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241話

夜分です

「ミャ」


「ミャ~?」


「ミャミャ」


「ニュ」


「ミャー!」


「元気元気」


「ガウ」



ただ、あんまり俺の腕の中で暴れられると落ちちゃうよ?


とりあえず、この動物園の中を一周。

ぐるっと回って顔合わせは済んだ。みんないい感じのリアクションだったから。大丈夫だろう。

それにしても、この子たちは普通なんだよなぁ。



「ガウ?」


「ああ、そうそう。梅子のとこのユニちゃん」



ユニちゃんはこの動物園にいる馬、梅子の子供だ。

だから生まれはここの動物園になる。でも梅子は普通の馬。ユニちゃんはユニコーンだ。

そもそもの種族が違う。何故ユニちゃんはユニコーンとして生まれたのか。他の赤ちゃんたちに影響がないのはなぜか。

わからないことは多い。魔力が関係していることはわかっているのだが。



「まぁ、こいつらは今のところ魔力を持ってないから、大丈夫だと思う」


「ガウ」


「いや強くなられてもなぁ」



その方が強そうじゃないかって言われてもねぇ。

動物園の子が強くなってもな・・・お前は猪より強かったな。



「うん、ほっといてもお前に似るよ」


「ガァ」


「そうかい」


「ミャ」


「・・・人懐っこさではお前の敗北だな」


「ガウ」



いらんそうです。


それにしても、この赤ちゃん達・・・いや、すでに子供って表現が正しいか。

とにかく可愛い。怖い物知らずって言うか、とにかく俺の指に噛みつきに来る感じがうちの子たちにない無邪気さで非常にいい。

多分ミルクを飲む感覚に似てるのだろうけど、とにかくそれをねだってくる姿が・・・



「俺ってそういうのに弱い?」


「ガァ?」


「うそぉ」



今更かってマジか。



「「ミャ~」」


「あいあい」


「・・・ガウ?」


「え、全然。まだ顎の力も弱いし、歯もそこまでだし」



持って帰りたい~



「ガウ?」


「ふっふっふ。今ならお前に噛まれても問題n」



がぶ




















「ただいまもどりました~」


「ああ、おかえりなさい・・・大丈夫です?」


「え、まぁこれくらいは」


「ガルルル・・・」


「ミャグ」


「ミーミー」



綺麗にライライ達に噛まれているが、全く問題ない。

しいて言うならよだれが大変。



「安心してください、着替えは持ってきてます」


「噛まれる前提なんですね・・・」



前々からこう言うのありだなって思ってたのでまぁ。


ライライ達も五分くらい噛み続けて疲れたのか、意味ないからあきらめたのか放してくれた。

何かマジかこいつみたいな目で見られてるけど。子供たちからは尊敬の目で見られてるけど。



「・・・俺のように強くなれるよ」


「「ミャー!!」」


「ガウ!?」


「あはははは・・・」



先生もこの苦笑いである。



「なんというか、恭輔君。変わりませんね」


「え、そうです?」


「ええ、昔から無邪気というか。頭いいのに動物の事になるとちょっと考え無しになるのが」


「・・・俺昔から噛まれてましたっけ?」


「いや、それ以上の事やってますよ」



なんだろうか、ライライに乗ってたことはまぁ大丈夫でしょ。

あと何したっけ。アライグマと並んでなんか洗ったり。カンガルーの子供を抱えて親の周りをグルグルしたり。

もしかして、野生の熊と出会って即日仲良くなったり?



「全部です」


「うぇい」



全部だった。



「そういえば、今日はどれくらいまでいるんですか?」


「泊まりたいです」


「なるほど、迎えが来るんですね」



おかしい、伝わらなかった気がする。

いや、確かに迎えくるんだけど。時間的に・・・あと30分かな。



「あと30分くらいですね」


「意外と速いんですね」


「明日約束がありまして」


「・・・なのに泊まろうとしてたんですね」



あ、聞こえてはいたか。単純に流されたか。


明日の約束。

それは雪ちゃん家に遊びに行くのだ。

フミとポヨネ、ニホリが一緒だ。他の子も流石に明日はお休み。フミもいないしな。

そういえば、俺が日中いない影響か、夜俺が部屋にまったりしてると皆大集合する。普段別室で遊んでたり、そっちで好きに寝たりしてるのに、今は全員集合。

もしやと思ってしーちゃんたちの小屋に行ってみたらなんかユニちゃんが前回俺が使ったベッド周辺で寝ていた。

俺が来るの待ってたんだよね。可愛い。



「ミャ?」


「おまかわ」


「ミ~」



まぁ今はこの子たちを堪能するとしよう。


















時間というのは過ぎるのが速く、あっという間に30分たった。



「恭輔~」


「あら?お迎えフミか?」


「買い物も寄ってきたんよ~」



フミの手には近くのスーパーの袋がある。

袋からネギが飛び出ている。この時間だとすでに今日分の夕飯は作り終わっているだろうから、明日分かな。



「うっし。じゃあ挨拶して帰るか」


「ニホリも待っとるでぇ・・・ところで」


「うん?」


「その子、持って帰る気?」


「ミ~」


「・・・持って帰りてぇ」


「ガウ」(ベチ



怒られた。

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