240話
昼一話夜一話です。
元気になったわ。
「よかったわ」
「よかったですね」
「うー」
「よかったわね~」
「でも一つ問題が」
「癖になりそうとかだったらがんばれとしか言えん」
「・・・なるほど」
「いや、当たりかいな」
定期的にあれされたい。
皆個人的にすきにさせてくれるのはあるんだけど、いっぺんにってなかったからなぁ・・・
久しぶりにやってきました動物園。
もちろん場所は梅子・・・ユニちゃんの親がいるところだ。
「おっす久しぶり」
「ガウ」
まぁ一番最初に会いに行くのはライオン。
見事なまでにメスを二匹侍らせているライオンだ。イケメンらしい。
「・・・ガウ」
「あ、わかるもん?まぁちょいわけありだけど」
「ガァ」
「わかっとるよ~・・・まぁいろいろ問題ありなんだがな」
「グル?」
「いや俺に」
このライオン・・・俺は勝手にライライって呼んでるけど。こいつとも長い付き合いだ。
家でずっと一緒だったコロちゃんと違って、この動物園でしか会わない分一緒にいる時間は短いが、出会った時期はコロちゃんより早かったからな。
今日はそのコロちゃん達は誰もいない。
ちなみに、今何話してたのかというと、まぁライライに番いができたかと言われたのだ。
匂いはしてないはずだが、まぁわかるものなのだろう。
なお、俺がかつて乗っていたライオンはこいつ。
「そういや、ライライ子供いないの?」
「ガ?」
「いや、嫁さん二匹いんのに」
「「ガウ」」
「え、いるの?」
おかしいな。会ったことないんだけど・・・
後で聞いてみたら、なんと生まれたのは本当に最近のことだそうで。
俺がダンジョン関連で忙しくしてた時に生まれた子だったらしく、親父には伝わっていたがそこで止まってたらしい。
なんでも、聞いたら仕事投げてかけつけそうだったとのこと。
「マジか・・・会ってくるわ」
「ガウ」
「お、マジ?じゃあ一緒に行くか」
さぁわかる人が聞けば、ん?って感じだが。
まぁ俺はいつも通りライライ達と普通に接している。ライオン相手に、柵とかなしで。
現在の俺はすでにライライより強いし安全なんだが、そもそもこいつらと話す時に何かを隔てたことはあんまりないんだけど。
そんなライライを伴い動物園を闊歩する。今日は休園日なので好き勝手やれるのだ。流石に係員の人も少ない。
そもそもの規模が大きい動物園ではないから、そこまで多いわけじゃないんだが。
ライライと一緒に人のいない道を歩く。昔は乗っていたが、流石に今はな。
嫁さん二匹はお留守番だそうだ。
道中で、見知った子たちが挨拶してくれる。
アルパカ、ウサギ、鹿、キリン、ペリカン、カンガルー、梅子。
他の子たちはこの道じゃなくて回り道のところにいるからな。後で会いに行くけど。
向かっている先は動物の赤ちゃん達が集まる施設。最初のうちはそっちで面倒見て、ある程度成長したら親元に返す。
まぁ成長してる最中でも時々親には会ってるけどな。カンガルーのロナウドはうちの子はどこだ!?どぶちぎれた経験あり。奴はいいボクサーになるぞ。
「ああ、なんかここも久しぶりかも」
「ガァ?」
「いや、最近あんまり赤ちゃん生まれたなかったから」
俺の中ではユニちゃんが最新だけど、ユニちゃんここにいる間に俺来てないし。
さてと、ちゃんと中に待機の人はいるみたいだな。
流石にライライをそのまま連れてくるとその人がビビるので・・・
「ガウ?」
「いや、面倒だからこのままいくか」
「ガウ」
後で園長先生に行っとけば大丈夫でしょ(投げやり)
「「ミャー」」
「おお、かわゆいのぉ」
「はは、いやぁ。待機していてよかった」
「ガウ」
なんと、待機していた人は園長先生だった。
なんでも、俺がライライから赤ちゃんの話を聞いたら間違いなく一緒に来ると思われてたらしく、他の人では混乱するだろうから先に待っていたらしい。
「それにしても双子なんですね」
「正確には違うんですけどね」
「・・・あ、二匹同時か。なるほど、やるやん」
「ガウ?」
二匹いたお嫁さん同時に子供産んだのね。そりゃ双子じゃないわ。
ん~それにしても、そこそこ大きいな。
まだまだ赤ちゃんくらいなんだけど、生まれたてって感じじゃない。大体1月くらい?
