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23話

新キャラ登場

先日放送された番組の評判はいろいろな意味でいいみたいだ。


狂化個体の様子にテレビの前で泣き出す子供もいたそうだ。ネットの方もあんな危険なところに入りたくないって人は多いみたいだ。


それ以上に、アイドルをあんなところに連れてった俺と番組スタッフに非難囂々だけどな!!










「ってなわけです。はい」


「やりすぎちゃってるしな」


「ちょっとやりすぎね~」



昨日は家に帰って来なかった両親に今怒られています。怒られているというか、たしなめられてるというか。

俺自身ちょっとまずかったかと今は反省してます。



「あんなところまで連れてかなくってもいいじゃない。うちでもあそこまで行けてないのに」


「本当に反省しています・・・」



姉ちゃんも昨日の番組を見たからなのか、また帰ってきている。よく許可出ましたね。


それにしても本当になんでだ?

10層以降はどうなるかわからないのも分かってたはずなのに、なんで行こうと思ったのだろうか。



「あんたが大丈夫だと思ったのなら危険はないんだろうけどさ」


「・・・それなんだけど」


「なに?」


「なんであんなにあっさり勝てたのかわからないんだよね」


「はい?」


「元々あんな感じに戦ってたんじゃないのか?」


「戦い方は変わらないけど・・・」



魔法は普段あんなに、早く発動しないし。打撃に関してもあの速度と威力を出すのは無理。あの時にはできた。

確かに前日にもあいつと戦ってたから前日よりは強くなっているのは確実だ。でも、あんなにわかりやすく前の日の俺と違うと感じたのは初めてなのだ。



「じゃあ、あいつに勝てる保証はなかったの?」


「いや、勝つだけならできる。もっと時間がかかるはずってだけだから」


「・・・能力の急上昇か」


「心当たりはないんだけど」



ここまで一気に強くなったことは今までにないことだ。レベルも別に区切りのいいレベルでもな。今は32になっている。



「昨日は冒険者カードは確認したのか?」


「カード?してないけど」


「見てもいいか」


「別に構わないけど」



懐からカードを取り出す。いつでも取り出せるように出来るだけ身に着けるようにしていた。



「レベルのところとかは何もないけど?」


「裏を見せてくれ」


「ほい・・・?」


「これだな」



表面には変化がなかった。



裏面に新しいテイムモンスターの名前が書れていた。名前は空白のままだが。



「・・・ありえない」


「知らないのか」


「ここ最近でテイムしたのはふーちゃんだけだ。それ以外は使ってもない」



それにアナウンスも聞こえなかった。テイムが成功したのならアナウンスが流れるはずだ。

さらにこのモンスターには種族名すらもない。何がテイムされているのかまったくわからないのだ。

ただ一覧に一匹分追加されているだけ。



「俺の身体能力の上昇はこれのせい?」


「今までテイムしたときに身体能力が上がったとかはないんだな?」


「なかった」


「ならわからないな」


「ぴぃー!!!」


「ウボッ!!・・・すらっぴ?」


「ぴー!ぴぴぴぴ!」


「は?侵入者?捕まえた?」



え、どういうこと?



「泥棒でも入ったのか?」


「だったら俺が先に気づくと思うけど」


「私も家の中ならわかるよ?」


「なら、違うのか」


「・・・恭輔の新しい子じゃないの?」


「「「・・・あ」」」



いや、まさか・・・え?



