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221話

夜分です

新しい階層に行けなくなって・・・禁止された次の日。

ゆっくり行こうとは言ったものの、やることないんだよね。こうなると。



「なんやあるんやないの?」


「うーん、あるにはあるんだけど、研究所の関連で何かやるくらいしか」



持ち帰った素材の解析なんかは、ヨミさんの『鑑定』の結果もあるんで大体終わってる。

そこからの利用方法なんかは各研究室とか、一部の一般企業とかがやってるし。

その分の数を集めなきゃいけないのはあるんだけど、元々今まで大量に納品してたから今やらなくてもいい。



「そんなわけで、やることがないんです」


「今あらためて 思うと、恭輔のお仕事って基本素材の回収なんやな」



俺だけじゃなくて、藤岡さんとかもそうだな。

俺の場合はそれに新しい階層の探索ってのがあるんだけど。

あ、そういえば、藤岡さんたちは20層を越えて22まで来てるそうだ。がんばってんなぁ。



「うー?」


「クゥ?」


「どうした、うコンビ」


「うコンビて」



両方とも近いかなって。



「う?」


「ん?野菜・・・ああ、確かにここ数日見てないかも」


「う!」


「確かに」



少し前にダンジョンに植えた野菜達。

週に一回様子を見に行っているんだが、確かに今週は行ってない。

植えた野菜の種類はニホリの好みで決めてもらったから、本人はちゃんとできるから楽しみなんだろう。



「うし。行くか。一緒にくる子は集合~」



集合掛けたら押しつぶされた。



「うぼぉ」


「ワン」


「ぴ」


「る」


「ちゅ」


「」(ギュー


「いつも通りやな。あ、しーちゃん。今日はユニちゃんも一緒に行くから、伝えといてな」


「めぇ」


「う?」


「そうやな。ヨミも一緒に連れてくっちゅうんもええなぁ」



人が押しつぶされている間に何の相談してるんだあいつら。

だけど、普段ダンジョンに着いてこないロラちゃんまで来るとは、今日はどうしたの?」



「」(ヒマ


「ああ、ユニちゃんが最近レベルアップのためにいないこと多いから暇だと」


「」(ギュ


「む~。確かに考え物だな・・・」



前まではユニちゃんいたから遊び相手には困らなかっただろうが、今は違うからな。

だからと言ってロラちゃんをダンジョンに連れて行くのはちょっとないな。

ロラちゃん自体が薬を作れるし、ニホリと違ってレベル上がらなくても強くなるとかそういうの無いからな。

ついてくるだけでかなり厳しい。



「いや、そこに暇そうにしてる猫ちゃんがいるでしょ?」


「」(コテン


「あれ?遊んでいいんだよ?」


「」(!!


「知らなかったんかーい」



そんな理由かよ。





























「「「「めぇ」」」」


「おっす久しぶり」



羊ちゃん達も元気そうでなにより。まぁこいつら怪我も病気もしないから元気に決まってるんだけど。



「めぇ?」


「めぇ」


「めぇ」


「めぇ」


「めぇ~」


「・・・あかんわからなくなってきよった」


「うー」



まぁわからん人からすればめぇめぇ鳴いてるだけだしな。

フミもニホリも分かる人だけど、俺と違って直接意思を理解するタイプだ。声自体はめぇとしか聞こえてないから聞くと逆にわからんのかもしれん。


俺はそもそもみんなの言葉がわかってるから混乱もしないんだけど。




「ぴぴ!」


「お、どうだった野菜」


「ぴ!」


「・・・大きい?」



はて、先週はまだ全く成長してなかった気がするんだが・・・


すらっぴについてこーいっと言われたのでみんなでぞろぞろと大移動。

もちろん羊ちゃん達の内何匹かも一緒に来ている。全員がいるわけじゃない。ていうか、うちの子たちも全員来てないし。



「クゥ♪」


「ちゅ~」


「るる~」


「にゃ~」


「めぇ~」



まぁ着いてきてない羊ちゃん達と遊んでる子が来てない子だよ。



「めぇ」


「ん~まぁいいんじゃない?ここ危なくないし。しーちゃんも行ってきていいよ?」


「・・・めぇ」


「あらそう」



しーちゃんは行かないってさ


さて、そろそろ畑に着く・・・!?



「いや、なんで」


「ぴ!」


「う?」


「なんやー・・・?」



なんということでしょう。

何もない、普通の畑。先週はまだ芽も出てなかったのに、完全に収穫できるレベルまで育っています。



「なんで」


「へぇ~こうなるんやな」


「う~」



一本試しに収穫してみる。

・・・でかい。ニンジンだが、よくスーパーとかで見るニンジンの倍くらいのサイズがある。

それに重い。手に持った感触が、ずっしり身が詰まっていると訴えてくる。



「う!」


「・・・いやぁ、これは」


「ぴ?」


「き?」


「悪いことはないんだけど・・・」



この畑何もしてないんだよな。


大体農業って、虫を駆除したり、肥料あげたりとかそれはまぁいろいろやらなきゃいけない。

特に、おいしい物を作ろうとするのなら苦労も大きくなる。

それが、植えて放置するだけでこれだ。実際の味はどうだわからないが・・・



「これ食べれる?」


「うーん・・・食べれますね。普通にニンジンです」



そう、ここには何でもわかるヨミさんがいるのだ。



「変わった点とかないの?」


「魔力を含んでるくらいで特に変わった点は・・・」


「うんそれ十分変わった点だね」


「・・・あ、言われてみれば」



言われるまで気がつかなかったの?


そろそろダンジョンからでて長いんだから、魔力が当たり前にあるのはおかしいと思ってほしい物だ。



「いや、雪ちゃんも魔力持ちなんで・・・」


「んんん???」



なんで?



「え?・・・あ」


「おいお前隠し事してるな?」


「シラネイデスヨー」


「隠してるね?」


「カクシテナイデス」



いや明らかに隠し事あるじゃんそれ・・・

むむ。ヨミさんが完全に動物みたいな感じだったら撫でまくって話させるんだけど、人型だからな。

やったらフミに怒られる。

仕方ない。これだな。



「ニホリ」


「う」


「そ、それは!!」


「ニホリ特製のロールケーキだぞー」


「うーうー」


「・・・なんでダンジョンにロールケーキなん?」


「いや、ニホリの気分」


「う」(ドヤ



我が家のおやつ事情は完全にニホリの気分なので。

まぁ俺は食べない日とか普通にあるんだけど。



「いやぁ。話してくれたら俺の分もあげるんだけどなぁ」


「私がダンジョンで手に入れた体にいい物食べさせてますごめんなさい」


「何してんだお前」



想像を超えたことしやがってたぞ


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