


「ちゅ~」


「ちゅ!?」


「ちゅっちゅ」


「ちゅちゅ!」


「え、ねっさん?」



何か話したらと思ったら、ぴゅーっとどこかへ行ってしまった。

両手を伸ばしたままで置いて行かれてしまった。

・・・なんか消化不良だぞ。



「ワン」


「コロちゃん!・・・吸っていい?」


「・・・ワフ」


「わーい」



猫に取られるくらいならと快諾してくれましたよええ。

ちゃんと終わったコロちゃんの好きなことしてあげるからね!!


























視点をねっさんに移そう。


ねっさんは焦っていた。そもそも将来ポヨネと名付けられるこの個体を隠しているのは、恭輔に罪悪感を持たせないため。

意思のある個体。普通に生きているのと変わらないこの子を爆発させてたなどと気がつかれて日には、恭輔は罪悪感で倒れかねない。

だが出さないままというのも悲しいだろう。自分が同じ立場だったら、外に出たいはずだ。

だから、家にいる間、時々外に出していた。


それが、思いっきり裏目に出た。

先ほどのこの子の反応。気がつかれたかもしれない。



「ちゅ?」


「・・・ちゅちゅ~」


「ちゅ~」



・・・大丈夫・・・かな?って感じだ。

どうやら上の空だったらしい。自分たちの事だと基本鋭いが、自分の欲望を優先する時はアホほど鈍感なので大丈夫だと思いたい。

それにしても、一体何をされたのだろうか。恭輔への好感度が降り切れているのだが。



「・・・ちゅ?」


「ちゅちゅ!」


「ちゅ?」


「ちゅっちゅちゅ~♪」



吸われた・・・?わからない、何を吸われたのだろうか。そういうスキルでも得たのだろうか。

だが何故吸われて幸せなのか。



「ちゅ~?」


「ちゅ?」


「ちゅちゅ・・・」



この子も分からないらしい。

・・・吸われる・・・?こういう時に、恭輔以外に自分たちの言葉を完璧理解できて、モンスター側の常識も理解できる存在がいればいいのだが。

コロちゃんは狼・・・というか、基本のベースが恭輔側なのであんまりこういう時にはダメらしい。本犬が言ってた。

すらっぴとバトちゃんは自分以上に子供だからダメだ。ふーちゃんは最近うちに来たので、こちら側への理解がまだ浅い。


ニホリの到来は、まだもう少し先の話だ。































時は流れて、3月末日。恭輔が『■■』を得て、調子も戻ったころに、ポヨネは恭輔の部屋の前にいた。

部屋の中には恭輔以外はいない。それは確認している。今回のポヨネの目的の最大の障害であるフミは台所でニホリと何かやっている。


故に、今ここで立ち止まっている理由は自分の気持ちの問題なのだ。



「・・・スゥー・・・ハァー」



一度深呼吸。

気分を落ち着かせる。あれをしてもらってから、早数か月。

あの時は、自分だと思われてなかった・・・そもそもあれは己を構築する意識の一つなのであれで気がついたらすごいのだが。

だが、今回はポヨネとしてお願いする。もう一回。



「・・・いや、何してんのポヨネ」


「キャン!?」


「ええ?」


「い、いつのまに」


「気配は気がついてたし、深呼吸してた時から見てた」


「そ、そうでしたか・・・」



見られていたようだ。

恥ずかしいという気持ちもあるが、それ以上に自分に気がついていたことがうれしい。

分身時代に身についてしまった精神だから。どうしようもないのかもしれないが。それでも、見てもらえるのはうれしいのだ。


まぁともかく、見られてしまったからには仕方ない。そのまま部屋に入る。

部屋の中で、何かを書いていたようだ。一気に階層を進んでいるので、書くものも多いのだろう。

それを見て、若干頼みずらいなぁとか思ったが。



「それで、何か頼み事?」


「!?」(ビクン


「ポヨネが来るってそういうことかなって」



既に見通されていた。それすらうれしい。自分は、本当にダメになっているみたいだ。

バレている以上、ここで遠慮すると逆に恭輔に気を使わせてしまう。具体的には、小一時間気持ち良くされてしまう。

・・・それはそれでいいかも。


って、違う違う。今日の目的はそうじゃないのだ。

意を決して、恭輔に伝える。数か月越しの思いだ。



「恭輔さん!!」


「お、おう」


「吸ってください!!」


「・・・おう?」



言ってしまったー。


両手で顔を覆う。犬の状態だからお尻を突き出している格好になっているが気にしてられない。

自分からこんなことを頼むなんて。恥ずかしいと思いと、これから来ることへの期待感で恭輔の顔を見れない。



「・・・まぁとりあえず」


「・・・」(モジモジ


「・・・なんかやっぱりポヨネって犬っぽくないよなぁ」



なにか言われているが、それどころではない。

念願叶うのだ。何度でも言おう、それどころではない。



「んじゃ、失礼して」


「んにゃ!?」



自分でどこから声が出たのかと思わんばかりの声が出た。

恭輔の息がかかってこそばゆい。だがそれがいい。

すっごく吸われている。


5分ほど、そのままだった。前回は数秒で終わったが、今回は長い。

ふにゃふにゃになりそう。



「・・・ぷっは!。ふぅー・・・ポヨネ?」


「・・・きゅー」


「あ、やりすぎた」



訂正、ふにゃふにゃになってた。膝に乗せられて力なく横になる。

時々ぴくぴくしてるその姿は、恭輔から見ると非常に良くない姿に見えて。



「フミに見られたら怒られるんじゃないこれ?」


「・・・わふー」


「ああ、完全にふにゃってる・・・今のうちにもう一回」


「ワフ」


「あ、コロちゃん。・・・吸っていい?」


「・・・ワフ」


「うし。流石にこのポヨネにやったら今度こそ気絶しそうだし」



ポヨネをベットの上に寝かしつける。

時々えへへーとか、わふーとか聞こえるし、多分意識あるから寝かせるだけで大丈夫だろう。

それに、なんか幸せそうだしな。



「よっこいしょ」


「・・・ワフ?」


「いや、この方がやりやすいなって」


「・・・ワン」


「わーい」



ポヨネは、今、幸せだった。

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