「あり得るのか?」


「・・・とりあえず見に行く?」


「そうだな。恭輔と俺で行こう。母さんを頼んだ」


「OK」


「ぴぴー!」



俺と親父の二人で階段を上り俺の部屋に向かう。すらっぴが先導してくれるが、他の子たちは大丈夫だろうか。怪我してないといいが。



「ぴぴっ!」


「怪我無いのか。それはよかった」



仮に俺のテイムモンスターだった場合。下の連中でも俺の知っている奴らなら暴れても抑えられるだろう。だが、俺の知らないモンスターだった場合はわからない。

仮にだが、負傷する可能性もあったはずだ。



「ドア空いてるな」


「すらっぴが開けっ放しにしたんだな。入るぞ・・・?」


「・・・どうした恭輔・・・うん?」



最初に俺が入ってきて、中をみて固まる。それを見た親父が不思議がり、続いて中を見て固まる。



中では確かにみんなが侵入者?を捕獲していた。

バトちゃんが頭の上に陣取り、コロちゃんは相手の後ろから肩に顔を乗せ顔をのぞかせている。ねっさんは分身して周囲を取り囲む。ふーちゃんは膝の上に陣取りくつろぎ体制・・・と思いきや、空中に火を出している。


周囲を完全に囲まれているそれはモンスターではなかった。

和服姿の小さな女の子だった。言い表すなら座敷童の姿をしている人間だった。

囲まれ、敵意を向けられているせいか、涙目で震えている。




・・・・・・・・・・



「何してんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
































「なんかいました・・・」


「なんかいたな・・・」


「えぇ・・・」


「可愛い子じゃない」


「う゛~」



小さな女の子が俺に抱き着いている。正確には椅子に座っている俺の膝の上に座り、泣きながら抱き着いている。


・・・幼女に抱き着かれてるのは役得になるのだろうか?



「いい子ね~。どこから来たの~」


「う?」


「わからないの~」


「部屋だよ?って言ってるけど」


「恭輔の部屋か・・・うん?」


「窓から入ってきたの?この小さな子が?・・・・うん?」


「何そのそろった反応」


「すまん、君の名前は?」


「う~」


「君はなんて種族?」


「う~!」


「恭輔、なんて言ってる?」


「えっと。名前はまだない。ってのと。種族は・・・市松人形?」



そういう名前のモンスターなのか?ていうか、モンスターが自発的に出てきたのって初めてか?すらっぴは俺が外に出したもんだしな。



「恭輔、そこじゃない」


「どこ」


「なんで今の一言でそんなことがわかるのよってところよ」


「なんでってちゃんと伝わってきた・・・あ」


「そういうことだ」


「この子がテイムモンスターね」



そういえばそうだ。コロちゃん達で慣れすぎて違和感も起きなかったが、普通、う?の一言で意思疎通ができるわけないだろう。

そうか、これ。テイムしたモンスターと同じ感覚で意思疎通をしているのか。



「お前、モンスター?」


「う!」


「いつからいたの?」


「う!うっう!」


「うちに来たのは先月?起きたのは昨日?」



どういうこっちゃ。君みたいな子供を連れ込んだ記憶はないのだけれど?



「う!う!」


「これが私?」



そういって見せられたのは、日本人形だ。

こんなん持ってたか?



「ぴ!!」


「掃除してたやつ?・・・おお」



すらっぴが日課で掃除してた人形か。最近は器用になってきて俺が手伝うことなくなってきたから忘れてた。

確か・・・これってどっかのボスの宝箱だったか?。時間の報酬だったか?でもその辺だよな。ダンジョンで手に入れたのは間違いない。



「・・・これが君?」


「うう」(こくり


「どうなってんだ・・・」



でも確かにこの子がテイムモンスター扱いで俺のカードに載ってるのは間違いないのだ。つまり、この子は俺の管理下に置くべき子なのだろう。それはわかるんだが・・・。



「人形が幼女に・・・」


「う?」


「なんでこうなったの?」


「う!」


「魔力がたまった?」


「う!」


「レベルが上がって、出てこれるようになった?」


「ううう!!!」


「昨日もいっぱい手伝った?」


「う!う!」


「・・・よしよし~」


「う~!」


「なんて言ってるんだ?」


「・・・頑張ったから誉めてって言われたからなでてる」


「・・・そうか」



謎が解決して、謎が増えた。

わけわかんねぇ・・・

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