「外にはもう出たんですか?」
「そろそろって感じですね。今日出ますか?」
「いや、それ明日のメインイベント」
「まぁ恭輔君なら仕方ないかなと」
大丈夫とかじゃなくて仕方ないってなに先生。
「「ミュー」」
「お、なぜか甘えられてる。これはモテキ」
「恭輔君は動物相手なら常時そうでは」
「ガウ」
「赤ちゃんにモテるのはなかなかないんだぞ」
「・・・それ出会わないからでは?」
「グルル」
「「ミャー」」
「あ、とられた」
流石に親には勝てんか。
というか、流石ライライ。ちゃんと自分の子供だと認識している。
動物の中でも育児放棄するって場合はあるのに。
「この子たちは・・・まぁあの子らなんで大丈夫か」
「ええ、ちゃんとお世話してますよ」
「逆にもっと世話させろって言われてます?」
「ははは。恭輔君がいると、非常に安心して見てられますよ」
「俺関係あるのかこれ?」
ちゃんとライライのお嫁さん達は育児しているようだ。
なんで俺が関係してるのかわかんないけど、子供にはいっぱい会いたいようだ。
今日来なかったのは俺に気を使ってくれたのかな?
「らいらーい」
「ガウ」
「一匹頂戴」
「ガウ」(ベチ
「おうふ」
冗談なのに。
「ミュ?」
「お?おお、そうだった。初めまして・・・名前は?」
「まだ決まってないんですよ」
「あら?珍しいっすね」
「ええ、なぜか我々が名前を付けても反応してくれなくて」
「あらま」
「ミャウ!」
「ええ~いいじゃんか可愛くて~」
どうもミャー子とかそういう感じの名前が嫌らしい。
むむ。でも名前なしは不便だな。
「いっそ応募にしたらどうです?」
「・・・そしたら大量に来たんですよ」
「あ」
なるほど、それの選別を今やってたのか。そらここでもできる仕事だわな。
「ま、かっこいいのだといいな」
「ミュ!」
「お前はどうだ~」
「ミャ~」
「あらま正反対」
名前の趣味じゃなくて性格の話。
最初の子は元気・・・ライライに似てる。
次の子はおっとり。これは母親似かな。
「・・・恭輔君」
「はい?」
赤ちゃんライオンの二匹と戯れつつ、ライライにも赤ちゃんをけしかけたりしていると、先生が何か思いついたようで。
「少し、この子たちを散歩させてくれませんか?」
「・・・いや、だからそれ明日の」
「でも、恭輔君がいた方が挨拶は簡単でしょう?」
「ああ、そっちが目的ですか」
ここの圓の動物達は皆仲良し。本来柵で区切られて会うこともないはずなのだが、仲良し。
これの原因は完全に俺なんだけど、本来ここの動物じゃない野鳥たちも含めて仲良し。
だから、赤ちゃんが生れれば誰かしら経由で全員にそれが知れ渡る。
今回のライライキッズたちの事も知っている。だが、まだ直接会ったことはない。
故に、円滑にコミュニケーションができる俺がいる今のうちに顔合わせをしておきたいのだろう。
そもそもそんなことする必要ないんだけど、まぁここは特殊だしな。
「・・・行く?」
「「ミャ~!!」」
「じゃあ連れてきますわ」
「お願いしますね」
「ガウ」
さて、順番的には・・・




